PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.2ベルリオーズ 《レクイエム》
~都響新時代へ、大野和士のベルリオーズ

大編成の管弦楽と合唱が織りなす巨大なハーモニーを、理想的な組み合わせで聴けるのは ハルサイだけ!
オーケストラの色彩を知り尽くしたベルリオーズの大曲に挑む貴重なフィナーレ公演。

プログラム詳細

2015:04:12:15:00:00



ⓒ堀田力丸  
■日時・会場
2015.4.12 [日] 15:00開演(14:00開場) ※本公演に休憩はございません。
東京文化会館 大ホール

■出演
指揮:大野和士
テノール:ロバート・ディーン・スミス
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:レナート・バルサドンナ
合唱指導:宮松重紀

■曲目
ベルリオーズ:《レクイエム》死者のための大ミサ曲 op.5 speaker.gif[試聴]

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。



ロバート・ディーン・スミスが出演するその他の公演

東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.6
『ニーベルングの指環』第1日《ワルキューレ》
東京春祭 歌曲シリーズ vol.15
ロバート・ディーン・スミス(テノール)



 

出演者

指揮:大野和士 Kazushi Ono 「息を呑むばかり。ただ、ただ息を呑むばかり…マーラーは天国への扉を叩きながら、幸福に「復活」した」(英タイムズ紙)バーミンガム市響とマーラーの交響曲第2番「復活」を指揮したコンサートは、センセーショナルな成功を収めた。
2008年9月よりフランス国立リヨン歌劇場首席指揮者。▼続きを見る14年6-7月には同歌劇場とオッフェンバックの傑作オペラ《ホフマン物語》およびオーケストラ公演で日本ツアーを行い、大きな話題となった。
その他のオペラ公演では、07年6月にミラノ・スカラ座デビュー。その後、メトロポリタン歌劇場、パリ・オペラ座、ベルリン・ドイツ・オペラ、バイエルン州立歌劇場、グラインドボーン音楽祭、エクサンプロヴァンス音楽祭への出演などが相次いでいる。
シンフォニーコンサートの客演では、ロンドン響、ロンドン・フィル、ボストン響、イスラエル・フィル、バーミンガム市響、フランス放送フィル、BBC響、ハンブルグ北ドイツ放送響、ケルン放送響、南西ドイツ放送響、ウィーン放送響、トリノ放送響、スウェーデン放送響、ミラノ・スカラ座管、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ローマ・サンタチェチーリア管など多数。
東京生まれ。東京藝術大学卒。ピアノ、作曲を安藤久義氏、指揮を遠藤雅古氏に師事。バイエルン州立歌劇場にてサヴァリッシュ、パタネー両氏に師事。1987年にイタリアの「トスカニーニ国際指揮者コンクール」優勝。90-96年クロアチア、ザグレブ・フィル音楽監督。96-2002年ドイツ、バーデン州立歌劇場音楽総監督。92-99年、東京フィル常任指揮者を経て、現在同楽団桂冠指揮者。02-08年ベルギー王立歌劇場(モネ劇場)音楽監督。2012/13シーズンからはイタリアのアルトゥーロ・トスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者。2015年4月から東京都交響楽団音楽監督、同年9月からバルセロナ交響楽団音楽監督に就任予定。
93年第1回渡邉暁雄音楽基金音楽賞、同年に平成4年度芸術選奨文部大臣新人賞、97年出光音楽賞大賞、02年に第1回齋藤秀雄メモリアル基金賞、09年には第39回エクソンモービル音楽賞を受賞。06年大野和士指揮モネ劇場オペラ公演がフランス批評家大賞、ヨーロッパ大賞をダブル受賞。07年平成18年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。08年紫綬褒章受章。10年サントリー音楽賞、日本芸術院賞ならびに恩賜賞を受賞。同年11月には文化功労者に選ばれた。11年大野和士指揮フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団によるエクサンプロヴァンス音楽祭オペラ公演がフランス批評家協会によるクロード・ロスタン賞を受賞した。大野と同歌劇場は09年にも同賞を受賞している。

