PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2013-

ミュージアム・コンサート「ルーヴル美術館展 地中海 四千年のものがたり」プレ・コンサート
vol.2 芸術家の地中海旅行〜イタリアへの憧憬

7月から開催されるルーヴル美術館の膨大なコレクションを「地中海」というテー マで編んだ企画展の開催を記念して行われるプレ・コンサート。音楽で地中海の旅 を楽しんでください。

プログラム詳細

2013:04:12:14:00:00

© 堀田力丸
■日時・会場
2013.4.12 [金] 14:00開演(13:30開場)[約60分]
東京都美術館 講堂

■出演
ヴィオラ:鈴木 学
チェロ:横坂 源
ピアノ:白石光隆

■曲目
サン=サーンス:イタリアの思い出 op.80 speaker.gif[試聴]
フォーレ:
 5つのヴェネツィアの歌 op.58より
  マンドリン speaker.gif[試聴] ひそやかに speaker.gif[試聴]
 シチリエンヌ op.78 speaker.gif[試聴]
ドビュッシー:アナカプリの丘(前奏曲集 第1集 より)speaker.gif[試聴]
ベルリオーズ(リスト編):交響曲《イタリアのハロルド》op.16より
 第1楽章「山の中のハロルド、憂鬱と幸福と歓喜の情景」speaker.gif[試聴]
メンデルスゾーン:ヴェネツィアの舟歌(無言歌集 第2巻 より)speaker.gif[試聴]
リスト:ヴェネツィアとナポリ(《巡礼の年 第2年 イタリア》補遺)speaker.gif[試聴]
  1.ゴンドラの漕ぎ手
  2.カンツォーネ
  3.タランテラ
[アンコール]
スカルラッティ:ソナタ ホ長調 L.23(K.380)

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~「ルーヴル美術館展 地中海 四千年のものがたり」プレ・コンサート~

出演者

ヴィオラ:鈴木 学 Manabu Suzuki 東京都交響楽団ソロ首席ヴィオラ奏者。5歳よりヴァイオリンを始め、鈴木愛子、田中千香士、原田幸一郎の諸氏に師事。桐朋学園大学音楽学部(ヴァイオリン)卒業。同大学研究科にてヴィオラを江藤俊哉に師事。1991年、研究科(ヴィオラ)修了後、ドイツ給費(DAAD・ドイツ学術交流会奨学金)を得て、ハンブルク国立音楽大学に留学、深井碵章に師事した。▼続きを見る 93年エリーゼ・マイヤー・コンクール(ハンブルク)第2位、ドイツ・ブンデスホッホシューレ・コンクール(リューベック)入選。93年オーストリアのリンツ・ブルックナー管弦楽団に入団、2004年まで首席ヴィオラ奏者を務める。オーケストラ入団後も、ザルツブルクのトーマス・リーブルに師事し、多大な影響を受ける。同オーケストラとはソリストとしても共演し、リンツ・ブルックナーハウスでの演奏会やドイツ演奏旅行でも好評を博した。また、同オーケストラの首席奏者による弦楽四重奏団を結成し、ウィーン、ザルツブルク、ミュンヘン、チューリッヒ、ミラノ等で活躍。オーストリア放送協会(ORF)等の数々の録音にも携わり、積極的に活動する。ルツェルン音楽祭、国際ブルックナー・フェスティバル、オーバーエスタライヒ・シュティフツコンツェルト、サンガト音楽祭(ムンバイ)等、数々の音楽祭にソリスト、室内楽奏者として招かれている。室内楽ではムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、ライナー・クスマウル、ペーター=ルーカス・グラーフ、カール・ライスター、アルト・ノラス、チョーリャン・リン、アラン・ギルバートらと共演。ソリストとしては東京都交響楽団、リンツ・ブルックナー管弦楽団を始め、マインツ室内管弦楽団、九州交響楽団、ジャパン・チェンバー・オーケストラ等、多数のオーケストラと共演。06年にはエリアフ・インバル指揮:東京都交響楽団でE.ブロッホのヴィオラ組曲(コンチェルト版)を、12年にはヴィオラスペース・ガラコンサートにて原田幸一郎指揮:桐朋学園オーケストラでI.エロードのヴィオラ協奏曲を日本初演している。また、サイトウ・キネン・フェスティバル松本に毎年参加。ヴィオラスペース、霧島国際音楽祭、木曽福島音楽祭、ゆふいん音楽祭にも出演。09年2月より紀尾井シンフォニエッタ東京のメンバーでもある。トッパンホール・アンサンブルには度々登場、同シリーズのライブCDにも参加している。09年10月にはサントリーホールにて日本では初めての開催となったニューヨーク・フィルハーモニックのヤング・ピープルズ・コンサートにて司会を務め、好評を博す。オーバーオーストリア弦楽協会アカデミー、桐朋オーケストラ・アカデミー、ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン等にて後進の指導にも精力的にあたっている。

© M.Okubo ▲プロフィールを閉じる

ヴィオラ:鈴木 学 Manabu Suzuki

チェロ:横坂 源 Gen Yokosaka 2002年7月、チェリストの登竜門として知られる全日本ビバホールチェロコンクールでの最年少優勝(15歳)を始め、コンクールでの受賞歴多数。05年には第15回出光音楽賞を、08年には第7回齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。09年5月には全ドイツ学生音楽コンクールで第1位(室内楽)を、10年9月には最難関で知られる第59回ミュンヘン国際音楽コンクール・チェロ部門で▼続きを見る 第2位を受賞し、国際的なチェリストとしてのキャリアを本格化させる。1999年10月、13歳で東京交響楽団とサン=サーンスのチェロ協奏曲を共演したのを皮切りに、NHK交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、バイエルン放送交響楽団、ミュンヘン室内管弦楽団等を含む主要なオーケストラと、また小澤征爾、岩城宏之、秋山和慶、小林研一郎、尾高忠明、小泉和裕、大友直人、広上淳一、山下一史、梅田俊明、渡邊一正、アレクサンドル・ラザレフ、クリストフ・ポッペン等と協奏曲を共演し、好評を博す。 ▲プロフィールを閉じる

