東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-
ブラームスの室内楽 IV
~竹澤恭子、川本嘉子、ヴァハン・マルディロシアン
ヴィオラの川本嘉子が中心となり2014年から始まったブラームスの室内楽シリーズ。毎回多彩な共演者を迎え、真摯に音楽に取り組むことで評価を高めています。晩年のヴァイオリン・ソナタには盟友・竹澤恭子を迎えて。
プログラム詳細
2017:04:14:19:00:00
2017.4.14 [金] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール
■出演
ヴァイオリン:竹澤恭子
ヴィオラ:川本嘉子
ピアノ:ヴァハン・マルディロシアン
■曲目
ブラームス:
ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 op.100 (ヴィオラ版)

ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 op.108

主題と変奏 二短調 op.18b

ホルン三重奏曲 変ホ長調 op.40 (ヴィオラ版)

[アンコール]
グノー:アヴェ・マリア
【試聴について】

~春祭ジャーナル~
チケットについて
■チケット料金(税込)
席種 | S席 | A席 | U-25※ |
---|---|---|---|
料金 | ¥5,700 | ¥4,100 | ¥1,500 |
■発売日
一般発売:2016年11月27日(日)10:00
※ U-25チケットは、2017年2月10日(金)12:00発売開始
(公式サイトのみでの取扱い)

ブラームスの室内楽
ヴァイオリン・ソナタ 第2番 (ヴィオラ版)
ブラームスは夏の休暇中に作曲するのを好んだ。残された3つのヴァイオリン・ソナタはそれぞれ性格が異なるが、いずれも夏に保養地で書かれた。本曲は、スイスのインターラーケンにほど近いトゥーン湖畔で1886年に作曲された。今回は、演奏者自身によるヴィオラ編曲版でお届けする。美しい夏の避暑地で、心身ともに充足した時間を映すかのように、この第2番は快活さに満ち、喜びにあふれている。全3楽章で、ソナタ形式の第1楽章の第1主題は、優しい愛に包まれたような旋律をピアノが奏で、そこにヴィオラが加わる。第2楽章は、穏やかな抒情性をもつアンダンテの部分と、怪しげに跳ねるスケルツォ風のヴィヴァーチェの部分とが交互に繰り返される。ロンド形式の第3楽章は、深い呼吸で朗々と旋律を歌い、ドラマティックな表情の豊かさを見せる。
ヴァイオリン・ソナタ 第3番
すでに4曲の交響曲を書き終えたブラームスの円熟期を代表する作品である。ブラームスのヴァイオリン・ソナタ全3曲のなかでも、もっともスケールが大きく、何よりも抒情的な旋律の美しさと、曲全体に見られるシンコペーションのリズムが印象的な曲である。1886~88年の夏のあいだ、豊かな自然に囲まれたトゥーン湖畔で過ごしながらも、次々と親しい友人たちの訃報に接したことなどから、ブラームスの内面は徐々に深い諦観へと傾斜していく。その憂愁を帯びた枯淡の味わいは、第2楽章冒頭のG線で奏されるヴァイオリンの旋律に凝縮されている。
主題と変奏 ニ短調 op.18b
この曲は、1860年(27歳の頃)に完成した《弦楽六重奏曲 第1番》の第2楽章をブラームス自身がピアノ独奏用に編曲したもので、同年9月13日のクララ・シューマンの誕生日に、彼女に捧げられた。いかにもブラームスらしい愁いを帯びた主題と6つの変奏からなり、第1変奏から音符が細かく分割されていき、次第に情熱的に盛り上がっていく。第4変奏では一転して長調に変わり、美しい愛の旋律を奏でるように和らぐが、最終変奏で再び短調に戻り、ほの暗い主題旋律がどこか遠い記憶を語るように、静かに曲を閉じる。
ホルン三重奏曲 (ヴィオラ版)
当時のドイツでは、すでにバルブ付きの近代的ホルンが主流であったが、ブラームスは旧式のナチュラル・ホルンに愛着を寄せていた。ブラームスが少年の頃、母に吹いて聴かせていたという挿話もあり、この曲もナチュラル・ホルンの懐古的で柔らかな響きを意識して書かれている。1865年5月、広大なシュヴァルツヴァルト(黒い森)に隣接した保養地バーデン=バーデンで書き上げられた。同年2月には母が他界しており、深い憂愁に閉ざされた第3楽章は亡母への哀悼だろうか、アダージョ・メスト(ゆるやかに悲しみにみちて)との指示がある。今回、ホルンパートはヴィオラによって演奏されるが、この楽器の持ち替えはブラームス自身によって認められているものである。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。
(2017/04/15更新)