クララ・シューマン――生誕200年に寄せて 〜伊藤 恵(ピアノ)と仲間たち
クララ・シューマン――生誕200年に寄せて
〜伊藤 恵(ピアノ)と仲間たち
ロベルト・シューマンの妻で、自身も作曲家、ピアニストとして生きたクララ・シューマン。150年前、50代のクララが行ったとされる演奏家として最後のコンサートを再現。
プログラム詳細
2019:04:05:18:30:00
2019/4/5 [金] 18:30開演(18:00 開場)
旧東京音楽学校奏楽堂
■出演
ピアノ:伊藤 恵
ヴァイオリン:加藤知子
ソプラノ:菅 英三子
ホルン:日髙 剛
ピアノ:開原由紀乃
■曲目
ブラームス:ホルン三重奏曲 変ホ長調 op.40

I. Andante
II. Scherzo. Allegro
III. Adagio mesto
IV. Finale. Allegro con brio
シューベルト:若い尼 D828

メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 ニ短調 op.54

ブラームス:愛のまこと op.3-1


(エルンスト・フリードリヒ・カール・)ルドルフ:幻想小曲集 op.10
ショパン
夜想曲 第13番 ハ短調 op.48-1

即興曲 第1番 変イ長調 op.29

シューマン
きみの顔 op.127-2

《女の愛と生涯》 op.42 より 第2曲 「彼は誰よりも素晴らしい人」

《幻想小曲集》 op.12 より
第1曲 夕べに





【試聴について】

c.Schuman.pdf
ブラームス:ホルン三重奏曲
風光明媚な保養地バーデン=バーデンで1865年に完成。4楽章からなり、ブラームスが少年時代から愛着を寄せていたナチュラル・ホルンの柔らかな響きを念頭に書かれている。同年2月には最愛の母が他界しており、深い憂愁に彩られた第3楽章には、母への哀悼だろうか、アダージョ・メスト(ゆるやかに、悲しげに)との指示がある。
シューベルト:若い尼
1825年の作品。暗い情熱に駆り立てられるような緊迫した雰囲気の曲だが、救いの影も差す。オーストリアの詩人クライガーによる詞は、まるでクララ・シューマンの波瀾万丈の人生を象徴するかのような内容になっている。
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲
メンデルスゾーンのピアノ独奏曲のなかでも屈指の名品。作曲は1841年。「厳格な」とある通り、重々しい主題から始まる。続く17の変奏では、様々な主題旋律の装飾やリズムの変形、和声上の飛躍や拡大が行なわれる。各変奏は個性的であるにもかかわらず、構成が緻密で、演奏難度は高い。最後はプレストのコーダで最高潮に達し、静かに曲を締めくくる。
ブラームスの歌曲
「愛のまこと」は、1853年に作曲された《6つの歌》(作品3)の第1曲。詩は、ドイツ・ロマン派の詩人ロベルト・ライニック。母と娘の「愛のまこと」についての対話で一つの連が構成され、次第にテンポが上がり緊迫していく。「あこがれ」は、1868年に出版された《5つの歌》(作品49)の第3曲で、原詩はボヘミア民謡。ロマン派らしい彼方への憧憬を歌う。
E.ルドルフ:幻想小曲集
エルンスト・ルドルフは、1840年ベルリン生まれの作曲家・教育者。シューマン夫妻とも親しく、彼らの娘にピアノを教えたこともある。この《幻想小曲集》(作品10)は、1870年にベルリンで出版された。シューマンの《幻想小曲集》(作品12)が意識されており、楽章数も同じ8楽章となっている。
ショパンのピアノ曲
「夜想曲 第13番」は、1841年に作曲された《2つの夜想曲》(作品48)の第1曲。三部形式で書かれた円熟期の作品で、ショパンの夜想曲のなかでも最も壮大で、規模も大きい。内容的にも「夜想曲」を体現するかのようである。「即興曲 第1番」は1837年の作品で、当時、ショパンはジョルジュ・サンドとの恋愛の真っ只中にあった。三部形式になっており、明朗な爽やかさが特徴的。
シューマンの作品
「きみの顔」は、《5つの歌》(作品127)の第2曲で、詩はハインリヒ・ハイネによる。シューマンの歌曲創作が旺盛だった、いわゆる「歌の年」(1840年)に書かれた歌で、亡き恋人への愛惜にあふれている。「彼は誰よりも素晴らしい人」も「歌の年」の作品で、連作歌曲集《女の愛と生涯》(作品42)の第2曲。詩はシャミッソーの詩集から採られている。恋心を抱いた相手の男を讃える歌で、瑞々しい恋の高揚と不安が描かれている。
「幻想小曲集」(抜粋)は、1837~38年に作曲された独奏ピアノ作品。この頃、シューマンの結婚の申し込みがクララの父ヴィークによって拒絶され、二人は引き裂かれた状態にあった。曲集は全8曲からなり、それぞれにタイトルが付けられ、幻想的な楽想にあふれている。第1曲「夕べに」は、夕暮れ迫る静かなひとときのように、内省的な時間を描き出す。第5曲「夜」は、ギリシャ神話に出てくるヘーローとレアンドロスのロマンティックな悲恋物語がイメージされている。第4曲「気まぐれ」は、軽やかに転調を繰り返し、時に物思いに耽る、思考の気まぐれを描いたような曲。第3曲「なぜ?」は、訥々と発せられる問いが、美しい2声で絡み合う。第2曲「飛翔」は、曲集のなかで最も有名な曲で、ロンド形式。想像力の大いなる羽ばたきが感じられ、冒頭の激しく力強いテーマから心をつかまれる。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
後援:公益財団法人 台東区芸術文化財団
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
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(2018/10/29更新)