公式サイト http://www.horie-nobuo.com/ono/

©堀田力丸
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指揮:大野和士 Kazushi Ono

テノール:ロバート・ディーン・スミス Robert Dean Smith 1997年、リヒャルト・ワーグナーのバイロイト音楽祭で上演された《マイスタージンガー》のヴァルター・フォン・シュトルツィング役で鮮烈なデビューを果たして以来、世界各国の一流の歌劇場やコンサート・ホールで活躍。ドラマティックなヘルデンテノールの役の解釈者として絶賛されており、世界中の劇場やコンサート・ホールで▼続きを見るメータ、パッパーノ、ティーレマン、ムーティ、バレンボイム、サヴァリッシュ、ブーレーズ、フォン・ドホナーニ、ハイティンク、ナガノ、ガッティなどの指揮者と共演、現在最も知名度の高い歌手のひとりとして、その地位を確固たるものにしている。
バイロイトでは《トリスタンとイゾルデ》のタイトルロール、《マイスタージンガー》のヴァルター・フォン・シュトルツィング、《ローエングリン》のタイトルロール、《ワルキューレ》のジークムントなどを歌ってきた。この他にもミュンヘン・バイエルン国立歌劇場(《マイスタージンガー》、《フィデリオ》、《トスカ》、《マノン・レスコー》、《魔弾の射手》、《スペードの女王》)、ウィーン国立歌劇場(《トリスタンとイゾルデ》、《マノン・レスコー》、《マイスタージンガー》)、ミラノ・スカラ座(《ローエングリン》、《フィデリオ》)、ベルリン・ドイツ・オペラ(《マイスタージンガー》、《フィデリオ》、《ローエングリン》、《パルジファル》)、ドレスデン州立歌劇場(《マイスタージンガー》、《カルメン》、《ローエングリン》)、ロンドン・コヴェント・ガーデン王立歌劇場(《マイスタージンガー》、《ローエングリン》、《カーチャ・カバノヴァ》)、新国立劇場(《運命の力》、《ワルキューレ》)、ロス・アンジェルス・オペラ(《影のない女》)、サン・フランシスコ歌劇場(《マイスタージンガー》)、マドリッド・レアル劇場(《パルジファル》、《影のない女》)、バルセロナ・リセウ大劇場(《パルジファル》、《ナクソス島のアリアドネ》)、ハンブルク州立歌劇場(《スペードの女王》)、フィレンツェ歌劇場(《マイスタージンガー》)。アムステルダム歌劇場(《マイスタージンガー》)などに出演している。
コンサートで共演したことのあるオーケストラには、バイエルン放送交響楽団(マーラー《大地の歌》)、バイエルン国立管弦楽団(《大地の歌》)、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(《大地の歌》、コダーイの《ハンガリー詩篇》、ベートーヴェンの《交響曲第9番》、ストラヴィンスキーの《エディプス王》)、ロンドン交響楽団(エルガーの《ゲロンティアスの夢》)、フィラデルフィア管弦楽団(ベートーヴェンの《ミサ・ソレムニス》)、サンタ・チェチーリア国立音楽院管弦楽団(ドヴォルジャークの《レクイエム》、《ワルキューレ第一幕》)、ベルリン国立歌劇場管弦楽団(マーラーの《交響曲第8番》)、パリ管弦楽団(ベートーヴェンの《交響曲第9番》、コンサート形式の《フィデリオ》)、ロス・アンジェルス・フィル(ベートーヴェンの《交響曲第9番》)、ウィーン交響楽団(《ベートーヴェンの《交響曲第9番》、ドヴォルジャークの《スターバト・マーテル》》、ハンブルク・シンフォニカー(オペラ・ガラ)、ベルリン・ドイツ交響楽団(ベートーヴェンの《オリーヴ山上のキリスト》)、SWR放送管弦楽団(シェーンベルク《グレの歌》)、モンテ・カルロ・フィルハーモニー管弦楽団(コンサート形式の《パルジファル》)、シンシナティ交響楽団(コンサート形式の《ローエングリン》)などがある。
2001年8月には、バイロイト祝祭劇場で行われたバイロイト音楽祭の125周年を祝うクリスティアン・ティーレマン指揮によるベートーヴェンの《交響曲第9番》の公演で、バイロイト祝祭管弦楽団、合唱団と共演、テノール・ソロを歌うという栄誉に浴した。アルテ・ノヴァからリリースされたワーグナーのオペラ・アリア集のCDは、リリック・ディスク国際アカデミーのオルフェ・ドールを受賞している。
米国、カンザス州に生まれ、ピッツバーグ(カンザス)州立大学ではMargaret Thunemannに、ニューヨーク・シティのジュリアード音楽院ではダニエル・フェッロに、またヨーロッパではジャニス・ハーパー教授に師事した。多くのドラマティック・テノールがそうであるように、最初はバリトン歌手としてスタートし、ドイツの歌劇場で何年か歌っていた。優れたトレーニングと舞台で見せる多才さによって、オペラとコンサートの両方で、いろいろな言語やスタイルでの幅広いレパートリーをこなす存在となっている。
最近の出演には、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場での《ナクソス島のアリアドネ》と《蝶々夫人》、クリスティアン・ティーレマン指揮によるバーデン・バーデン祝祭劇場での《ナクソス島のアリアドネ》、ウィーン国立歌劇場での《影のない女》、ビルバオでの《死の都》、ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場での《タンホイザー》と《ナクソス島のアリアドネ》、ドレンスデン・ゼンパーオーパーでの《ローエングリン》、パリのオペラ・バスティーユでの《トリスタンとイゾルデ》と《アイーダ》などがある。
今後の出演予定には、ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場での《影のない女》、オビエドでの《オテロ》でのデビュー、ウィーン国立歌劇場での《タンホイザー》と《フィデリオ》、トゥールーズとヘルシンキでの《トリスタンとイゾルデ》、ロンドンのコヴェント・ガーデン・王立歌劇場での《ナクソス島のアリアドネ》などがある。

