PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2014-

東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.110th Anniversary ガラ・コンサート
~壮大なる調べ、祝祭感あふれる合唱名曲選

プログラム詳細

2014:04:13:15:00:00

© 堀田力丸
■日時・会場
2014.4.13 [日] 15:00開演
東京文化会館 大ホール

■出演
指揮:クリスティアン・マンデアル
ソプラノ:澤畑恵美
メゾ・ソプラノ:竹本節子
テノール:福井 敬
バリトン:甲斐栄次郎
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:宮松重紀
※ 当初、出演を予定しておりました指揮、ウルフ・シルマーは、健康上の理由により来日できなくなりました。代わりまして、クリスティアン・マンデアルが出演いたします。
【出演者変更のお知らせ】


■曲目
ヘンデル:オラトリオ《メサイア》HWV56より「ハレルヤ」speaker.gif[試聴]
J.S.バッハ:コラール「主よ、人の望みの喜びよ」(カンタータ《心と口と行いと命もて》BWV147より)speaker.gif[試聴]
ハイドン:オラトリオ《天地創造》Hob.ⅩⅩⅠ:2より「大いなる偉業は成りたり」speaker.gif[試聴]
ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 op.125《合唱付き》より 第4楽章speaker.gif[試聴]
ワーグナー:
 歌劇《タンホイザー》より「歌の殿堂をたたえよう」(祝典行進曲)speaker.gif[試聴]
 楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》より「目覚めよ、朝は近づいた」speaker.gif[試聴]
R.シュトラウス:祝典行進曲 op.1 speaker.gif[試聴]
マーラー:交響曲 第2番 ハ短調《復活》より 第5楽章(抜粋)speaker.gif[試聴]

