PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2011-

ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.8 福田進一(ギター)

-本公演は中止となりました-

プログラム詳細

■日時・会場
2011.3.24 [木] 19:00開演(18:30開場)
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール

■出演
ギター:福田進一

■曲目
J.S.バッハ(福田進一編)
 シャコンヌ speaker.gif[試聴]
 組曲 ト長調(無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009) speaker.gif[試聴]
 組曲 ニ長調(無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012) speaker.gif[試聴]
曲目解説はこちら



「東博でバッハ」
・vol.7 田崎悦子(ピアノ)の公演詳細はこちら
・vol.9 中野振一郎(チェンバロ)の公演詳細はこちら
・vol.10 横坂 源(チェロ)の公演詳細はこちら

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

ギター:福田進一 Guitar: Shin-ichi Fukuda 1955年大阪府生まれ。12歳より斎藤達也に師事、ギター奏法と音楽の基礎を学ぶ。1978年、パリ・エコール・ノルマル音楽院でA.ポンセにギターを学ぶ。また、音楽学、和声楽、楽曲分析をN.ボネに師事し首席で卒業。さらに1980年、イタリア・キジアーナ音楽院でO.ギリアに学び、最優秀ディプロマを受賞。81年、パリ国際ギターコンクールで優勝、一躍注目を集め、さらに内外でも輝かしい賞歴を重ねた。これまでに、シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団を始め、アテネ市交響楽団(ギリシャ)、ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団(ドイツ)、オルケストラ・ドゥ・グラン・レペルトワール(フランス)、キューバ国立交響楽団等、内外のオーケストラと共演。ジャズの渡辺香津美らジャンルを超えた一流ソリストとの共演でも話題を集め、絶賛を博している。
ここ数年間で世界20カ国以上の主要都市に招かれリサイタルを開催、数多くの国際ギターコンクールに審査員としても招かれている。また、海外で優れた邦人作品を積極的に演奏する等、日本の優れた音楽文化を世界に紹介した功績により、平成19年度外務大臣表彰を受ける。
2005年より山形県庄内町「響ホール」で開催されている「庄内国際ギターフェスティバルin響」の音楽監督を務め、第1回からフェスティバルの名声を国際的に高めることに成功。2006年より「Hakujuギター・フェスタ」のプロデュースを荘村清志と共に務め、毎回斬新な企画とプログラムにより大きな注目を集めている。キューバの生んだ大作曲家L.ブローウェルは「かつて聴いたことのない真のヴィルトゥオーゾ、そして“音楽家”である」と称賛し、《悲歌~イン・メモリアム・タケミツ》(96年)を献呈、さらに2006年には新作《ハープと影》を献呈、5月の日本における世界初演に引き続き、台湾、ドイツ、フランス等、各国で初演。2006年には野平一郎の大作《悲歌集》を津田ホールで世界初演。2008年5月、福田進一に献呈されたブローウェルの協奏曲《コンチェルト・ダ・レクイエム》をコブレンツ国際ギターフェスティバルでライン州立交響楽団と世界初演、その後、作曲家自身の指揮によりコルドバ管弦楽団(スペイン)でも再演され大成功を収めた。19世紀ギター音楽の再発見から現代音楽までのボーダレスな活動は世界的な評価を獲得している。
発表したCDはすでに60枚に迫り、近年ではスペイン音楽第2集『セビリア風幻想曲』(マイスターミュージック)、『ロッシニアーナ』(コロムビア)、『福田進一/アランフェス協奏曲』(飯森範親指揮ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団、コロムビア)、『翼~イン・メモリアムタケミツ Vol.2』(コロムビア)等をリリース。なかでも『セビリア風幻想曲』は、平成15年度第58回文化庁芸術祭賞優秀賞を受賞。最新作は『エチュード・ブリランテ~タレガ作品集II』(マイスターミュージック)。ますます精力的に活動の場を広げるスーパー・ギタリストである。

福田進一公式サイト http://web.me.com/cadenza_fukuda/

ギター:福田進一 Guitar: Shin-ichi Fukuda

■曲目解説

J.S.バッハ(福田進一編):
  《シャコンヌ》
  《組曲 ト長調》(原曲:無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009)
  《組曲 ニ長調》(原曲:無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012)

 J.S.バッハの《シャコンヌ》と《無伴奏チェロ組曲》はその音楽性の高さから、さまざまな編成への編曲が試みられてきた。今回演奏されるのは、福田進一自身が編曲したギター版だが、《無伴奏チェロ組曲》の第5番などはバッハの手によりリュート版が作られており、撥弦楽器への編作はごく自然な移行と言えるだろう。
 《シャコンヌ》のギター編曲は、「現代クラシック・ギター奏法の父」アンドレス・セゴビアを始め、多くのギタリストによってなされてきた。福田はアレンジにあたって「レオンハルトやコープマンの演奏を意識した」と語っている。
 《組曲 ト長調》(無伴奏チェロ組曲 第3番)は、一連の組曲のなかでも演奏回数が多い作品の一つ。第1曲プレリュードは、流麗な音の動きから徐々に迫力を増していく。第2曲アルマンドは、本来のものよりややテンポが遅い。第3曲クーラントの軽快さは、イタリアのコレンテ(フランス語のクーラントと同義で「走る、流れる」の意)に近い。第4曲サラバンドは比較的小さめの曲ながら、重音奏法の多さや基本リズムと旋律的な動きのせめぎ合いなど、内容的には濃密である。第5曲ブレーは、対照的な2つの旋律が際立っている。第6曲ジーグは、細かなフレージングの要求によって高度な音楽性を追求している。
 《組曲 ニ長調》(無伴奏チェロ組曲 第6番)は、同組曲のなかでも演奏の難易度が高い。もともとこの曲は5弦のチェロのために作曲され、現代では普通のチェロか古楽器のヴィオロンチェロ・ピッコロ(バッハの時代に使用されていた5弦の小型チェロ)が用いられる。バリオラージュ奏法(同じ音高を別の弦で交互に弾いて、音色の違いを聴かせる奏法)が特徴的な第1曲プレリュード、非常に音数の多い第2曲アルマンド、生き生きとした動きの第3曲クーラント、重音を多用した第4曲サラバンド、至難の演奏技巧が聴きどころの第5曲ガヴォット、快活さと気品を備えた第6曲ジーグ、という全6曲から成る。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館

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