公式サイト http://www.horie-nobuo.com/ono/
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テノール:ロバート・ディーン・スミス Robert Dean Smith

管弦楽:東京都交響楽団 Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra 東京オリンピックの記念文化事業として1965年東京都が設立。
創立50周年を迎える2015年4月より大野和士が第5代音楽監督に就任するほか、小泉和裕が終身名誉指揮者、エリアフ・インバルが桂冠指揮者、ヤクブ・フルシャが首席客演指揮者を務める。
定期演奏会などを中心に、小中学生への音楽鑑賞教室(約60回/年)、▼続きを見る青少年への音楽普及プログラム、多摩・島しょ地域での訪問演奏、ハンディキャップを持つ方のための「ふれあいコンサート」や福祉施設での出張演奏など、多彩な活動を展開。《首都東京の音楽大使》として、欧米・アジア各国公演でも国際的な評価を得ており、13年5月には「プラハの春国際音楽祭」などに招かれチェコおよびスロバキアで公演を行い、いずれも熱烈な喝采を浴びた。2015年11月には14年ぶりの長期ツアーとなるヨーロッパツアー(指揮:音楽監督・大野和士)を予定している。
受賞歴に、第6回京都音楽賞大賞、インバル指揮「ショスタコーヴィチ:交響曲第4番」での第50回レコード・アカデミー賞〈交響曲部門〉および第25回ミュージック・ペンクラブ音楽賞〈コンサート・パフォーマンス賞〉・〈録音・録画作品賞〉など。

公式サイト http://www.tmso.or.jp

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合唱:東京オペラシンガーズ Tokyo Opera Singers 1992年、小澤征爾指揮、蜷川幸雄演出で話題を呼んだ《さまよえるオランダ人》の公演に際して、世界的水準のコーラスをという小澤氏の要望により、東京を中心に活躍する中堅、若手の声楽家によって組織された。当公演の合唱は圧倒的な成果を上げ、各方面から絶賛を受けた。その評価により同年、第1回サイトウ・キネン・フェスティバル松本《エディプス王》、▼続きを見るバイエルン国立歌劇場日本公演《さまよえるオランダ人》(ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮)に招かれ、再び高い評価を得た。翌1993年から活動は本格化し、サイトウ・キネン・フェスティバル松本(2009年まで連続出演)、東京フィルハーモニー交響楽団主催コンサート(出演したオペラコンチェルタンテ・シリーズ「ヒンデミット3部作:大野和士指揮」は文化庁芸術祭大賞受賞)、東京・春・音楽祭等を活動の中心に置く他、ベルリン・コーミッシェ・オーパー、キーロフ歌劇場管弦楽団(ヴァレリー・ゲルギエフ指揮)、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団(ユーリ・テミルカーノフ指揮)、イタリア国立放送交響楽団等の来日公演に出演、音楽界の活性化に大きく貢献することとなった。1998年には長野冬季オリンピック開会式において、世界6ヵ国を結ぶ《第九》合唱で、中心となる日本側の演奏を担当した。1999年にはヨーロッパの代表的音楽祭の一つであるエディンバラ音楽祭に出演(東急文化村制作《トゥーランドット》)、最大級の賞賛を得た。2000/01年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と共演(小澤征爾、サイモン・ラトル指揮)、同楽団からも高い評価を得た。東京・春・音楽祭には、東京のオペラの森合唱団として第1回から連続出演。2006/07/10年に共演したリッカルド・ムーティ(ヴェルディ《レクイエム》、オルフ《カルミナ・ブラーナ》他)からも高い評価を得ている。2010年からスタートした東京春祭ワーグナー・シリーズ《パルジファル》にも出演、好評を得た。2011年には主要メンバーによる「にほんのうた」シリーズを開始。また急きょ開催されたズービン・メータ指揮《第九》(東日本大震災被災者支援チャリティーコンサート)にも出演、当公演は大きな感動を呼んだ。