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~関連コラム~

出演者

指揮:クリスティアン・マンデアル Cristian Mandeal 40年間、主にルーマニアでの活動が中心だったが、世界中で自らの芸術を表現してきた。
ブカレスト音楽大学で10年間、ピアノ、指揮、作曲を学んだ後、ベルリンでヘルベルト・フォン・カラヤン、ミュンヘンではセルジュ・チェリビダッケのもとで研鑽を積んだ。ブカレスト・ルーマニア国立歌劇場で伴奏者として仕事を始め、トゥルグ・ムレシュ(1977-80年)、▼続きを見るクルジュ=ナポカ(1980-87年)、ブカレスト(1987-2009年)のフィルハーモニー管弦楽団で指揮者を務める。2001年と03年にはジョルジェ・エネスク国際コンクール及びフェスティバルの芸術監督を務めた。
ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者兼総裁(1991-2009年)として、同オーケストラを非常に高いレベルにまで引き上げ、組織そのものがルーマニアの文化管理が到達すべき目標にまでなった。この時期、ルーマニアのアテネ音楽堂の建物が修復され、近代化された(1991-2003年)が、その際、自己資金で建物のインフラ、楽器の調達、ミュージック・ライブラリー等、多くの改善を行ない、その費用は何千ユーロにも及んだ。オーケストラのレパートリーもコンスタントに改良・更新されている。芸術面に携わるスタッフは、4年間以上にわたり特別な賃金法の恩恵を被り、国内外からの尊敬と評価を集めている。ヨーロッパとアジアで30を超えるツアーを実施し、エネスクとブラームスの全交響曲を含む20以上のCDとDVDをドイツや米国他でリリースしている。国内外での共感を呼ぶ様々なコンサートやイベントを開催する他、様々なアンサンブルや、同楽団に属する一流アーティストが個々に参加するかたちで、ジョルジェ・エネスク国際フェスティバルに何度も出演してきた。また、交響楽団の選りすぐりのメンバーからなるフィルハーモニック室内管弦楽団もその活動を再開した。
海外では、四大陸、35ヵ国、31の首都で、客演指揮者として数多くのオーケストラを指揮している。ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、ベルリン国立歌劇場管弦楽団、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、hr交響楽団(旧フランクフルト放送交響楽団)等である。1987年から出演してきたジョルジェ・エネスク国際フェスティバルを始め、エディンバラ・フェスティバル、プラハの春音楽祭等、数多くの権威ある国際音楽祭に招かれ、ウィーン国立歌劇場、ザルツブルク祝祭大劇場、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス、ベルリン・フィルハーモニー、アムステルダム・コンセルトヘボウ等、著名なコンサート・ホールで演奏を行なってきた。共演したアーティストには、ラドゥ・ルプー、イレアナ・コトルバシュ、レナート・ブルゾン、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、アリシア・デ・ラローチャ、イーヴォ・ポゴレリチ、クリスティアン・ツィメルマンらがいる。
ルーマニアでのポストに加えて、イスラエルのハイファ交響楽団(1999-2002年)、サン・セバスティアンのバスク国立管弦楽団(2001-08年)では芸術監督を、ボルツァーノ・トレント・ハイドン管弦楽団(2000-03年)では客演指揮者を、マンチェスターのハレ管弦楽団(2005-10年)、ベルグラード・フィルハーモニック管弦楽団(2006-07年)、コペンハーゲン・フィルハーモニー管弦楽団(2006年から現在)では首席客演指揮者を務めている。ハレ管弦楽団で首席客演指揮者の称号を得たのは、同楽団の150年の歴史で初めてのことだった。
交響曲とオペラの両方で幅広いレパートリーを誇っているが、特に19世紀と20世紀前半の音楽に主眼を置いている。ルーマニアの作曲家だけでなく、外国人作曲家の作品も含め、60以上の世界初演を指揮しており、その多くがマンデアルに献呈された作品だった。ジョルジェ・エネスクとその作品の普及のために、たゆまぬ努力を続けており、特筆すべきは、英国(2002年、エディンバラ・フェスティバル)とイタリア(2005年、カリアリ・リリコ劇場)で初演となったオペラ《エディプス王》の披露が挙げられる。2008年からはロンドン「ジョルジェ・エネスク・ソサエティ」の会長を務めている。
ルーマニア国営放送、ドイツの南西ドイツ放送、スロヴェニアではスロヴェニア・テレビ・ラジオ・リュブリャナのために多くの録音を行なった。また、ドイツのBMGアリオラ・レコード、米国のAIX、スイスのクラーヴェス、スウェーデンのBis、英国のニンバスとハレ・レーベルでLP、CD(25アルバム)、DVD(6アルバム)をレコーディングし、特にルーマニアのエレクトレコードでは30タイトル以上を数える。さらに、ジョルジェ・エネスクの125周年、135周年、140周年を記念してジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー交響楽団と3枚のCDをレコーディングした。
ユース・オーケストラを指揮することも多く、ヨーロッパ、アジア、アメリカではマスタークラスも開いている。様々な国際指揮者コンクールの審査員、または会長を務めている。
これまでの受賞歴には、ルーマニア指揮者組合賞(2回)、イタリア連帯の星勲章、ディヌ・リパッティ賞等がある。ブラショヴの名誉市民であり、クルジュ=ナポカの音楽アカデミーのDHCでもある。
最近の芸術活動でもっとも興味深いのは、2008年の創設以来、マンデアルが指導・指揮を行ない、記録的な速さでその質を高めているルーマニア・ユース・オーケストラとのコラボレーションである。
現在はフリー・ランサーとして活動中である。 ▲プロフィールを閉じる

