PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2011-

ミュージアム・コンサート「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」記念コンサート
vol.1 チェンバロの光と影~スヴェーリンク、17世紀の響き

-本公演は中止となりました-

プログラム詳細

■日時・会場
2011.
3.18 [金] 11:00開演(10:30開場)
3.18 [金] 14:00開演(13:30開場) ※各回約60分
国立西洋美術館 講堂

■出演
チェンバロ:曽根麻矢子

■曲目
ヤン・ピーテルスゾーン・スヴェーリンク:
 涙のパヴァーヌ speaker.gif[試聴]
 大公のバレット speaker.gif[試聴]
 トッカータ 第21番
 緑の菩提樹の下で speaker.gif[試聴]
 おかしなシモン speaker.gif[試聴]
 わが青春はすでに過ぎ去り speaker.gif[試聴]
 アルマンド・グラティエ「宮廷風に」speaker.gif[試聴]
曲目解説はこちら

■講演
国立西洋美術館客員研究員 熊澤 弘


・vol.2「ファン・エイクの《笛の楽園》~リコーダー三昧」の公演詳細はこちら

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

チェンバロ:曽根麻矢子 Cembalo: Mayako Sone 桐朋学園大学附属高校ピアノ科卒業。ピアノを寺西昭子、チェンバロを鍋島元子の両氏に師事。1986年、ブルージュ国際チェンバロ・コンクール入賞。その後、渡欧を重ね、同コンクールの審査員であったスコット・ロスの指導を受ける。ロスの死後、エラート・レーベルのプロデューサーにロスの後を継ぐ奏者と認められ、1991年に同レーベル初の日本人アーティストとしてCDデビューを果たす。以後、イスラエル室内オーケストラのツアーに専属チェンバリストとして参加する他、フランス及びイタリアのフェスティバル参加し、現代舞踊家とコラボレートする等、国際的に活躍。日本でもリサイタル、室内楽と積極的に活動して注目を集めている。2003年より浜離宮朝日ホールで全12回(6年)にわたるJ.S.バッハ連続演奏会をスタートさせ、好評を博している。
録音活動も活発で、最新盤『J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻』(第20回ミュージック・ペンクラブ音楽賞オーディオ部門最優秀録音賞受賞)を含む13枚のCDをリリースしている。1996年「第6回出光音楽賞」をチェンバロ奏者として初受賞。1997年、飛騨古川音楽大賞奨励賞を受賞。

©Hiroo Works

チェンバロ:曽根麻矢子 Cembalo: Mayako Sone

■曲目解説

J.P.スヴェーリンク:
涙のパヴァーヌ、大公のバレット、トッカータ 第21番、緑の菩提樹の下で、
おかしなシモン、わが青春はすでに過ぎ去り、アルマンド・グラティエ「宮廷風に」

 ヤン・ピーテルスゾーン・スヴェーリンク(1562-1621)は、ルネサンス末期からバロック初期にかけて活躍したオランダの作曲家、オルガニスト。スヴェーリンク一族には音楽家が多く、彼の父や息子もオルガニストであった。複雑な対位法を特徴とするその作品と、「オランダのオルフェウス」と讃えられた即興演奏の技術は、J.S.バッハの先駆者と言っても過言ではない。また、彼は教育者としても優れ、「オルガニスト制作家」との異名を取るほどであった。特にドイツでは強い影響力を誇り、プレトリウスやシャイデマン、ザムエル・シャイトなどを育て、17世紀北ドイツ楽派の父とも言える存在である。
 《涙のパヴァーヌ》は、イギリスの作曲家ジョン・ダウランド(1563-1626)の名作をモティーフとしている。《大公のバレット》は、イタリアの作曲家エミリオ・デ・カヴァリエーリ(1550?-1602)のアリア《新たな驚きは我が身に》による。スヴェーリンクのライフワークとも言えるトッカータ作品からは《トッカータ 第21番》を採り上げる。ガブリエリなどの派手なイタリア風トッカータと比べ、構造的な部分を前面に出している点が彼のトッカータの特徴と言えよう。それぞれ当時の民謡を用いたという《緑の菩提樹の下で》《おかしなシモン》は、《涙のパヴァーヌ》《大公のバレット》同様、スヴェーリンクが得意とした変奏曲の形式で作曲されている。
 そして代表作である《わが青春はすでに過ぎ去り》は、ドイツ語の民謡にもとづく主題と6つの変奏曲から成る。生涯をオランダで過ごしたとされるスヴェーリンクは、この歌をドイツ人の弟子から教わったという説がある。最後の《アルマンド・グラティエ「宮廷風に」》は、全般を通して堂々として趣を湛えた舞曲である。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:上野学園大学 協力:国立西洋美術館/日本テレビ放送網/読売新聞社

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