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合唱指揮:レナート・バルサドンナ レナート・バルサドンナはロイヤル・オペラ合唱団の合唱監督を務めており、2004年の就任以来、ロイヤル・オペラ・ハウスとロイヤル・バレエ団の上演に関わる合唱をすべて指導している。バートウィッスルの歌劇《ミノタウロス》では副指揮を務め、12年のエリザベス女王のダイヤモンド・ジュビリー(即位60年記念式典)を祝う「Our Extraordinary World」ガラ公演では▼続きを見る合唱指揮を務めた。14年にはロイヤル・オペラ・ハウスでヴェルディの歌劇《二人のフォスカリ》を指揮している。また、コヴェント・ガーデンのセント・ポール教会やポール・ハムリン・ホールでの合唱コンサート、ロイヤル・オペラ・ハウスの「Learning and Participation」とのインサイト・イブニングで合唱を指導している。 ヴェネツィアで生まれ、哲学、ピアノと作曲を学んだ。イタリアでコレペティートルとして活動した後、バーゼルや、ブリュッセルのモネ劇場で合唱指揮アシスタントを務める。アントニオ・パッパーノのもとで1997年にモネ劇場の合唱監督に就任、その後パッパーノとともにロイヤル・オペラ・ハウスへ移った。 ロイヤル・オペラ・ハウス以外の活動としては、グレンジ・パーク・オペラでのマスネの歌劇《ドン・キホーテ》の指揮、バイロイト音楽祭でのノルベルト・バラッチのアシスタント、客演指揮者としてフランクフルト歌劇場合唱団、BBCシンガーズ、オランダ放送合唱団、聖チェチーリア音楽院合唱団、シカゴのグラント・パーク音楽祭等が挙げられる。また多くのレコーディングをEMI、ドイツ・グラモフォン、ワーナー・クラシックス、オペラ・ララ、シャンドス等で行っている。定期的にロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団も指揮している。

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合唱指揮:レナート・バルサドンナ

合唱指導:宮松重紀 1963年、横浜生まれ。横浜国立大学教育人間科学部を卒業後、東京藝術大学指揮科を1991年、首席にて卒業する。指揮を山田一雄、遠藤雅古の各氏に師事。1989年にはイタリアのキジアーナ音楽院に学び、ロジェストヴェンスキーに師事。東京二期会や日生劇場等のオペラ公演に副指揮として携わり、小澤征爾、若杉弘、外山雄三等のもとで研鑽を積む。▼続きを見る1989年、新星日本交響楽団を指揮してデビュー。1992年、東京オペラ・プロデュース公演《ドン・ジョヴァンニ》でオペラデビュー。以来、東京フィルハーモニー交響楽団・東京交響楽団・東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団・神奈川フィルハーモニー管弦楽団・仙台フィルハーモニー管弦楽団・群馬交響楽団・広島交響楽団・大阪センチュリー交響楽団等を数多く指揮し、いずれも高い評価を得た。特に東京フィルハーモニー交響楽団との関係は長く、新星日本交響楽団時代を含めると、指揮した演奏会は100を超えている。またオペラ公演では、新国立劇場や二期会を始め、横浜シティオペラ、関西二期会等、全国各地でのオペラ公演も数多く指揮。様々な演出家、歌手とともに多数の公演を上演し、多くの信頼を得ている。特に2001年、新国立劇場主催公演ロッセリーニ《花言葉》では「大きな流れと繊細さを併せ持つ指揮者」(「日本経済新聞」)「歌手を自由にさせながら、オーケストラを歌わせる能力に舌を巻く」(「音楽の友」)と絶賛される。知られざるオペラの発掘にも意欲的で、カールマン《サーカスの女王》、ペルゴレージ《やきもち亭主》を日本初演している。近年では2008年に渡伊、ミラノ・スカラ座にて研修。スカラ座公演、大野和士指揮《マクベス》に携わり、氏のアシスタントを務める。合唱指揮者としても絶大な信頼を得ており、日本における重要な公演に数多く携わっている。ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演(2000年、小澤征爾指揮)、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団(2006年ユーリ・テミルカーノフ指揮)、東京のオペラの森管弦楽団(2006/07年リッカルド・ムーティ指揮)、その他NHK交響楽団、東京都交響楽団、読売日本交響楽団の定期演奏会等に客演する。サイトウ・キネン・フェスティバル松本では、2000年のバッハ《ロ短調ミサ》の公演以来、長年に渡り合唱指導の責任を担っている。また、東京オペラシンガーズとの関係も大変深く、東日本大震災チャリティー・コンサート《第九》(ズービン・メータ指揮NHK交響楽団)を始め、数多くの公演を成功へと導いている。東京混声合唱団のコンダクター・イン・レジデンスも務める。2015年には、フランス放送合唱団の音楽監督マティアス・ブラウアーの招聘により、同合唱団の定期演奏会への客演が予定されている。ピアニストとして、東京フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団のメンバーとサロンコンサートを行い、歌手リサイタルの伴奏を続けており、「劇的な表現にもかかわらず歌手と一つに溶け合う」(「神奈川新聞」)と評される。2008年、広島市民オーケストラと自身の弾き振りで、モーツァルト《ピアノ協奏曲ハ短調》を演奏し、絶賛された。また、編曲の活動も行っており、作品は自身の指揮で、新星日本交響楽団や東京交響楽団で演奏された。クラシック以外にも活動を広げており、小椋佳、小松亮太(バンドネオン)、藤原道山(尺八)とのコラボレーションや、東京フィルハーモニー交響楽団によるアニメ音楽のCDもエイベックスから発売されている。現在、母校である横浜国立大学の講師として、後進の育成に情熱を注いでいる。