指揮:クリスティアン・マンデアル Cristian Mandeal

ソプラノ:澤畑恵美 Emi Sawahata 埼玉県出身。国立音楽大学卒業。同大学大学院修了。
文化庁オペラ研修所修了。第58回日本音楽コンクール声楽部門第1位。同時に福沢賞、木下賞、松下賞を受賞。第21回ジロー・オペラ賞受賞。1990年より1年間文化庁派遣芸術家在外研修員としてミラノへ留学し、歌唱をマリア・ミネット、発声をラウラ・ロンディの諸氏に師事。
▼続きを見る 早くからその才能は高く評価され、オペラ研修所修了後直ちに二期会オペラ公演《フィガロの結婚》のスザンナに抜擢されデビュー。高度な音楽性と華のある舞台姿は鮮烈な印象を与え、“大型新人の誕生”と注目を浴びる。
以後も着実に舞台を重ね、《コシ・ファン・トゥッテ》フィオルディリージ、デスピーナ、《フィデリオ》マルツェリーネ、《椿姫》ヴィオレッタ、《カルメン》ミカエラ、《ナクソス島のアリアドネ》ツェルビネッタ、《こうもり》アデーレ、《春琴抄》春琴等多くの公演に出演し、いずれにおいても絶賛を博している。
1997年新国立劇場開場記念公演《建・TAKERU》に春乃で出演、1998年9月には新国立劇場・二期会共催公演《アラベッラ》ズデンカ、2000年8月二期会公演《真夏の夜の夢》のヘレナの他、10月新国立劇場公演《魔笛》でパミーナ、2001年2月二期会公演《こうもり》のアデーレを演じ、その魅力を余すところなく発揮。2002年11月二期会創立50周年記念公演《椿姫》では、艶やかでありながら繊細なニュアンスを孕んだヴィオレッタで絶賛を浴びた。2003年7月同記念公演=ケルン市立歌劇場《ばらの騎士》ゾフィーでは名演出家ギュンター・クレーマーより最大級の賛辞が寄せられた。また、錦織健プロデュース・オペラでは、《セビリアの理髪師》ロジーナや《ドン・ジョヴァンニ》のドンナ・エルヴィーラ等で、全国のファンを魅了。
2007年11月には東京二期会《天国と地獄》で久々にオペレッタに主演し、存在感を示した。09年2月には宮本亜門新制作《ラ・トラヴィアータ》(指揮:アントネッロ・アッレマンディ 東京フィルハーモニー交響楽団)で主役ヴィオレッタを演じ、我が国におけるこの役の第一人者であることを強く印象付けた。
2010年3月、《ラ・ボエーム》ミミ(びわ湖ホール/神奈川県民ホール/東京二期会共催)で好評を博し、同11月には東京二期会《メリー・ウィドー》ハンナでは華麗な演唱で聴衆を魅了した。2011年4月、東京二期会《フィガロの結婚》で初の伯爵夫人を演じ、気品溢れる演唱で絶賛を博した。 コンサートでも《レクイエム》《第九》《ミサ・ソレムニス》、マーラー交響曲第4番、同第8番《千人の交響曲》、《ファウストの劫罰》等のソリストとして、K.マズア、E.インバル、G.アルブレヒト、S.コミッショーナなどの著名指揮者やN響をはじめとする主要オーケストラとの共演も数多い。
2004年にはチェコ・フィル《第九》(ズデニェク・マーカル指揮)にソリストとして出演した。
また演奏以外の分野でも、NHK-FM「おしゃべりクラシック」のパーソナリティを務めるなど、多彩な活躍を続けている。
2010年12月、フォンテックよりデビューアルバム『にほんのうた』に続き、セカンドアルバム『にほんのうた2』をリリース、心に染み入る美しい歌声は、レコード芸術などでも絶賛されている。
二期会会員 ▲プロフィールを閉じる

