PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2013-

ミュージアム・コンサート「ルーヴル美術館展 地中海 四千年のものがたり」プレ・コンサート
vol.3 神話の世界 ギリシャ&ローマ〜エウロペの略奪

7月から開催されるルーヴル美術館の膨大なコレクションを「地中海」というテー マで編んだ企画展の開催を記念して行われるプレ・コンサート。音楽で地中海の旅 を楽しんでください。

プログラム詳細

© 青柳 聡
■日時・会場
2013.4.13 [土] 14:00開演(13:30開場)[約60分]
※ この公演は終了いたしました。
東京都美術館 講堂

■出演
フルート:高木綾子
バリトン:小森輝彦
ピアノ:千葉かほる

■曲目
クープラン:バッカナール(クラヴザン曲集 第1巻 第4組曲より)
   Ⅰ.バッコスの陽気
   Ⅱ.バッコスの愛撫
   Ⅲ.バッコスの怒り
グルック:精霊の踊り(歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》より) speaker.gif[試聴]
ドビュッシー :
 デルフォイの舞姫(前奏曲集 第1集 より)speaker.gif[試聴]
 シランクス speaker.gif[試聴]
 牧神の午後への前奏曲 speaker.gif[試聴]
ブラームス:エオリアン・ハープに寄せて op.19-5 speaker.gif[試聴]
シューベルト:
 アトラス D.957-8
 タルタロスの群れ D.583
 ギリシャの神々 D.677 speaker.gif[試聴]
 プロメテウス D.674 speaker.gif[試聴]
 ガニュメート D.544 speaker.gif[試聴]

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~「ルーヴル美術館展 地中海 四千年のものがたり」プレ・コンサート~

出演者

フルート:高木綾子 Ayako Takagi 確かなテクニックと、個性溢れる音色、ジャンルを超えた音楽性で、今最も注目を集める実力派フルート奏者である。テレビ・ラジオへの出演やCM出演等、従来のクラシック演奏家の枠にとらわれない幅広い活動とレパートリーで各方面から注目を集めている。愛知県豊田市生まれ。3歳よりピアノ、8歳よりフルートを始める。東京藝術大学附属高校、東京藝術大学を経て、同大学院修了。▼続きを見る これまでにフルートを西村智江、橋本量至、G.ノアック、小坂哲也、村上成美、金昌国、P.マイゼンの各氏に、室内楽を岡崎耕治に師事。高校、大学在学中よりその実力は高く評価されており、毎日新聞社主催全日本学生音楽コンクール東京大会第1位(1995)、神戸国際フルートコンクール奨励賞(1997)、大学内にてNTTドコモ奨学金を受け、安宅賞(1997)、宝塚ベガ音楽コンクール優勝(1999)、日本フルートコンベンションコンクール優勝、併せてオーディエンス賞(1999)、第17回日本管打楽器コンクール・フルート部門第1位及び特別賞(2000)、第70回日本音楽コンクール・フルート部門第1位(2001)、第12回新日鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞(2001)、ジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクール第3位(2005)、神戸国際フルートコンクール第3位(2005)等、多数の受賞歴を誇る。一方で、大学在学中より本格的な演奏活動を開始。これまでに国内主要オーケストラとの共演はもとより、新イタリア合奏団、シュトゥットガルト室内管弦楽団、ミラノ弦楽合奏団、サンクトペテルブルク交響楽団、フランツ・リスト室内管弦楽団等と共演。04年秋にはパリ室内管弦楽団との共演でパリ・デビュー。それに続く日本ツアーにも同行し好評を博した。同時に各地でのリサイタルや室内楽等、活発な演奏活動を行っている。2010年には、デビュー10周年を迎え、秋に記念リサイタルを行った。CD録音も活発に行っており、2000年3月には『シシリエンヌ~フルート名曲集』『卒業写真~プレイズ・ユーミン・オン・フルート』を同時リリースしてCDデビュー。その後、『ジェントル・ドリームズ~20世紀のフルート音楽』『青春の輝き~プレイズ・カーペンターズ』を同時リリース、クラシックからボサノバまでラテンアメリカの作品を集めた『南の想い』、17世紀から現代までのフルート・ソロ曲を集めた『エール・ブルー~青の余白』、イタリアで収録した新イタリア合奏団との共演による初めての協奏曲アルバム『イタリア』、大地、自然、生命の息吹をテーマにしたフルート名曲集『EARTH』、ギターの福田進一とのデュオアルバム『海へ』をリリースしてそのすべてが高い評価とセールス実績を残している。2010年には、デビュー10周年を記念して、ベスト盤(日本コロムビア)とモーツァルト:フルート協奏曲集(エイべックス・クラシックス)をリリース。最新CDは、モーツァルトのフルート四重奏曲全曲集(エイベックス・クラシックス)。現在、東京藝術大学准教授、及び洗足学園音楽大学客員教授、日本大学藝術学部、武蔵野音楽大学の非常勤講師として後進の指導にもあたっている。

