PROGRAMプログラム

ミュージアム・コンサート  三個人~3peoplemusic

ミュージアム・コンサート三個人~3peoplemusic

2013年に結成され、新しいスタイルで人気の台湾発室内楽ユニット。伝統音楽に現代の息吹を加え、様々なジャンルのアーティストと共演を重ねる期待の三個人、東京春祭での初ステージ。

プログラム詳細

2019:04:11:19:00:00

■日時・会場
2019/4/11 [木] 19:00開演(18:30 開場)
国立科学博物館 日本館講堂

■出演
三個人
 古箏:郭 岷勤(クオ・ミンチン)
 中阮:潘 宜彤(パン・イトゥン)
 笛簫:任 重(ジン・チャン)

■曲目
任 重:荒神
潘 宜彤:紅絨毯
郭 岷勤:開花
浙江省の古典劇音楽(趙 松庭編):三 五 七
作曲者不詳(三個人編):3つのロマンス
邱 浩源:ヘイヨー!ヘイヨー!
潘 宜彤:五音音階の感覚
郭 岷勤:脈
潘 宜彤:浸墨
任 重:瀲灩(れんえん)
潘 宜彤:風雨
台湾民謡(三個人編):曇空

[アンコール]
台湾原住民の旋律による民謡:「島」(郭 岷勤(クオ・ミンチン)編)

チケットについて チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,600
■発売日

チケット予約・購入 お買い物カゴ トリオ・チケット

一般発売:2019年1月27日 (日) 10:00

■曲目解説 PDFダウンロード


“三個人”による曲目解説


任 重:荒神


荒神とは、人間の恐怖心が生み出した想像上の怪物。想像力は、我々の感情をコントロールする。それは、押さえつけることもできるし、解放することもできる。この作品は、日本の尺八と起源を同じくする台湾の楽器「簫」を用いて、日本と台湾の音楽言語をブレンドして、一つにしている。

潘 宜彤:紅絨毯

宗朝の詩人、毛滂は、彼の詩『冗談の歌:美の狂詩曲』で、「美しい少女たちは、客人を笑顔で迎え、赤絨毯のうえの刺繍を施した衝立の前に座り、音楽を奏でる」と書いている。同じように、秦牧は『芸術の知られざる事実:変成作用』において、「楽隊は、赤絨毯に座り、愛と別離についての悲しい話を、数え切れぬほど語る」と書いている。

郭 岷勤:開花

つぼみから満開まで、花の開花プロセスを描写している。演奏者には、アッチェレランド、アルペジオ、グリッサンドなどのスキルを駆使して、繊細で優雅な花の姿を喚起させることが求められる。

浙江省の古典劇音楽 (趙 松庭編):三 五 七

婺剧(金華オペラ)からきた同名の歌にもとづいており、1957年に趙 松庭によって笛独奏のために編曲された。タイトルは、名高い詩人、白居易の詩『憶江南(江南の思い出)』による。白居易の詩の最初の3つの句は、それぞれ3、5、7文字の言葉から成っており、この作品のタイトルも『三 五 七』となった。

古典作品:3つのロマンス (三個人編)

古典作品『梅花三弄』を再編曲したもの。オリジナルは金王朝時代の桓溫によって笛のために書かれたとされ、のちに古琴のために編曲された。飾り気のないリリカルな趣味の真髄と言える作品。再編曲された本曲では、魅惑的で洗練されたメロディを忠実に再現する一方、リズムのアーティキュレーションを加えた。中間部では、楽器が交互に現れ、各楽器の性格や、演奏者の即興的な技巧を聞くことができる。古代の雰囲気と流れるような抑揚にあふれた曲で、勢いの衰えない機敏な特徴を表現している。

邱 浩源:ヘイヨー! ヘイヨー!

伽耶琴の音楽と、邵族の木杵(打楽器)、河套の労働歌の要素をブレンドして、リズミカルでパーカッシブな作品に仕上がっている。一方で、音階の転移、重複、連続といった技術によって、「農民は、朝早くに起きて大地を耕し/月が昇ってから家に帰る」と、詩にあるような、農家の厳しい労働を表現している。タイトルは、白居易の詩「观刈麦」の一節と関連している。「農夫の素足は夏の地面の暑さを感じ、彼の背中は照りつける陽ざしに焼かれた。彼は疲れを感じたが、暑さには知らないふりをした。なぜなら、長い夏の陽ざしは、良き収穫を望む農夫にとって貴重なものだから」。

潘 宜彤:五音音階の感覚

五音音階は、中国音楽の伝統的な音階の一つであり、作品に五音音階を用いると、東洋的な雰囲気で満たされる。この曲は、中阮の即興で始まり、演奏家の音への想像力を表出させる。これに続き、箏が静謐なアルペジオ風のテーマを低弦で表現する。笛のアレグロの部分では、箏がピチカートで伴奏する。この作品の前半は魅惑的でさっぱりしているのに対し、後半は力強く、機敏である。最後は、笛の長く朗々と響きわたる音符で終わる。

郭 岷勤:脈

この作品はいくつかのセクションに分かれていて、我々のグループの結成から今日に至る様々な出来事を表現している。それと同時に、各人が内に秘めた言葉にならない感情、記憶、理想、直面した現実などを話し合うことによって、どうやって自分たちの夢を実現するのか決断し、ゴールに到達するためにどのように努力し、また不一致をみた際はどのように意見を闘わせたのか、といった当時の感情も表している。いくつかの補助的なアイテムが、この「会話」の感覚を創り出すために用いられている。例えば、中阮の演奏者は、左手にペンを持ち、フレットに沿ってスライドさせて演奏する。また、箏の奏者は、右手で弦をかき鳴らしながら、同時に左手は箏柱(弦を支え、その位置によって音の高低を調節するもの)を移動させる。さらに、笛の奏者は、しばしば本物の会話を真似るために、ポリフォニックに演奏しなければならない。

潘 宜彤:浸墨

演ずる者は、私の経験ではミステリアスなものである。彼らは、写真や映像では表現され得ない。私はいつも、ステージ上の彼らの動きや歌に魅了されている。私は、我々の心温まる演奏を通して、こういう感覚を表現しようとした。3つの楽器と織り合わさった3人。対話は音楽で表わされる。これら私のお気に入りの配役の代わりを務めるのは3つの楽器、すなわち笙、独弦琴、二胡である。役者たちはステージに現れ、すれ違い、我々に物語を語る。だが彼ら以外には、本当は何が起こっているのか誰も知らない。

任 重:瀲灩

タイトルは、宋時代の詩人・蘇軾の詩『飲湖上初晴後雨』に由来する。関連するのは、「湖水はさざめき、陽ざしにきらめく。雨が山々に霧を投げかけ、ぼんやりと包み込む間に」という部分で、想像力によって喚起される光景を描いている。

潘 宜彤:風雨

この作品は、『詩経』の詩「風雨」にもとづいており、雨がいかにして、詩人に高潔な人物の特徴を思い出させたかを記している。8分の7拍子となっており、オスティナートをともない、簫の広大なサウンドが、悲しみをとらえる一瞬を引き出す。

台湾民謡 (三個人編):曇空 任重編作曲

この曲は、3人の奏者のために特別に編曲された版である。台湾民謡「曇空」をもとに、3つの楽器により、よく知られたモチーフのポピュラーな音楽からコードを発展させて即興で演奏する。その相互作用は、オリジナルの民謡にはない、独特の音楽的な感覚を創り出している。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会
共催:国立科学博物館
後援:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター



※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
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(2018/10/29更新)

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