ソプラノ:澤畑恵美 Emi Sawahata

メゾ・ソプラノ:竹本節子 Setsuko Takemoto 兵庫県出身。大阪音楽大学声楽科卒業。《カルメン》《シンデレラ》タイトルロールなど、メゾソプラノ、アルトの主要な役での充実した演唱で活躍。
また2005年12月、新国立劇場《アンドレア・シェニエ》コワニー伯爵夫人/マデロンでは、豊かな声と表現力、確かな演技で強烈な印象を残した。2010年10月、新国立劇場《アラベッラ》▼続きを見る (新制作)アデライデなどでも好評を博している。《さらに新国立劇場では、2012年3月《さまよえるオランダ人》マリーの存在感ある演唱でも絶賛を浴びた。2013年10月、新国立劇場《フィガロの結婚》再演でも絶賛を浴びている。
各種演奏会においてはガリー・ベルティーニ等、著名な指揮者との共演も多い。バッハ《マタイ受難曲》、ベートーヴェン《第九》《ミサ・ソレムニス》、ブラームス《アルト・ラプソディ》、シェーンベルク《グレの歌》、ヴェルディ《レクイエム》、マーラー《大地の歌》「3番」等でも、高い評価を得ている。殊にマーラー 交響曲第2番《復活》では美声を活かした繊細な演奏で深い感動を与えている。
東京都交響楽団をはじめ、国内の主要オーケストラのソリストとしても活躍、デプリースト、セゲルスタム、ロジェストベンスキー等、多くの著名な指揮者から確かな実力を認められている。2013年11月には西本智実&イルミナートフィル とともに東京オペシティコンサートホール及び、バチカン市国南東端にあるカトリック教会の総本山サン・ピエトロ大聖堂にも出演が予定されている。大阪音楽大学客員教授。二期会会員 ▲プロフィールを閉じる

