PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-

ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.32 御喜美江(アコーディオン)

アコーディオンという楽器をクラシカルな世界に拡げた第一人者として世界で活躍する御喜美江。色彩感溢れる楽器の魅力をお届けする空間に期待が高まります。

プログラム詳細

2017:03:22:19:00:00

■日時・会場
2017.3.22 [水] 19:00開演(18:30開場)
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール

■出演
アコーディオン:御喜美江

■曲目
J.S.バッハ:
 《アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳》 より
  ミュゼット ニ長調 BWV Anh.126 [試聴]
  ポロネーズ ト短調 BWV Anh.119 [試聴]
  メヌエットI ト長調 BWV Anh.114 [試聴]
  メヌエットII ト長調 BWV Anh.116 [試聴]
  メヌエットIII ト短調 BWV Anh.115 [試聴]
  行進曲 ニ長調 BWV Anh.122 [試聴]
 《平均律クラヴィア曲集 第1巻》 より
  前奏曲とフーガ 第16番 ト短調 BWV861 [試聴]
  前奏曲とフーガ 第13番 嬰ヘ長調 BWV858 [試聴]
  前奏曲とフーガ 第22番 変ロ短調 BWV867 [試聴]
グリーグ:《叙情小曲集》より
 民謡 op.38-2 [試聴]
 ワルツ op.38-7 [試聴]
 郷愁 op.57-6 [試聴]
 おばあさんのメヌエット op.68-2 [試聴]
 妖精の踊り op.12-4 [試聴]
J.S.バッハ:
 《平均律クラヴィア曲集 第1巻》 より
  前奏曲とフーガ 第1番 ハ長調 BWV846 [試聴] [試聴]
  前奏曲とフーガ 第2番 ハ短調 BWV847 [試聴] [試聴]
 《平均律クラヴィア曲集 第2巻》 より
  前奏曲とフーガ 第11番 ヘ長調 BWV880 [試聴]
 《平均律クラヴィア曲集 第1巻》 より
  前奏曲とフーガ 第24番 ロ短調 BWV869 [試聴]
ケージ:夢 [試聴]
ピアソラ:
 S.V.P.(シル・ヴ・プレ) [試聴]
 バチンの少年 [試聴]
 白い自転車 [試聴]

[アンコール]
ラモー:鳥のさえずり

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,600

 ■発売日
  一般発売:2016年12月8日(木)10:00

■曲目解説

《アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳》 より

1720年に妻を亡くしたバッハが、後妻に迎えたのはケーテン宮廷のソプラノ歌手アンナ・マグダレーナだった。彼女の名前を冠した音楽帳は2冊現存しており、1冊目は1722年、2冊目は1725年に書き始められている。内容は多岐にわたっていて、家庭用の娯楽あるいは子どもの教育を目的として書かれたと思われる。J.S.バッハのものではない作品も多く、作曲者を特定できていない曲もある。

「ミュゼット ニ長調」は、作者不詳。練習用のピアノ曲としても有名で、古い舞曲風ながら、途中には現代ポップスのような新しい響きが聴こえる。「ポロネーズ ト短調」も作者不詳。右手の素朴な旋律が耳に残る。そして「メヌエットI ト長調」「メヌエットIII ト短調」は、この楽譜帳のなかでも最も有名な舞曲で、長調と短調で対をなしている。近年の研究によって、この2曲はドレスデンのオルガン奏者クリスティアン・ペツォールトの作であることが判明している「メヌエットII ト長調」は、作者不詳。これも非常にポピュラーなメヌエットで、よくヴァイオリン編曲でも練習用に使われる。「行進曲 ニ長調」は、J.S.バッハの次男C.P.E.バッハの作で、練習用ピアノ曲として非常にポピュラー。左手の動きが楽しい曲である。

J.S.バッハ:《平均律クラヴィア曲集 第1巻》 より

《平均律クラヴィア曲集》はケーテン時代(1717-1723)の作とされ、すべての調性が「前奏曲」と「フーガ」から構成された、全2巻48曲の大作である。「前奏曲とフーガ 第16番」は、3声のアリオーソ風前奏曲と、2つの主題による4声のフーガ。「前奏曲とフーガ 第13番」は、明るく可愛らしい前奏曲に、優美な3声のフーガがつく。「前奏曲とフーガ 第22番」は、荘厳なコラール風前奏曲に、敬虔な祈りをなぞるような5声のフーガが続く。

グリーグ:《叙情小曲集》 より

全66曲に及ぶ《抒情小曲集》はグリーグの20代から晩年に至るまで書き継がれ、6~8曲ずつ計10集にまとめられた。「民謡」(第2集/1883)は、ほの暗い旋律と素朴な明るさが同居する舞曲。「ワルツ」(第2集/1883)は、悲しげな旋律が、ときにアイロニカルにワルツのリズムを崩してみせる。「郷愁」(第6集/1893)は、山間に響く素朴な山羊笛がモチーフになっているという。「おばあさんのメヌエット」(第9集/1898)は、軽やかなトリルが愛情にみちた眼差しを感じさせる。「妖精の踊り」(第1集/1867)では、悪戯好きな妖精が跳ね回る。

J.S.バッハ:《平均律クラヴィア曲集 第1巻》 より

「前奏曲とフーガ 第1番」の美しいアルペジオのみで奏される前奏曲に、4声の凝縮されたフーガがつづく。前奏曲にはのちに旋律が付けられ、グノーの《アヴェ・マリア》として知られている。さらに「前奏曲とフーガ 第2番」は、トッカータ風の表情を感じさせる前奏曲と、非常に印象的な主題を用いた3声のフーガからなる。

J.S.バッハ:《平均律クラヴィア曲集 第2巻》 より

第1巻からほぼ20年後、1744年に完成した第2巻では、よりバッハの音楽性が深まっている。「前奏曲とフーガ 第11番」は、5声の和声進行のなかを美しい旋律が流れる前奏曲に続いて、一転して3声のフーガが軽やかな跳躍をみせる。

J.S.バッハ:《平均律クラヴィア曲集 第1巻》 より

「前奏曲とフーガ 第24番」は、美しいトリオ・ソナタのように訥々と言葉少なに始まり、内面に深く入り込む前奏曲から、半音階的な動きで一種の神秘性を帯びる4声のフーガで第1巻の曲集を締めくくる。

ケージ:夢

思想家として鈴木大拙に禅を学び、詩人であり、キノコ研究家でもあり、20世紀現代音楽に大きな足跡を残したジョン・ケージの初期作品。1948年にピアノのために作曲され、譜表の低音部1段だけに記譜された。

ピアソラの作品

冒頭から濃厚なタンゴの香りを放ち、ドラマティックな展開をみせる「S.V.P. (シル・ヴ・プレ)とは、フランス語で「どうぞ」という意味。「バチンの少年」は、ピアソラとのコンビで数多くのヒットを送り出したウルグアイ出身の詩人オラシオ・フェレールの詞によるもので、ブエノスアイレスに実在した「バチン」というレストランに出入りする花売りの少年チキリンのことを歌っている。「白い自転車」も、ピアソラ=フェレールのコンビによる作品で、明暗のコントラストが耳に残る隠れた名曲である。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館 協力:日本音響エンジニアリング株式会社


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2017/03/26更新)

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