©Yuji Hori ▲プロフィールを閉じる

フルート:高木綾子 Ayako Takagi

バリトン:小森輝彦 Teruhiko Komori 東京都出身。東京藝術大学、同大学院、文化庁オペラ研修所を経て文化庁派遣芸術家在外研修員としてベルリン芸術大学に学ぶ。第2回藤沢オペラコンクール第2位。平成12年度五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。1999年プラハ国立歌劇場《椿姫》ジェルモンでヨーロッパデビュー。2001年以降ドイツのテアター&フィルハーモニー・テューリンゲン(ゲラ・アルテンブルク市立劇場)▼続きを見る専属第1バリトンとして活躍を続けてきたが、12年11月より拠点を日本に移した。ゲラ・アルテンブルク市立劇場ではテアター・オスカーを4年連続受賞。同歌劇場では01年《リゴレット》でデビュー後、《ドン・ジョヴァンニ》《さまよえるオランダ人》《ナブッコ》等のタイトルロールを中心にいずれも高い評価を得てきた。07年末ハーゲン市立歌劇場《トスカ》スカルピア役に急きょ招聘され大成功を収めた。また《ローエングリン》テルラムント、《ヴォツェック》タイトルロール、《オテロ》ヤーゴ、ユダヤ人作曲家ヴァインベルガーのオペラ《ヴァレンシュタイン》(ドイツ初演)タイトルロール等に出演し、国際的な評価を得ている。国内では二期会《こうもり》ファルケ、同《フィレンツェの悲劇》シモーネ、同・新国立劇場《サロメ》ヨハナーン。新国立劇場《ナクソス島のアリアドネ》音楽教師、同《アラベラ》マンドリーカ等。08年2月、東京二期会《ワルキューレ》ヴォータンに出演。言葉の意味をしっかりと咀嚼した的確な演唱で、今後もワーグナー歌手としての活躍が期待される。09年2月、東京二期会《椿姫》(宮本亜門新演出)ジェルモンに出演し、貫禄ある歌唱と演技で絶賛された。09年8月、ヨーロッパの各地で活動を続けている細川俊夫作曲《班女 hanjo》(三島由紀夫「近代能楽集」『班女』ドナルド・キーン英語訳を基にした新制作)日本初演に出演。サントリーホール(ブルーローズ)3公演とミラノ音楽祭ではトリノとミラノ公演等、活躍を続けている。10年7月、東京二期会《ファウストの劫罰》メフィストフェレスで出演し、好評を博す。11年7月には、兵庫県立芸術文化センター/佐渡 裕プロデュース《こうもり》アイゼンシュタインにも出演し、好評を博している。12年11月の帰国後は、13年1月、新国立劇場《タンホイザー》ビーテロルフ、13年5月、東京二期会《マクベス》マクベス、7~8月、同《ホフマン物語》リンドルフ、コッペリウス、ダペルトゥット、ミラクル博士の4役にも出演が予定されている。ドイツリートや宗教曲のレパートリーも数多く、本場ドイツでのドイツリートで高い評価を受けているが、05年からは東京で毎年、ピアニスト服部容子とのデュオリサイタル・シリーズを展開し、テーマを定めたプログラミング、俳優の山本耕史を朗読に迎えてのブラームス歌曲集《美しきマゲローネ》全曲等、新しい分野とのコラボレーションの可能性を広げ、精力的に活動を続けている。06年夏にはザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場におけるヘンツェ《午後の曳航》(ゲルト・アルブレヒト指揮イタリアRAI国立交響楽団)に首領の役で出演し、批評で「素晴らしい日本の歌手たちの中でもギャングの小森輝彦がその圧倒的な存在感で際立っていた」等と絶賛された。10年3月、ドイツ、フランスのテレビ局「ARTE」でゲラ劇場が世界初演したメンデルスゾーンのオペラ《兵士たちの恋》(Soldatenliebschaften)に出演した様子がドキュメンタリーでとりあげられ、好評を博した。また特筆すべきは11年4月、ドイツ・アルテンブルク市立劇場創立140周年記念ガラコンサートにおいて劇場総裁より、小森の功績を称えて「ドイツ宮廷歌手(Kammersänger)」の称号を授与されたことである。この劇場では戦後2人目、日本人としては初めての快挙。充実期を迎えた演奏は国内外で高い評価を得ている。二期会会員。