メゾ・ソプラノ:竹本節子 Setsuko Takemoto

テノール:福井 敬 Kei Fukui 岩手県出身。国立音楽大学声楽科卒業、同大学院修了。二期会オペラスタジオ修了。修了時に川崎靜子賞受賞。文化庁オペラ研修所修了。1990・94年文化庁派遣芸術家在外研修員等によりイタリアに留学。第20回イタリア声楽コンコルソでミラノ大賞(第1位)、第20回ジロー・オペラ賞新人賞、第4回五島記念文化賞オペラ新人賞、第44回芸術選奨文部大臣賞新人賞、▼続きを見る 第25回ジロー・オペラ賞、第9回出光音楽賞、第33回エクソンモービル音楽賞洋楽部門本賞。
1992年二期会創立40周年記念《ラ・ボエーム》ロドルフォ役の鮮烈デビュー以来、数々のオペラ作品に主演し第一線の活躍を続け、わが国を代表するトップ・テナーとなった。他者の追随を許さない輝かしい声、幅広い表現かつ情感溢れる演技で、聴衆を魅了している。
これまで、新国立劇場では開場記念《ローエングリン》タイトル・ロール、《トスカ》カヴァラドッシ、《罪と罰》(初演)ロージャ等、びわ湖ホールでは《ドン・カルロ》(イタリア語5幕版日本初演)タイトル・ロール、《エルナーニ》《群盗》《十字軍のロンバルディア人》、Bunkamura《マダム・バタフライ》ピンカートン、最高の当たり役《トゥーランドット》カラフ等、大役を次々と演じ、2002年ベルギー王立モネ劇場・二期会《ニュルンベルクのマイスタージンガー》騎士ヴァルター、2003年二期会《カルメン》ドン・ホセ、日生・二期会《ルル》(3幕版日本初演)アルヴァ、愛知万博開催記念《白鳥》(初演)。2004年二期会《エジプトのヘレナ》(日本初演)メネラス。05年びわ湖ホール《スティッフェリオ》(日本初演)、2006年同《海賊》(同)、二期会《ラ・ボエーム》《蝶々夫人》。2007年二期会《ダフネ》(日本初演)アポロ役では圧倒的な存在感を見せつけ、全国紙で最大の賛辞を得た。2007年には東京二期会《仮面舞踏会》リッカルドで絶賛を浴び、びわ湖ホール《こびと~王女様の誕生日~》、08年2月新国立劇場《黒船》に出演等、確実に実績を積み上げ、2008年9月には札幌交響楽団によるブリテン《ピーター・グライムズ》に主演し絶賛を浴びた。
また、2009年3月舞台芸術共同制作公演《トゥーランドット》(びわ湖ホール&神奈川県民ホール)カラフでも絶賛され、6月、新国立劇場《修禅寺物語》源左金吾頼家に出演し好評を博すなど、さらなる躍進を続けている。2010年2月、満を持して取り組んだ東京二期会《オテロ》(ロベルト・リッツィ・ブリニョーリ指揮・都響/白井 晃新演出)タイトル・ロールでは豊かな声量に加え、深い苦悩の表現で客席を魅了。2010年7月《ファウストの劫罰》、11年3月《アイーダ》(びわ湖ホール)ラダメス、同年7月、東京二期会《トゥーランドット》カラフ等、常に絶賛を浴びている。2012年3月、アメリカ・サンディエゴ歌劇場との提携公演・東京二期会共同制作にて、ワーグナー《タンホイザー》(びわ湖ホール・神奈川県民ホール共同制作)、同9月、東京二期会《パルジファル》のタイトル・ロールで絶賛を浴び、2013年3月イタリア・ボローニャ歌劇場との提携公演《椿姫》アルフレードでも非常に高い評価を得た。2013年7-8月、東京二期会《ホフマン物語》主演に続き、同9月東京二期会《ワルキューレ》(神奈川県民ホール・びわ湖ホール共同制作)ジークムントと話題の公演への主演が続く。また2014年2月には東京二期会《ドン・カルロ》フランクフルト歌劇場との提携公演にもカルロ役で主演する。 ベートーヴェン《第九》やマーラー、宗教曲のソリストとしてもN響をはじめ国内主要オーケストラから引く手数多の活躍を続け、ダイナミックで完成度の高い演奏は、多くの国際的指揮者たちから賞賛を得ている。福井敬&ヴィンチェンツォ・スカレーラ デュオ・コンサートやリサイタルでもいっそうの充実の歌唱が際立つ名歌手。CD『君を愛す』(ディスククラシカ)、松本隆プロデュース『美しき水車小屋の娘』(avex io)。アジアの歌姫alanとのコラボレーションアルバム『愛は力』(avex)も好評を博し、品切れとなっていた『美しき水車小屋の娘』は2011年(ディスククラシカ)より、数量限定で再販となった。2011年2月、『悲しくなったときは/福井 敬 日本を歌う。』(ディスククラシカ)をリリース。
国立音楽大学准教授。二期会会員

福井敬.net http://www.fukuikei.net/
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テノール:福井 敬 Kei Fukui

