PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2018-

ミュージアム・コンサート金子美香 メゾ・ソプラノ・リサイタル

東京春祭ワーグナー・シリーズの日本人キャストとして存在感のある美声で評価の高まる金子美香。ドイツ・リートとともにライフ・ワークとしている日本歌曲をお届けします。

プログラム詳細

2018:04:03:19:00:00

■日時・会場
2018.4.3 [火]19:00開演(18:30開場)
国立科学博物館 日本館講堂

■出演
メゾ・ソプラノ:金子美香
ピアノ:イェンドリック・シュプリンガー

■曲目
山田耕筰:
 嘆き (《露風之巻》より) [試聴]
 燕 (《露風之巻》より) [試聴]
 異国 (《露風之巻》より) [試聴]
 唄 (《露風之巻》より) [試聴]
 夜曲 [試聴]
 君がため織る綾錦 (《風に寄せてうたへる春のうた》 より) [試聴]
 たたへよ、しらべよ、歌ひつれよ (《風に寄せてうたへる春のうた》 より) [試聴]
石桁真礼生:ふるさとの
團 伊玖磨:舟唄 -片戀- [試聴]
高田三郎:くちなし [試聴]
三善 晃:ほおずき
橋本國彦:お六娘 [試聴]
マーラー:《リュッケルトの詩による5つの歌曲》 [試聴]
 私はほのかな香りを吸い込む
 私の歌を覗き見しないで
 美しさゆえに愛するのなら
 真夜中に
 私はこの世に捨てられて
R.シュトラウス:
 夜に op.68-1 [試聴]
 私は恋を抱いて op.32-1 [試聴]
 万霊節 op10-8 [試聴]
 ツェチーリエ op.27-2 [試聴]
 献呈 op.10-1 [試聴]

[アンコール]
山田耕筰:鐘が鳴ります
シューベルト:音楽に寄す

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,600

 ■発売日
  一般発売:2017年12月7日(木)10:00

チケット予約・購入 お買い物カゴ トリオ・チケット

■曲目解説

山田耕筰の歌曲

1910(明治43)年、ベルリン王立芸術アカデミーに留学した山田耕筰は、三木露風の詩集を携えていた。耕筰は折に触れて露風の詩に付曲し、それらはのちに歌曲集《露風之巻》としてまとめられた。「嘆き」は、格調高い詩がピアノの優しい和音の連打とともに歌われる。「燕」は、自由に羽ばたく燕を表現するかのように、上下行をカノンでくり返すピアノ伴奏がユニーク。「燕」と同時に生まれた「異国」は、留学当時の山田耕筰の心情を表わしているかのようだ。「唄」は、所々にドイツ民謡「蝶々」が顔をのぞかせる。「夜曲」は、かぐわしい夏の夜を心ゆくまで堪能するような美しい曲である。全4曲からなる連作歌曲集《風に寄せてうたへる春のうた》でも露風の詩を用いている。「君がため織る綾錦」は、流麗な旋律が印象的な曲。耕筰の言によれば、異国的な金銀細工ではなく、「さびた綾錦の匂い」を目指したという。「たたへよ、しらべよ、歌ひつれよ」は、スケールの広がりを感じさせる曲である。

日本の歌曲

石桁真礼生は、和歌山県出身の作曲家。「ふるさとの」は1962年の作品で、三木露風『廃園』の詩に甘美な旋律が付けられている。

東京の男爵家に生まれた團伊玖磨が1946年に作曲したのが、北原白秋の詩による歌曲集《五つの断章》。その第2曲が「舟唄」(副題の「片戀」は『東京景物詩』(1913年刊)所収の白秋の原詩タイトル)で、五・七・五調の詩に付けられたエキゾチックな旋律、金と赤とに照り映えるアカシアの花のイメージが鮮烈。

愛知県出身の作曲家・髙田三郎は、詩人・高野喜久雄と出合い、声楽曲を数多く作曲した。「くちなし」もそのコンビによるもので、亡き父の面影をくちなしに重ね、清々しい旋律にのせて、父の心に思いを馳せる。

東京出身の三善 晃が1976年に作曲した全5曲の《抒情小曲集》は、萩原朔太郎の詩によるもので、「ほおずき」はその第1曲。20代前半にパリに留学した三善は、近代フランス音楽の影響のもと、洗練された声楽曲を多く残した。

同じく東京・本郷出身の橋本國彦はウィーン留学を経て、おもに戦前の音楽界で活躍した。「お六娘」は、童謡の作詞でも知られる林柳波の詞を用いて、1929年に書かれた。詩文末の「ござる」が軽妙なリズムを生む。

マーラー:《リュッケルトの詩による5つの歌曲》

1901年~03年にかけて作曲された歌曲集で、ピアノ伴奏版とオーケストラ伴奏版が存在する。同じくリュッケルトの詩を用いた《亡き子をしのぶ歌》と同時期の作品だが、本作の5つの歌は内容的な関連性が薄く、演奏される曲順も特に指定がない。曲趣もバラエティに富んでいる。

R.シュトラウスの歌曲

「夜に」は《クレメンス・ブレンターノの詩による6つの歌曲》(1918年)の第1曲。ブレンターノはドイツ・ロマン主義の詩人で、このテクストはもともと彼の戯曲『プラハの建設』のなかで歌われる叙事的な詩であるが、シュトラウスはそこから濃厚な官能を汲み取っている。「私は恋を抱いて」は《5つの歌曲》(1896年)の第1曲。ドイツの詩人カール・ヘンケルの詩を用い、愛の絶頂にある歓びをゆったりとした旋律で歌う。「万霊節」を含む《8つの歌曲》(1885年)は、シュトラウス最初の歌曲集。19世紀オーストリアの詩人ヘルマン・フォン・ギルムの詩に付曲したもので、18~19歳の頃の作品だが、のちの華麗な書法への萌芽がすでに見受けられる。「万霊節」はその第8曲で、演奏会の定番とも言える曲。万霊節とは日本のお盆にあたり、年に一度死者が帰って来る日のこと。本曲も亡くなった恋人へ愛を捧げる歌となっている。「ツェチーリエ」は、1894年に書かれた《4つの歌曲》の第2曲。19世紀ドイツの作家ハインリヒ・ハルトの詩をもとに、パウリーネとの結婚の前日に書かれた。花嫁を優しく諭すような愛の歌である。「献呈」は「万霊節」と同じ《8つの歌曲》の冒頭を飾る曲で、こちらも演奏機会が多い。若さがほとばしるような、瑞々しい旋律に心打たれる。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館 協力:タカギクラヴィア株式会社


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2018/04/05更新)

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