東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-
ミュージアム・コンサート「新印象派-光と色のドラマ」展 記念コンサート vol.1
~吉田 誠(クラリネット)
フランスで研鑽を積み、帰国後はサイトウ・キネン・フェスティバル松本「兵士の物語」に連続出演、ウィーン・フィルのメンバーとの室内楽などで近年注目が高まる吉田誠。東京春祭での初リサイタルでは得意のフランス音楽を中心にお届けします。
プログラム詳細
2015:03:14:14:00:00
2015.3.14 [土] 14:00開演(13:30開場)[約60分]
東京都美術館 講堂
■出演
クラリネット:吉田 誠
ピアノ:佐野隆哉
■曲目
ドビュッシー:クラリネットのための第1狂詩曲 [試聴]
ボザ:クラリネットとピアノのための「ブコリック」(牧歌)[試聴]
プーランク:クラリネット・ソナタ
ラボー:コンクール用クラリネットの独奏曲 op.10 [試聴]
ミヨー:協奏的二重奏曲 op.351 [試聴]
ヴィドール:序奏とロンド
[アンコール]
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
メサジェ:コンクールのためのソロ
【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。
~関連ニュース~
~「新印象派-光と色のドラマ」展 記念コンサート ~
出演者
クラリネット:吉田 誠 Clarinet:Makoto Yoshida
1987年、兵庫県生まれ。5歳よりピアノを、15歳からクラリネットを始める。2006年、東京藝術大学入学後、渡仏。08年、リュエル・マルメゾン音楽院を審査員満場一致の最優秀賞ならびにヴィルトゥオーゾ賞を得て卒業。パリ国立高等音楽院に首席入学。ジュネーブ音楽院でも研鑽を積む。
04年、第9回KOBE国際学生音楽コンクール最優秀賞、兵庫県教育委員会賞受賞。
ピアノ:佐野隆哉 Piano:Takaya Sano
ダイナミックにして繊細。天性のイマジネーションから織りなす「色彩感」と「叙情性」に満ちた"実力派"ピアニスト。
1980年東京生まれ。都立芸術高校、東京藝術大学を経て、同大学院修士課程を修了。2005年に渡仏後、パリのスコラ・カントルム高等課程を最優秀で修了。
ドビュッシー:第 1 狂詩曲
「管の国フランス」には、音楽院の課題曲(試験曲)として書かれた楽曲がある。コンパクトながら技巧的な難易度も高く、クラリネットの魅力を最大限に引き出せるものとして、クラリネット奏者にとっては貴重なレパートリーとして愛されている。この狂詩曲は、1910 年にパリ音楽院の課題用として書かれた。ドビュッシー自身も「最愛の作品」と言及しているほどで、その後オーケストラ伴奏版へと編曲もしている。緩やかに夢見がちな詩情を歌うように始まり、官能的な音色のみならず、幅広い音域を用いて、息の長い歌うフレーズと速いパッセージとを巧みに織り交ぜ、クラリネットという楽器の持つ様々な可能性を追求している。
ボザ:クラリネットとピアノのための《ブコリック》(牧歌)
管楽器のために多くの独奏曲やアンサンブル曲を書いたボザは、一般的な知名度は低いものの、管楽器を学ぶ者にとっては学習用として、あるいはコンクール課題曲として馴染みのある作曲家である。この作品も課題用に書かれたもので、「ブコリック」(フランス語で「牧歌的な」)という通りの穏やかな曲調ながら、やはり演奏の難易度は高く、奇抜な奏法は見られないものの、フランス音楽の懐の深さを感じさせる佳品である。
プーランク:クラリネット・ソナタ
プーランクの晩年には管楽器のために 3 つのソナタが生まれている。フルート・ソナタ(1957)、オーボエ・ソナタ(1962)、そしてベニー・グッドマンの依頼により死の前年(1962)に書かれたこのクラリネット・ソナタである。全 3 楽章構成となっており、アイロニカルな旋律を身軽に歌い、甘い感傷に浸り、深い憂愁に沈むかと思えばユーモアに満ちた快活さを取り戻す、という振幅の大きな音楽だが、特にリズミカルな第3楽章は、とても老境にあったとは思えないほど、瑞々しい感性にあふれている。
ラボー:コンクール用独奏曲 op.10
ラボーはパリ音楽院院長フォーレの後継となった人物。「モダニズムは敵である」というそのモットーからも、かなりの保守派であったことで知られる。この独奏曲は 1901 年のパリ音楽院の試験用の楽曲。古典的な構成で、憂いを含んだ序奏から、明るい主題とその変奏へと続く。フランス近代ロマン派の穏健かつ保守的な流れを汲んだ作品である。
ミヨー:協奏的二重奏曲 op.351
1956 年にパリ音楽院の課題用に書かれたもので、明るい雰囲気にあふれた、フランス的な華やかさに満ちた作品である。3 部形式となっており、クラリネットの透き通るように響く音色、木管の醸し出す温かみ、軽やかなステップを連想させるフレーズ等、クラリネットの魅力を堪能できる作品となっている。
ヴィドール:序奏とロンド op.72
作曲家としてはオルガン作品で知られるヴィドールだが、作曲のジャンルは多岐にわたり、様々な楽器にも精通していたことが分かる。この作品はフランク亡き後、パリ音楽院のオルガン科教授に就任したヴィドールが、同音楽院クラリネット科教授ローズの依頼で作曲した 1898年の試験曲である。変奏曲の形式で書かれており、速いパッセージから朗々と歌う旋律へと揺らぐロマンティックな主題が、間奏を挟んで様々に姿を変えていく。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、 日本経済新聞社
協力:タカギクラヴィア株式会社、 日東紡音響エンジニアリング株式会社
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。