バリトン:甲斐栄次郎 Eijiro Kai 熊本市生まれ。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、東京藝術大学大学院音楽研究科声楽専攻(オペラ)修了。1998年、“第29回イタリア声楽コンコルソ”シエナ部門第1位・シエナ大賞受賞。1999年、“第4回 藤沢オペラコンクール”にて第3位入賞。2002年6月、イタリア、リーヴァ・デル・ガルダで開催された“第8回リッカルド・ザンドナイ国際コンクール”にて第3位入賞、▼続きを見る 同年11月、プーリア州レッチェで開催された第10回“ティト・スキーパ国際コンクール”第1位入賞。平成14年度五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。
1996年、二期会オペラスタジオ第39期マスタークラス修了、修了時に最優秀賞ならびに川崎靜子賞を受賞。1998年、オペラ研修所第11期修了。1999年、文化庁派遣芸術家在外研修員として、アメリカ合衆国、ニューヨーク市へ留学。2002年、五島記念文化財団の助成により、イタリア、ボローニャへ留学。
2000年夏、テル・アヴィヴで開催された“Israel Vocal Arts Institute(IVAI)”、キアーリ(イタリア)にて開催された“International Institute of Vocal Arts(IIVA)”の両オペラ・プログラムに参加。テル・アヴィヴでは、パイズィエッロ作曲“セヴィリアの理髪師”のタイトルロールを務める。文化庁派遣芸術家在外研修員としての研修後も、ニューヨークでの研鑽を続ける。2001年夏、カザルマッジョーレ(イタリア)で開催された“IVAI”プログラムに参加、“フィガロの結婚”のタイトルロールを務める。2002年、フランス、ビュクシーで開催されたオペラ・プログラムにおいては、ガブリエル・バキエー、ダイアナ・ソヴィエロらの指導を受ける。その他、IVAI主催のマスタークラスにおいて、シェリル・ミルンズ、レナータ・スコットらの指導を受ける。
2003年、ウィーン国立歌劇場にデビュー。同劇場において10年間に渡り専属ソリスト歌手として活躍、レパートリーは60役を超え、42役で約330回の公演に出演。2003年12月、トーマス・ハンプソン主演の《シモン・ボッカネグラ」においては、急病の歌手に代わりパオロ役で急遽出演し、暗殺者を緻密に表現、存在を深く印象付けた。同役では、レオ・ヌッチ、プラシド・ドミンゴ、バルバラ・フリットリ、フェルッチョ・フルラネット、ジュゼッペ・サッバティーニらとも共演。2012年5月、エディタ・グルベローヴァとの共演で、歌唱、演技共に高い評価を得たドニゼッティ作曲《ロベルト・デヴェリュー》ノッティンガム公爵をはじめ、《ランメルモールのルチア》エンリーコ、《愛の妙薬》ベルコーレ、《ラ・ファヴォリータ》アルフォンソ11世、《蝶々夫人》シャープレス、《ラ・ボエーム》マルチェッロ、《マノン・レスコー》レスコー等、特にイタリア・オペラ作品のプリモ・バリトン役において高い評価を得ている。ウィーン国立歌劇場の2008年の日本公演において、エディタ・グルベローヴァ主演《ロベルト・デヴェリュー》にグアルティエーロ・ローリ役で出演。2012年、日本公演に再び参加、《子供ための“魔笛”》においてパパゲーノ役を好演。
国内においては、2002年、二期会創立50周年記念公演《フィガロの結婚》のタイトルロール、《ニュルンベルグのマイスタージンガー》夜警役で出演。小澤征爾音楽塾オペラプロジェクトⅢ《ドン・ジョヴァンニ》公演において、タイトルロールのカヴァーを務め、特別演奏会に同役で出演。2003年、小澤征爾オペラプロジェクト・パリ・オペラ座共同制作《ジャンニ・スキッキ》にベット役で出演。2004年1月、市川團十郎演出オペラ《鳴神》鳴神上人役で新国立劇場デビュー、2011年6月、同劇場において《蝶々夫人》シャープレス役で出演。2011年11月、東京文化会館50周年記念公演《古事記》にイザナギ役で出演。2013年、東京文化会館“春祭”《ニュルンベルクのマイスタージンガー》にはコートナー役で出演。その他のオペラ出演歴には、《フィガロの結婚》アルマヴィーヴァ伯爵、《ドン・ジョヴァンニ》タイトルロール、《コシ・ファン・トゥッテ》グリエルモ、《ラ・ボエーム》マルチェッロ、《泥棒とオールドミス》ボブ、《魔笛》弁者、《シモン・ボッカネグラ》パオロ等がある。
コンサートにおいては、ベートーベン《第九》、ヘンデル《メサイア》、ヤナーチェク《グラゴル・ミサ》、ブラームス《ドイツ・レクイエム》、マーラー《嘆きの歌》等のソリストを務めている。2008年、NHKニューイヤーオペラコンサートに出演。同年、NHK交響楽団ベートーベン《第九》のソリストを務める。聖徳大学客員教授。二期会会員。 ▲プロフィールを閉じる