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合唱指導:宮松重紀

■曲目解説

ベルリオーズ:《レクイエム》死者のための大ミサ曲 op.5
 ベルリオーズは、この《レクイエム》をフランス政府の依頼で1837年に作曲した。当時のフランスは、1830年の7月革命でブルボン復古王朝を倒し、オルレアン家のルイ・フィリップを国王として成立した立憲君主制の7月王政の時代。政府は、その7月革命と未遂に終わった1835年のルイ・フィリップ暗殺事件の犠牲者のための慰霊祭の音楽をベルリオーズに依頼したのだった。革命記念の7月の上演に合わせてのものだったが、ベルリオーズが依頼を受けたときは、3月も終わろうとしていた。
 依頼の前に作曲を進めていた《荘厳ミサ》からの転用もあったとはいえ、絶頂期にあったベルリオーズの創作意欲は凄まじく、わずか4ヵ月足らずで約90分にも及ぶ壮大な《レクイエム》を作曲した。しかし、予定されていた慰霊祭が政治的な理由で短縮されたため、《レクイエム》の初演の機会は失われた。ベルリオーズはそれまでに行なったリハーサルの費用などで窮地に追い込まれたが、そんな彼を救ったのはルイ・フィリップの秘書をしていたアレクサンドル・デュマで、デュマの働きかけにより、この作品は同年12月に行なわれる別の慰霊祭で初演されることになった。
 《レクイエム》の編成は、160人を超えるオーケストラ(ホルン12、ティンパニ8対、シンバル10対、タムタム4、他)、200人の合唱(ソプラノ、テノール、バス)、テノール独唱、さらにそれとは別に礼拝堂の四方に4本ずつのトランペット、トロンボーンからなる4つのバンダ(加えて一つにはチューバ2、もう一つにはオフィクレイド4)を配する前代未聞のスケールだった。しかも、総勢400人の音楽家は、演奏される空間に合わせて数を増やすよう指示されている。
 ベルリオーズがこれほどの規模を構想したのは、たとえば第2曲「怒りの日-奇しきラッパの響き」の最後の審判の戦慄を大音響で響かせるためだけではなく、天蓋が閉じられた広大な礼拝堂の空間の静寂を際立たせるという意図もあったと思われる。静寂とは閉じられた広い空間とそこにいる人々の沈黙で成立するからだ。そして劇的であることもまた、抑制された身振りやドラマトゥルギーによって際立つ。音楽による劇的作法を知悉していたベルリオーズは、そのことを心得ていたに違いない。実際、大音響が炸裂するのは全10曲中、先の第2曲と第4曲「恐るべき御稜威の王」、第6曲「涙の日」だけで、ほかの楽章はこれらを頂点として大きな弧を描くように静寂と叙情性を主とした音楽が配置されている。
 歌詞は基本的に伝統的なレクイエムの固有文に則っているが、かなり自由な組み替えが施されている。(第1曲:レクイエム-キリエ、第2曲:怒りの日-奇しきラッパの響き、第3曲:そのとき憐れなるわれ、第4曲:恐るべき御稜威の王、第5曲:われを探し求め、第6曲:涙の日、第7曲:主イエス・キリストよ、第8曲:賛美の生贄、第9曲:聖なるかな、第10曲:神羊誦と聖体拝領唱)


主催:東京・春・音楽祭実行委員会
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

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