東京春祭 歌曲シリーズ vol.25 ブリン・ターフェル(バス・バリトン)
東京春祭 歌曲シリーズ vol.25ブリン・ターフェル(バス・バリトン)
2019年春、10数年ぶりの来日を果たす、世界屈指のバス・バリトン歌手ブリン・ターフェル。音楽祭の15周年にスター歌手の稀少なリサイタルが華を添えます。
プログラム詳細
2019:03:28:19:00:00
2019/3/28 [木] 19:00開演(18:30 開場)
東京文化会館 小ホール
■出演
バス・バリトン:ブリン・ターフェル
ピアノ:ナターリア・カチュコヴァ
■曲目
アイアランド:
海ヘの情熱

放浪者

サン・マリーの鈴

クィルター:
今や深紅の花びらは眠る

もう泣かないで(《7つのエリザベス朝の詩》op.12より)

行け、愛らしいバラよ
喜びの麗しき家

イベール:
《4つのドン・キホーテの歌》
ドン・キホーテの出発の歌
ドゥルシネアへの歌
公爵の歌
ドン・キホーテの死の歌
シューベルト:
酒宴の歌 D888

セレナード D889

シルヴィアに D891

クィルター:
《3つのシェイクスピアの歌》op.6
来たれ、死よ

おお、わが愛しの人よ

吹けよ、吹け、冬の風よ

ブリテン:
霧めく、霧めく露(民謡編曲 第3集《イギリスの歌》より)

コープランド:
川のほとり

チンガ・リング・チョウ

[アンコール]
シューベルト:「万霊節のための連禱」D343
ジェリー・ボック:ミュージカル《屋根の上のヴァイオリン弾き》より「金持ちだったなら」
アッリーゴ・ボーイト :オペラ<メフィストーフェレ>より
【試聴について】

~東京春祭 歌曲シリーズ~
Terfel.pdf
アイアランドの歌曲
スコットランド系イギリス人の作曲家ジョン・アイアランドは、その端正な作風で知られる。3曲はいずれもイギリスの桂冠詩人ジョン・メイスフィールドの詩に付曲したもの。「海ヘの情熱」(1913)は、英国の海を背景に寂寥感のにじむ心情を歌う。「放浪者」(1922)は、路上に生きる放浪者の思想を歌う。「サン・マリーの鈴」(1918)は、船乗りだったメイスフィールドの経験にもとづいている。
クィルターの歌曲
「今や深紅の花びらは眠る」は、《3つの歌曲》(1905)の1曲。詩は、ヴィクトリア朝時代の桂冠詩人アルフレッド・テニスンの叙事詩「The Princess」から採られている。初期の作品だが、クィルターの歌曲を代表する名品である。「もう泣かないで」は、《7つのエリザベス朝の抒情詩》(1908)の第1曲。原詩は作者不詳。不思議な香気を放つこの詩には、ダウランドをはじめ幾人もの作曲家が付曲している。「行け、愛らしいバラよ」は、《5つのイギリスの愛の抒情詩》(1922)の1曲。イギリスの宮廷詩人エドマンド・ウォーラーの詩による。叙情的な旋律にのせて、愛する想いをバラに託して歌う。「喜びの麗しき家」は、《7つのエリザベス朝の抒情詩》の最後を飾る曲。原詩は作者不詳。短いながらも華やかさがある。
イベール:《4つのドン・キホーテの歌》
軽妙洒脱を得意とするパリ生まれの作曲家ジャック・イベールによる、スペイン情緒を感じさせる歌曲。フョードル・シャリアピン主演のフランス映画『ドン・キホーテ』(1933)のために書かれた。第1曲「ドン・キホーテの出発の歌」は、ルネサンス期のフランス詩人ピエール・ド・ロンサールの詩による。他の3曲はいずれも映画の台本を担当したアレクサンドル・アルヌーの詞による。第2曲「ドゥルシネアへの歌」は、軽快な前奏に続いてロマンチックな胸の内を歌う。第3曲「公爵の歌」は、策略家の公爵の歌。第4曲「ドン・キホーテの死の歌」は、深い悲しみと諦めに満ちている。
シューベルトの歌曲
シューベルトは1826年にシェイクスピアの戯曲の一節に付曲して、3つの歌を書いた。「酒宴の歌 D888」は、史劇『アントニーとクレオパトラ』第2幕第7場をもとにした、短い祝宴の歌。「セレナード D889」は、『シンベリン』第3幕の挿入歌より、恋人の目覚めを誘う爽やかな歌。「シルヴィアに D891」は、『ヴェローナの二紳士』第4幕第2場からとられた、ミラノ大公の娘シルヴィアに寄せる恋の歌。
クィルター:《3つのシェイクスピアの歌》
シェイクスピアの戯曲の歌を用いたこの曲集は、1905年に作曲・出版された。第1曲「来たれ、死よ」は、『十二夜』の第2幕第4場における道化フェステの歌。第2曲「おお、愛しき人よ」も、同じく第2幕第3場における道化フェステの歌。第3曲「吹け、吹け、冬の風」は、『お気に召すまま』の第2幕第7場における貴族アミアンズの歌である。
W.S.グウィン・ウィリアムスの歌曲
ウィリアム・スタンレー・グウィン・ウィリアムスは、作曲家、教育者、作家としてウェールズ音楽の継承と普及に多大な貢献をした人物。1950年に書かれた「なつかしきウェールズの小さな家」は、故郷に対する愛情と郷愁を歌う。ウェールズ語による「神の恵み」は、1943年の作品。
オーウェン・ウィリアムズ:しゅろの聖日
しゅろの聖日とは、復活祭直前の日曜日のことで、キリストが受難を前にエルサレムに入城したのを記念する日。本曲は、死せる我が子への子守唄の詩に、市井の音楽家オーウェン・ウィリアムズが付曲したもの。悲しみに満ちた旋律が胸を打つ。
伝承(B.デイヴィス編):海辺/にがり鳥
ブリン・ターフェルの故郷である英国の西端に位置するウェールズでは、英語と並んでウェールズ語が公用語とされている。一聴して英語とはまた違う印象を与える言語だが、ウェールズの人々は、古くから伝えられた言語と文化を大切に守っている。「海辺」は、海辺にまつわる思い出をしっとりと歌う伝承歌。「にがり鳥」は、明るい曲調の童謡である。
ブリテン:霧めく、霧めく露
作者不詳の民謡をブリテンが編曲したもの。リズミカルな伴奏にのせて歌われる、シンプルな男やもめの歌だが、「霧めく露」が何を意味するのかは謎めいている。1948年作曲の民謡編曲集『英国の島々』第3巻所収。
コープランドの歌曲
「川のほとり」と「チンガ・リング・チョウ」は、20世紀アメリカの作曲家アーロン・コープランドが1952年に編曲してまとめた「古いアメリカの歌 第2集」所収。前者の原曲は、ロバート・ロウリー作詞作曲の讃美歌。後者は、有名なミンストレル・ソングの一つで、アップテンポの賑やかな曲である。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
後援:ブリティッシュ・カウンシル
協力:ユニバーサル・ミュージック合同会社
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
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(2019/2/2更新)