PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2014-

マキシミリアン・ホルヌング(チェロ)& 河村尚子(ピアノ)
~バイエルン放響の元・首席奏者と人気ピアニスト、期待のデュオ誕生

プログラム詳細

2014:04:08:19:00:00

© 青柳 聡
■日時・会場
2014.4.8 [火] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
チェロ:マキシミリアン・ホルヌング
ピアノ:河村尚子

■曲目
シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 op.70 speaker.gif[試聴]
ファリャ(マレシャル編):スペイン民謡組曲
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 op.69 speaker.gif[試聴]
ヴェーベルン:
 チェロとピアノのための2つの小品 (1899)speaker.gif[試聴]
 チェロとピアノのための3つの小品 op.11
ブラームス:チェロ・ソナタ 第2番 ヘ長調 op.99 speaker.gif[試聴]
[アンコール]
フランク・ブリッジ:セレナード
ドビュッシー:美しい夕べ

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~関連コラム~

出演者

チェロ:マキシミリアン・ホルヌング Maximilian Hornung 並外れた音楽的才能、直感的なスタイルの確実さに音楽的な円熟を併せ持つ若きチェリストは、国際的な音楽シーンに旋風を巻き起こしている。2005年にドイツ音楽評議会のコンクールで入賞し、音楽家としてのキャリアをスタートさせると、11年にはソニーからリリースした初めてのCDでエコー・クラシックの年間最優秀新人賞を受賞、翌12年の10月には、▼続きを見るセバスチャン・テウィンケル指揮のバンベルク交響楽団と共演したドヴォルザーク・チェロ協奏曲のレコーディングで、同じくエコー・クラシックの年間最優秀チェロ協奏曲賞を受賞した。
ソリストとして共演した著名なオーケストラには、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、ミュンヘン室内管弦楽団、モスクワ放送交響楽団、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団等があり、共演した指揮者には、ダニエル・ハーディング、イルジー・ビエロフラーヴェク、ハインリヒ・シフ、ヤコフ・クライツベルク、ベルナルド・ハイティンク、マンフレッド・ホーネック等がいる。室内楽では、アンネ=ゾフィー・ムター、クリスティアン・テツラフ、リサ・バティアシュヴィリ、フランソワ・ルルー、イゴール・レヴィット、イェフィム・ブロンフマン、ヨルグ・ヴィトマン、タベア・ツィンマーマン等と共演している。シュレースヴィヒ=ホルシュタイン、メクレンブルク=フォアポンメルン、ラインガウ、ルツェルン、ヴェルビエ、ラヴィニア、香港等の音楽祭や、コンサートではベルリン、ケルン、エッセンのフィルハーモニー・ホールやウィーン・コンツェルトハウス、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ロンドンのウィグモア・ホール等にも出演している。
13/14年のシーズンの主な活動には、ルツェルン音楽祭でのリサイタル・デビュー、マンフレッド・ホーネック指揮によるチェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン交響楽団との初共演、ロビン・ティッチアーティ指揮によるチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団とのコンサート、アントネッロ・マナコルダの指揮でアーネム・フィルハーモニー管弦楽団と共演するアムステルダム・コンセルトヘボウでのソリストとしてのデビュー等がある。さらに、イオン・マリン指揮ハンブルク交響楽団、クシシュトフ・ウルバンスキ指揮バンベルク交響楽団との初共演や、日本でのソロ・リサイタル、河村尚子とのデュオ・リサイタル等が予定されている。アウクスブルク生まれのホルヌングは、13/14年のシーズンにアウクスブルク・フィルハーモニー管弦楽団のアーティスト・イン・レジデンスとなることを殊の外楽しみにしている。
チェロを始めたのは8歳の時。最も熱心に師事したのは、エルダー・イサカッゼ、トーマス・グロッセンバッハー、ダヴィッド・ゲリンガスだった。
テックラー・トリオのチェリストとして、11年まで演奏をしていたが、07年にはARD音楽コンクールで優勝している。10年よりソニー・クラシカルと専属契約を結んでいるが、Genuin、Bridge Records、CC ClassicClips、CPOでもレコーディングをした。アンネ=ゾフィー・ムター財団とロンドンのボルレッティ=ブイトーニ財団から支援と奨学金を受けている。