バリトン:甲斐栄次郎 Eijiro Kai

東京都交響楽団 Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra 東京オリンピックの記念文化事業として1965年に東京都が設立。歴代音楽監督は森正、渡邉暁雄、若杉弘、ガリー・ベルティーニ。現在、プリンシパル・コンダクターをエリアフ・インバル、レジデント・コンダクターを小泉和裕、プリンシパル・ゲスト・コンダクターをヤクブ・フルシャ、またソロ・コンサートマスターを矢部達哉、四方恭子、コンサートマスターを山本友重が務める。
▼続きを見る 定期演奏会などを中心に、ティーンズとの「ジョイントコンサート」、年間約60回の音楽鑑賞教室、ハンディキャップをもつ方々のための「ふれあいコンサート」や地方公演など、多彩な活動に取り組んでいる。
1991年「京都音楽賞大賞」を受賞。CDリリースは、若杉弘、ベルティーニ、インバルによる各『マーラー交響曲集』の他、武満徹作品集などの現代日本管弦楽曲や人気のゲーム音楽『ドラゴンクエスト』まで多岐にわたる。2012年3月のインバル指揮「ショスタコーヴィチ:交響曲第4番」の演奏は、そのライヴCDとともに絶賛を博し、第50回レコード・アカデミー賞〈交響曲部門〉、第25回ミュージック・ペンクラブ音楽賞〈コンサート・パフォーマンス賞〉および〈録音・録画作品賞〉を相次いで受賞。
これまでに欧米やアジアで海外公演を成功させて《首都東京の音楽大使》として国際的な評価を得ており、2013年5月にはプラハの春国際音楽祭などに招かれチェコおよびスロバキアで公演を行い、いずれも熱烈な喝采を浴びた。2015年4月より大野和士が第5代音楽監督に就任することが決まっている。略称:都響。

公式サイト http://www.tmso.or.jp/
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合唱:東京オペラシンガーズ Tokyo Opera Singers 1992年、小澤征爾指揮、蜷川幸雄演出で話題を呼んだ《さまよえるオランダ人》の公演に際して、世界的水準のコーラスをという小澤氏の要望により、東京を中心に活躍する中堅、若手の声楽家によって組織された。当公演の合唱は圧倒的な成果を上げ、各方面から絶賛を受けた。その評価により同年、第1回サイトウ・キネン・フェスティバル松本《エディプス王》、バイエルン国立歌劇場▼続きを見る日本公演《さまよえるオランダ人》(ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮)に招かれ、再び高い評価を得た。翌1993年から活動は本格化し、サイトウ・キネン・フェスティバル松本(2009年まで連続出演)、東京フィルハーモニー交響楽団主催コンサート(出演したオペラコンチェルタンテ・シリーズ「ヒンデミット3部作:大野和士指揮」は文化庁芸術祭大賞受賞)、東京・春・音楽祭等を活動の中心に置く他、ベルリン・コーミッシェ・オーパー、キーロフ歌劇場管弦楽団(ヴァレリー・ゲルギエフ指揮)、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団(ユーリ・テミルカーノフ指揮)、イタリア国立放送交響楽団等の来日公演に出演、音楽界の活性化に大きく貢献することとなった。1998年には長野冬季オリンピック開会式において、世界6ヵ国を結ぶ《第九》合唱で、中心となる日本側の演奏を担当した。1999年にはヨーロッパの代表的音楽祭の一つであるエディンバラ音楽祭に出演(東急文化村制作《トゥーランドット》)、最大級の賞賛を得た。2000/01年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と共演(小澤征爾、サイモン・ラトル指揮)、同楽団からも高い評価を得た。東京・春・音楽祭には、東京のオペラの森合唱団として第1回から連続出演。2006/07/10年に共演したリッカルド・ムーティ(ヴェルディ《レクイエム》、オルフ《カルミナ・ブラーナ》他)からも高い評価を得ている。2010年からスタートした東京春祭ワーグナー・シリーズ《パルジファル》にも出演、好評を得た。2011年には主要メンバーによる「にほんのうた」シリーズを開始。また急きょ開催されたズービン・メータ指揮《第九》(東日本大震災被災者支援チャリティーコンサート)にも出演、当公演は大きな感動を呼んだ。▲プロフィールを閉じる