チェロ:横坂 源 Gen Yokosaka

ピアノ:白石光隆 Mitsutaka Shiraishi 東京藝術大学附属高等学校を経て、東京藝術大学、同大学院を修了。1989年ジュリアード音楽院へ進む。90年ジーナ・バッカウアー国際ピアノコンクール入賞。91年、学内におけるコンチェルト・コンペティションで優勝し、リンカーン・センターでジュリアード・オーケストラと共演。92年、帰国。94年、第63回日本音楽コンクール声楽部門において、▼続きを見る 優れた日本歌曲の演奏に贈られる木下賞(共演)受賞。ソロ、室内楽、協奏曲等、音楽性の高さには定評があり、国内外の共演者の信頼も厚い。特筆すべきはその生き生きとした、圧倒的なリズム感と構築性、そして独自の宇宙を感じさせる微細なまでに磨かれた美しい音である。またレパートリーが広く、邦人、現代作品等、分野を問わず才能が遺憾なく発揮されている。NHK-BS、NHK-FM等にも多数出演。財団法人地域創造の「公共ホール音楽活性化事業」等の活動では全国を巡り、子どもたちへの教育プログラムにも積極的に取り組む他、後進の指導やさまざまなコンクールの審査員も務める。1年間の活動の集大成として、毎年定期的に東京で開催するソロリサイタルは2012年9月で25回を数えた。意欲的なプログラムとさわやかなステージも魅力な、数少ない実力派である。CDは『レグルス回路』『109』『大指揮者のピアノ曲』『作曲家ムラヴィンスキー』『ベートーヴェン:ピアノソナタ集Vol.1&2』『成田為三ピアノ曲全集』(文化庁芸術祭レコード部門優秀賞・2007)等いずれも好評で、『ピアノによるルロイ・アンダーソン』はアンダーソン遺族より賞賛を受けている。12年8月『サティ・作品集 I&II』をリリース。ピアノを金澤桂子、高良芳枝、伊達 純、小林 仁、マーティン・キャニンの各氏に、室内楽をフェリックス・ガリミア、伴奏法をジョナサン・フェルドマンの各氏に師事。現在、東京藝術大学、お茶の水女子大学非常勤講師。

© 岩切等 ▲プロフィールを閉じる

ピアノ:白石光隆 Mitsutaka Shiraishi

■曲目解説

●サン=サーンス:イタリアの思い出op.80
 早熟な天才として幼少の頃からその名を轟かせたサン=サーンス。フォーレも彼のピアノの生徒だったことはよく知られている。イタリアの印象をまとめたこの曲は、1887年に書かれたピアノ独奏作品である。

●フォーレの作品
 ポール・ヴェルレーヌの詩に付曲された《5つのヴェネツィアの歌》は、1891年に書かれた連作歌集。ヴェネツィア旅行の際に想を得たという。その第1曲「マンドリン」は、優雅な恋に戯れるヴェネツィアの男女を歌ったもの。第2曲「ひそやかに」は、静かな情熱を秘めた恋の歌である。
 「シシリエンヌ」とは、シチリア島の舞曲という意味であり、もともとチェロとピアノのために書かれた小品だったが、後に管弦楽組曲《ペレアスとメリザンド》にも転用された。古風な気品に満ちた美しい曲である。

●ドビュッシー:アナカプリの丘
 ドビュッシーの2冊の《前奏曲集》はショパンに範をとって書かれ、各12曲からなるが、その第1集は1910年(第2集は1913年)に完成した。「アナカプリの丘」は第1集の第5曲。見晴らしの良いナポリの丘を想起させる心地よい音楽となっている。

●ベルリオーズ(リスト編):交響曲《イタリアのハロルド》より「山の中のハロルド、憂鬱と幸福と歓喜の情景」
 バイロンの長篇詩に想を得てベルリオーズが1834年に作曲した交響曲《イタリアのハロルド》は、“ヴィオラ独奏付”という変わった形態の交響曲である。第1楽章では、恋人に裏切られた主人公ハロルドの暗い心情を表す序奏の後、ヴィオラによってハロルドの主題が奏でられる。

●メンデルスゾーン:ヴェネツィアの舟歌op.30-6 メンデルスゾーンが生涯に渡って書き綴った「無言歌」は、それぞれ6曲ずつ計8巻の歌集にまとめられている。ヴェネツィアの印象を表した同名の舟歌は歌集のなかに3つ存在するが、「op.30-6」は1835年に出版された第2巻に収められている。物思いに沈む幻想的な曲調が、水の都に似つかわしい。

●リスト:ヴェネツィアとナポリ(《巡礼の年 第2年 イタリア》補遺) 《巡礼の年 第2年 イタリア》の補遺として、1859年にワイマールで書かれた「ヴェネツィアとナポリ」は、かの地に因む旋律を追想するような3曲からなっている。ちなみにタランテラとはテンポの速いナポリ地方の舞曲のことである。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京都美術館/日本経済新聞社

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