© Felix Broede ▲プロフィールを閉じる

チェロ:マキシミリアン・ホルヌング Maximilian Hornung

ピアノ:河村尚子 Hisako Kawamura 1986年渡独後、ハノーファー国立音楽芸術大学在学中にヴィオッティ、カサグランデ、ゲーザ・アンダなど数々のコンクールで優勝・入賞を重ねる。2006年には権威ある難関ミュンヘン国際コンクール第2位受賞。翌年、多くの名ピアニストを輩出しているクララ・ハスキル国際コンクールにて優勝を飾り、大器を感じさせる新鋭として世界の注目をあびる。
▼続きを見るドイツを拠点に、ヨーロッパ、ロシア、日本などで積極的にリサイタルを行う傍ら、ウィーン交響楽団、バイエルン放送交響楽団、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団、ロシア国立交響楽団、モスクワ・ヴィルトゥオーゾ、ジェノヴァ交響楽団、スロヴェニア・フィルハーモニック管弦楽団、ミュンヘン室内管弦楽団などのソリストに迎えられている。また、ルール・ピアノ祭(ドイツ)、オーヴェール・シュル・オアーズ(フランス)、ドシュニキ、日本ではラ・フォル・ジュルネや東京・春・音楽祭などの音楽祭に参加。最近では、ドミトリエフ指揮サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団と本拠地サンクトペテルブルグで共演、ドイツ・ワイマール近郊にあるエッタースベルク城での音楽祭でアーティスト・イン・レジデンスをつとめ、4夜にわたるソロ・リサイタルを開催し、絶賛を博す。
日本では、2004年小林研一郎指揮/東京フィルハーモニー定期演奏会でデビュー。以来、準・メルクル指揮NHK交響楽団を含む日本国内の主要オーケストラと相次いで共演を重ねる一方、フェドセーエフ指揮モスクワ放送交響楽団、ルイージ指揮ウィーン交響楽団の日本公演のソリストにも選ばれている。最近では2011年ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団との共演、12年ノリントン指揮NHK交響楽団の定期演奏会への出演や、プレトニョフ指揮ロシアナショナル管弦楽団の日本ツアーに参加し、絶賛を博す。また、2013年10月には、名門チェコ・フィルハーモニー管弦楽団とのプラハでの初共演及び日本ツアーも決定している。
2009年名門RCA Red Sealレーベルより『夜想(ノットゥルノ)~ショパンの世界』でメジャー・CDデビュー。2011年9月、ショパンのピアノ・ソナタ第3番とシューマンのフモレスケを収録したセカンド・アルバムをリリース。今秋には3枚目となる『ショパン:バラード』のリリースを予定している。
その他のレコーディングとして、ソロでは仏ディスコヴェール(2002年)、独アウディーテ(2004年)、ルール・ピアノ音楽祭エディション(2008年/ライヴ録音)が、また、コロムビアからシューマンのピアノ五重奏曲(2010年/トッパンホール)、京響レーベルからラフマニノフのパガニーニ狂詩曲(2009年/広上淳一指揮京響定期)がリリースされている。
2009年新日鉄音楽賞、出光音楽賞、日本ショパン協会賞、2010年井植文化賞、2011年度文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。
これまで、ウラディーミル・クライネフ、澤野京子、マウゴルジャータ・バートル・シュライバーに師事。2011年5月よりドイツ・エッセンのフォルクヴァング芸術大学にて非常勤講師を務める。兵庫県西宮市生まれ。
クラシック界に新風を吹き込む実力派ピアニストとして期待を集めている。

公式サイト http://www.hisakokawamura.com/

© Hirofumi Isaka ▲プロフィールを閉じる

ピアノ:河村尚子 Hisako Kawamura

■曲目解説

シューマン:アダージョとアレグロ
 シューマン39歳、1849年の作品で、本来はホルンとピアノのために書かれたが、ホルンの代わりにヴァイオリンやチェロで演奏されることも多い。曲の構成は、穏やかな「アダージョ」と、躍動的な「アレグロ」からなり、両者はほぼ切れ目なく演奏される。

ファリャ(マレシャル編):スペイン民謡組曲
 この作品は、近代スペインの作曲家マヌエル・デ・ファリャが母国の古謡をもとに書いた歌曲《7つのスペイン民謡》より1曲(「ムルシア地方のセギディーリャ」)を除いた全6曲からなっている。なお、今回演奏されるのは、フランスのチェロ奏者モーリス・マレシャルによる編曲版である。

ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第3番
 ベートーヴェンは5曲のチェロ・ソナタを残しているが、なかでもこの第3番は演奏頻度が高い。完成は1808年で、交響曲第5番《運命》や第6番《田園》と同じ頃の作品である。スケールの大きなチェロの独奏で幕を開ける第1楽章、アタマ抜きの不思議なリズムを刻む第2楽章を経て、第3楽章は朗々と歌うアダージョの序奏に始まり、生き生きとしたソナタ形式のアレグロ・ヴィヴァーチェへと至る。全曲を通して、ベートーヴェンらしい力強さが感じられる名曲である。

ヴェーベルンの作品
 ウィーンの貴族階級に生まれたヴェーベルンは、シェーンベルク、ベルクとともに新ウィーン楽派を代表する作曲家。1904年にシェーンベルクに師事するまでは独学で作曲を学んでおり、この「チェロとピアノのための2つの小品」(1899)は、まだロマン主義の香りを色濃く残している。一方、1909年以降は「無調」を用いており、1914年に書かれた「チェロとピアノのための3つの小品」も無調期の作品である。

ブラームス:チェロ・ソナタ 第2番
 第1番から実に21年もの歳月を経て、ブラームスはチェロ・ソナタ第2番を作曲した。全体は緩徐楽章を持つ4楽章構成。暗い情熱を帯びた第1番と比べると、明るい力強さが感じられ、特にチェロのパートは、高音域を自在に用いたロマンティックな旋律を響かせる。ブラームスは避暑の折に作品を完成させることが多く、この作品も1886年夏にスイスの避暑地トゥーン湖畔で書かれた。前年には交響曲第4番が完成しており、円熟の境地に入らんとするブラームスを堪能できる。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:ドイツ連邦共和国大使館
協力:株式会社ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

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