PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2011-

ミュージアム・コンサート 「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」記念コンサート
vol.2 ファン・エイクの《笛の楽園》~リコーダー三昧

プログラム詳細

2011:04:05:19:00:00

Photo: Rikimaru Hotta
■日時・会場
2011.
4.5 [火] 11:00開演(10:30開場)
4.5 [火] 14:00開演(13:30開場) ※各回約60分
国立西洋美術館 講堂

■出演
リコーダー:太田光子、浅井 愛
チェンバロ:戸﨑廣乃

■曲目
~J.van.エイク《笛の楽園》~
J.van.エイク:この美しい人魚が
G.G.ガストルディ:この美しい人魚が
作者不詳:《エリザベス・ロジャース・ヴァージナル・ブック》より「ナイチンゲール」
J.van.エイク:イギリスのナイチンゲール speaker.gif[試聴]
J.van.エイク:美しい羊飼の娘フィリス speaker.gif[試聴]
F.de.シャンシー:エール・ド・クール「虚しく私の身を隠し」
J.van.エイク:道化師
J.van.エイク:麗しのアマリッリ
P.フィリップス:麗しのアマリッリ
J.van.エイク:詩篇134篇
J.プレイフォード:《イングランドの舞踏教師》より「ルパート殿下のマーチ」
J.van.エイク:ロベルト殿下のマスク
J.van.エイク:モア・パラティーノ
J.P.スヴェーリンク:モア・パラティーノ
作者不詳:エール・ド・クール「私が戻っている間に」
音楽の解説はこちら


■講演
国立西洋美術館上席主任研究員 幸福 輝


・vol.1「チェンバロの光と影~スヴェーリンク、17世紀の響き」の公演詳細はこちら

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

リコーダー:太田光子 Recorder: Mitsuko Ota 上野学園大学卒業。ミラノ市立音楽院でディプロマを取得し卒業。第16回古楽コンクール第1位。バルセロナ国際古楽祭、Musica e Poesia a S.Maurizio(ミラノ)等、ヨーロッパの主要なフェスティバルに出演。イタリアのArcomeloにソリストとして参加。CDに『イタリアへの夢』(コジマ録音、レコード芸術誌特選盤)、『グリーンスリーブス~笛の楽園』(キングレコード、全国電気事業連合会TV-CM曲、エバラ食品TV-CM曲)等がある。現在、上野学園大学講師。

太田光子公式サイト http://homepage2.nifty.com/otamitsuko/

リコーダー:太田光子 Recorder: Mitsuko Ota

リコーダー:浅井 愛 Recorder: Ai Asai 上野学園大学音楽学部器楽卒業。東京藝術大学大学院古楽科修了。ロータリークラブ国際親善奨学生としてミラノ市立音楽院に留学。ミラノ市立音楽院卒業。D.ブラジェッティに師事。リコーダーを島田暁子、田中せい子、濱田芳通、山岡重治の各氏に師事。帰国後、フィリピンのダバオでリコーダー講習会を行なう。NHKテレビ「趣味悠々」出演。2009、10年、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」出演。上野学園非常勤講師。

浅井 愛公式サイト http://aiai-recorder-site.hp.infoseek.co.jp/

リコーダー:浅井 愛 Recorder: Ai Asai

チェンバロ:戸﨑廣乃 Cembalo: Hirono Tozaki 上野学園大学卒業。同大学専攻科修了。英国王立音楽大学、ケルン音楽大学卒業。国家演奏家資格を取得。チェンバロを渡邊順生、K.ハウグサン、S.センペの各氏に師事。日本各地でのソロリサイタルに加え、御前演奏会(赤坂御所)に出演。バッハ・コレギウム・ジャパン等とも共演する。ソロCD『アルマンド』をリリース。国内外において広く活躍中。上野学園大学、名古屋芸術大学講師。平成21年度静岡市芸術文化奨励賞を受賞。

 チェンバロ:戸﨑廣乃 Cembalo: Hirono Tozaki

■音楽の解説

ヤコブ・ファン・エイク:《笛の楽園》より
   「この美しい人魚が」「イギリスのナイチンゲール」「美しい羊飼の娘フィリス」「道化師」
   「麗しのアマリッリ」「詩篇134篇」「ロベルト殿下のマスク」「モア・パラティーノ」 /他

 オランダ出身のヤコブ・ファン・エイク(1590頃-1657)は、その人生の大半を職業音楽家として過ごした。フースデンにある小さな町の貴族の家に生まれた彼は、生まれつき盲目だったと言われている。1625年、ユトレヒトのドム教会でカリヨン*奏者に就任したのち、その卓越した能力を買われて、1628年に同地で鐘のディレクターとして抜擢された。また彼は、リコーダーやオルガン演奏、そして作曲にもその才能を発揮した。
 《笛の楽園》は、ファン・エイクの演奏をアムステルダムの出版業者パウルス・マタイスが楽譜へと筆写した、全3巻(第3巻は現存しない)約150曲から成るリコーダーのための作品集。収録されている曲のヴァリエーションはさまざまで、民謡や舞曲、教会音楽、世俗曲など多岐にわたる。
 本公演では、鳥の鳴き声を思わせる旋律を、オクターヴを変えて吹き分けることで擬似的な遠近感を創り出した「イギリスのナイチンゲール」、フランスの作曲家フランソワ・デ・シャンシーの旋律による「美しい羊飼の娘フィリス」、イタリアの作曲家ジュリオ・カッチーニの歌で知られる「麗しのアマリッリ」他、《笛の楽園》のなかでもポピュラーな楽曲が採り上げられている。ファン・エイクはこれらの音楽を教会の中庭で奏で、訪れる人々を和ませたという話も伝わっている。各曲共通の特徴という点では、一つの旋律を即興的に変奏していく手法が用いられており、リコーダー奏者として天賦の才を授かったファン・エイクの姿を彷彿とさせる作品群と言えるだろう。

*カリヨン[carillon]:ここでは、鐘楼建築物に設置した複数の巨大な鐘(23鐘2オクターブ以上が基準)を手足の鍵盤で演奏する楽器を指す。14世紀のフランドル地方が発祥とされる。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 協力:国立西洋美術館/日本テレビ放送網/読売新聞社/上野学園大学

ページの先頭へ戻る