■曲目解説

ヘンデル:オラトリオ《メサイア》より「ハレルヤ」
 《メサイア》は、救世主すなわちキリストの生涯を扱ったきわめて宗教的な作品。1741年、ヘンデルはこの約2時間半に及ぶ大曲を3週間ほどで書き上げたという。全体は3部から構成され、「ハレルヤ」は第2部の最終曲。ちなみに、歌詞は全て英語である。

J.S.バッハ:コラール「主よ、人の望みの喜びを」(カンタータ《心と口と行いと命もて》BWV147より)
 教会カンタータ《心と口と行いと命もて》(BWV147)は、2部構成の全10曲からなり、1723年の作品とされる。第1部、第2部のそれぞれ最後(6曲目、10曲目)に、コラール「主よ、人の望みの喜びよ」が用いられており、その親しみやすい旋律によって絶えざる人気がある。

ハイドン:オラトリオ《天地創造》より「大いなる偉業は成りたり」
 《天地創造》は1796~98年にかけて作曲されたハイドの代表的オラトリオ。天地が創られた最初の6日間と「アダムとイヴ」の物語を大規模な声楽と管弦楽で描く。全体の構成は、第1部(天地創造1~4日目)、第2部(5・6日目)、第3部(最初の男女「アダムとイヴ」)からなる。今回取り上げられる「大いなる偉業は成りたり」は、第2部の最終曲にあたる。

ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」より 第4楽章
 交響曲第9番の最終楽章は、フリードリヒ・フォン・シラーの詩「歓喜に寄せて」から刺激を得て書かれた。完成したのは1824年2月で、同年5月にウィーンで初演された。それ以前の交響曲は基本的に器楽曲だったが、本曲で初めて交響曲に4人の独唱者と混声合唱が導入された。周知の通り、合唱部分では「人類の友愛」が高らかに唱和される。

ワーグナー:
歌劇《タンホイザー》より「歌の殿堂をたたえよう」(祝典行進曲)

 着想から3年、1845年に完成した歌劇《タンホイザー》の第2幕・第4場で奏でられる、喜びに満ちあふれた華やかな行進曲。歌合戦が催される大広間に登場人物たちが続々と入場してくるシーンに付された音楽である。

楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》より「目覚めよ、朝は近づいた」
 1867年に完成した楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の第3幕・第5場、クライマックスの歌合戦に際して、ハンス・ザックスほか全員が心をひとつに合唱を奏でる。ここでの歌詞は、実在したマイスタージンガー(職匠歌人)、ハンス・ザックス(1494-1576)の詩にもとづいている。

R.シュトラウス:祝典行進曲
 神童の誉れ高かったリヒャルト・シュトラウスは、4歳でピアノを、6歳で作曲を始めた。この「祝典行進曲」は1876年、彼が12歳の時のオーケストラ作品であり、記念すべき「作品1(op.1)」として出版され、母方の祖父に献呈された

マーラー:交響曲 第2番 ハ短調《復活》より 第5楽章(抜粋) 全体の約4割を占める最終楽章(第5楽章)が完成したのは1894年。その年、亡くなった指揮者ハンス・フォン・ビューローの葬儀で聴いた、18世紀ドイツ詩人クロプシュトックの賛歌「復活」にインスピレーションを得て、この部分が作曲された。長大な楽章の後半、啓示を告げるトランペットが鳴り響いた後、復活の扉を厳かに開くように合唱が始まる。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会

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