PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2018-

ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.37 野平一郎 (ピアノ)

論理に裏打ちされた演奏で定評の野平一郎によるバッハが東博に登場です。世界初演となる自身の新曲に、ブゾーニ編を交えた野平一郎ならではのプログラミングで。

プログラム詳細

2018:03:17:19:00:00

■日時・会場
2018.3.17 [土]19:00開演(18:30開場)
東京国立博物館 平成館ラウンジ

■出演
ピアノ:野平一郎

■曲目
J.S.バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」 BWV645 [試聴]
J.S.バッハ:
 フランス組曲 第6番 ホ長調 BWV817 [試聴]
  I. Allemande
  II. Courante
  III. Sarabande
  IV. Gavotte
  V. Polonaise
  VI. Menuet
  VII. Bourrée
  VIII. Gigue
 シンフォニア BWV787~801 [試聴]
  第1番 ハ長調 BWV787
  第2番 ハ短調 BWV788
  第3番 ニ長調 BWV789
  第4番 ニ短調 BWV790
  第5番 変ホ長調 BWV791
  第6番 ホ長調 BWV792
  第7番 ホ短調 BWV793
  第8番 ヘ長調 BWV794
  第9番 ヘ短調 BWV795
  第10番 ト長調 BWV796
  第11番 ト短調 BWV797
  第12番 イ長調 BWV798
  第13番 イ短調 BWV799
  第14番 変ロ長調 BWV800
  第15番 ロ短調 BWV801
J.S.バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「来たれ、異教徒の救い主よ」BWV659 [試聴]
J.S.バッハ:
 《平均律クラヴィア曲集 第1巻》より
  第1番 ハ長調 BWV846 [試聴]
  第2番 ハ短調 BWV847 [試聴]
  第3番 嬰ハ長調 BWV848 [試聴]
  第8番 変ホ短調 BWV853 [試聴]
野平一郎:バッハによるトランスフォルマシオンIV(世界初演)
J.S.バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 [試聴]
 I. [Allegro]
 II. Andante
 III. Presto

[アンコール]
J.S.バッハ(野平一郎編):G線上のアリア

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,600
  コンサート当日、総合文化展をご覧いただけます。

 ■発売日
  一般発売:2017年12月7日(木)10:00

チケット予約・購入 お買い物カゴ トリオ・チケット

■曲目解説

J.S.バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」

バッハの弟子であるヨハン・ゲオルク・シュープラーによって出版された《シュープラー・コラール集》の第1曲。作曲年代などは定かではないが、聖トーマス・カントールの職にあったライプツィヒ時代に書かれたと推定されている。同名カンタータ第140番(1731年初演)の第4曲を編曲したもので、前奏のメロディが有名。この旋律は伴奏や間奏にも用いられている。

J.S.バッハ:フランス組曲 第6番

《フランス組曲》はケーテン時代の1722年頃に書かれたとされている。シンプルながら、どこか典雅な香りと気品を感じさせる組曲である。その第6番は、同組曲のなかでもっとも規模が大きく、バラエティに富んだ舞曲が並ぶ。アルマンド/クーラント/サラバンド/ジーグという組曲の定型に加え、サラバンドとジーグの間にガヴォット、ポロネーズ、メヌエット、ブーレが挿入されている。

J.S.バッハ:シンフォニア

1720年、バッハは長子フリーデマンの教育を目的に《クラヴィーア小曲集》を書き始めた。そこには他のクラヴィーア小曲とともに《インヴェンションとシンフォニア》の原型が含まれていた。その後、曲の配列や推敲を経て、最終版の清書譜が完成したのは1723年、ケーテン時代の終わり頃である。前半には2声の書法による「インヴェンション」が、後半には3声の書法による「シンフォニア」が配されており、全15曲からなる「シンフォニア」の方が、技術的にも音楽的にも、より高度な内容となっている。

J.S.バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「来たれ、異教徒の救い主よ」

バッハの最晩年、ライプツィヒ時代の最後にまとめた《18のコラール前奏曲》の第9曲。ルターの待降節コラールにもとづいており、8分音符を刻み続ける低音部に乗せて奏される物憂げなコラール旋律は、装飾音が特徴的と言える。

J.S.バッハ:《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》 より

《平均律クラヴィーア曲集》はケーテン時代の作とされ、すべての調性による「前奏曲」と「フーガ」から構成された、全2巻48曲におよぶ大作である。第1巻第1番ハ長調は、美しいアルペジオのみで奏される前奏曲に、4声の凝縮されたフーガがつづく。第2番ハ短調は、荒々しく激しい表情を見せる前奏曲と、旋律の跳躍が印象的な主題を用いた3声フーガ。第3番嬰ハ長調は、きらきらと眩しいような明るさを持つ前奏曲と、ガヴォット調の素朴で可愛らしい主題を用いた3声フーガ。第8番変ホ短調は、荘重な面持ちでゆっくり歩を進めるかのような前奏曲と、グレゴリオ聖歌を想起させる古風な主題を用いて緩やかに展開される3声フーガからなる。

野平一郎:J.S.バッハによるトランスフォルマシオン IV

バッハの《平均律クラヴィーア曲集》第1巻第1番の前奏曲による。原曲と私自身の「音」が、さまざまなレヴェルで交錯しあうことでできている5分ほどの断片である。「作品」というよりは「断片」の集積であり、別の方法で私とバッハの関係を考えて行くことで、さらに「進展」するかもしれない可能性を残している。ソステヌート・ペダルが作る残響の中に、背景として原曲のアルペジオが見え隠れする冒頭からはじまり、原曲に存在するあらゆる音楽的なパラメータの読み直しが続いて行く。作曲から300年近くが経過し、クラシック音楽のレパートリーとして定着しているこの種の作品を「解体」して聴かせることは、現代音楽の世界ではすでに50年以上の歴史があるが、そこに新たな関係性を模索して行くこともまだまだ可能であろう。

バッハによる「トランスフォルマシオン」のシリーズは、まず有名なヴァイオリンの「シャコンヌ」を4台のヴィオラのために二様に編曲したI、IIではじまり、さらに無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番のフーガの中から無作為に切り取った5つの断片を発展させたIIIがある。今後も原素材や、現代とバッハとの関係性を異にする楽曲が続いて作曲されるだろう。(野平一郎)

J.S.バッハ:イタリア協奏曲

1735年に出版された《クラヴィーア練習曲集 第2部》所収。イタリア趣味による協奏曲というコンセプトで書かれたもので、バッハのクラヴィーア曲のなかでも特に親しまれている作品である。3楽章構成(急/緩/急)という、典型的なイタリアの独奏協奏曲の楽章配置となっている。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館 協力:日本音響エンジニアリング株式会社


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2018/03/16更新)

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