公式サイト http://www.teru.de/
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バリトン:小森輝彦 Teruhiko Komori

■曲目解説

●F.クープラン:バッカナール(《クラヴサン曲集 第1巻》第4組曲より)
 1713~30年の間に4冊出版された、フランソワ・クープランの《クラヴサン曲集》は、フランス・クラヴサン音楽の精華とも言われる。「バッカナール」とは、酒神バッカスの宴の意。「陽気、愛撫、怒り」と、バッカス神の3態を描く。

●グルック:精霊の踊り(歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》より)
 グルックの代表作として知られる歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》は、1762年にウィーン版が、1774年にパリ版がそれぞれ初演された。本曲は、第2幕第2場「天国の野原」の場面で奏される音楽。喪った妻を取り戻すために冥府へ向かったオルフェオが目にする精霊たちの踊りである。

●ドビュッシーの作品
 ショパンにならって書かれた全2冊の《前奏曲集》だが、ドビュッシーのものには各楽曲に標題が付けられている。「デルフォイの舞姫」は、1910年に完成した第1集(第2集は1913年)の冒頭を飾る第1曲。ルーヴル美術館にあった彫刻のレプリカに想を得たという。
 「シランクス」は、1913年に書かれたフルート独奏作品である。シランクスとは、ギリシャ神話に登場するニンフ「シュリンクス」のこと。牧神パンから逃れるため葦に姿を変えたが、パンはその葦でパンの笛を作った。
 「牧神の午後への前奏曲」は、1892~94年にかけて作曲されたドビュッシーの出世作。詩人マラルメの『半獣神の午後』に寄せて書かれたもので、当のマラルメからも絶大な賛辞を得た。

●ブラームス:エオリアン・ハープに寄せてop.19-5
 1858年作曲。メーリケの詩に付曲されたもので、ゲッティンゲンのアガーテ・フォン・ジーボルトとの恋の時期に書かれた《5つの歌》の最終曲である。エオリアン・ハープとは、ギリシャ神話の風神アイオロスに由来する楽器。木の枝などに掛けておくと、風によって自然に弦が鳴り、幻想的な音色を奏でた。

●シューベルトの歌曲
 ギリシャ神話に因んだシューベルトの歌曲作品から5つ。「ディデュランボス」とは、酒神ディオニュソスの讃歌という意味。シラーの詩による1826年の作品。「アトラス」は、ゼウスに敗れて天空を背負わされた巨神の苦痛を歌う。シューベルトの死後にまとめて出版された歌曲集《白鳥の歌》の第8曲にあたり、ハイネの詩による1828年の作品。「ギリシャの神々」は、シラーの詩による1819年の作品。失われた古の世に対する憧憬を歌う。「プロメテウス」は、主神ゼウスに反抗して人類を創造したプロメテウスの怒りを歌う劇的な曲。ゲーテの詩による1819年の作品。「ガニュメート」は、やはりゲーテの詩により1817年に作曲された。美少年ガニュメートがゼウスに連れられてオリンポスに向かう様を歌う。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京都美術館/日本経済新聞社

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