PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2018-

ミュージアム・コンサート「ブリューゲル展」記念コンサート vol.2
廣澤麻美(チェンバロ&ヴァージナル)

ヨーロッパと日本でチェンバロ奏者として活躍する廣澤麻美が、チェンバロとヴァージナルを駆使して16世紀からの音楽の系譜を辿ります。

プログラム詳細

2018:03:24:14:00:00

■日時・会場
2018.3.24 [土]14:00開演(13:30開場)[約60分]
東京都美術館 講堂

■出演
チェンバロ&ヴァージナル:廣澤麻美

■曲目
P.コルネット:第三旋法によるトッカータ [試聴]
《スザンネ・ファン・ソールトによる写本》(1559)より
 シャンパーニュ地方のブランル
 アルマンド「ラ・ノネット」
 ブラバントのロンドまたはブランル [試聴]
《レニングラード写本》(1646)より おかしなシモン
J.P.スウェーリンク:
 わが青春はやがて終わり [試聴]
 緑の菩提樹の下で [試聴]
 涙のパヴァーヌ [試聴]
 半音階的ファンタジア
A.ファン・デン・ケルクホーフェン:フーガ ホ調 [試聴]
P.バステイン:組曲 第2番 ニ長調
 I. Preludio
 II. Allemanda
 III. Corrente
 IV. Sarabanda
 V. Giga

[アンコール]
《レニングラード写本》より ウィルヘルム

[使用楽器]
① 17世紀 フランドル様式(フレミッシュ・スタイル)
  ルッカース工房のモデルに基づく二段鍵盤チェンバロ 2016年
  久保田チェンバロ工房製作
② 17世紀 フランドル様式(フレミッシュ・スタイル)
  ルッカース工房のモデルに基づくヴァージナル(長方形チェンバロ) 2008年
  久保田チェンバロ工房製作

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥2,100

 ■発売日
  一般発売:2017年12月7日(木)10:00

チケット予約・購入 お買い物カゴ トリオ・チケット

■曲目解説

廣澤麻美 (チェンバロ奏者)

現在のオランダ、ベルギーにあたるネーデルラントの地で何人もの画家を輩出したブリューゲル一族。今回の「ブリューゲル展」に登場するうち最年長のピーテル1世が生まれてから最後のアブラハムが没するまでの約150年間、音楽の世界でもこの土地には多くの音楽家が生まれ、楽器が作られ、奏でられ、人々は踊り、歌っていた。

本日はまさにこの時代、この土地で生まれた鍵盤音楽の数々を、当時オルガンと並んで主要な鍵盤楽器であったチェンバロとヴァージナルでお聴きいただく。

ピーテル・ブリューゲル2世やヤン・ブリューゲル1世とほぼ同世代を生きたコルネットは、ブリュッセルの宮廷で活躍した音楽家。生涯ほぼそこに留まって活動したため、その作品の多くは後世に伝えられることがなく消えたと考えられている。このトッカータはフレスコバルディなどを彷彿とさせるイタリア様式の自由さと変化に富んだ作品。

大英博物館蔵の《スザンネ・ファン・ソールトによる写本》は、ネーデルラント地域の音楽を伝える最古の資料の一つ。所有者として名が付いているスザンネは当時12~3歳の少女で、プロテスタント信仰ゆえに迫害を恐れ、アントワープからロンドンに逃れた裕福な商人の娘だった。当時ネーデルラント地方で親しまれていた音楽やレッスン用の曲など33曲の小品の中から、本日は「ブランル」という社交舞踏会で使われた舞曲2曲と、当時の流行歌で後に讃美歌にもなった「ラ・ノネット」をお届けする。

《レニングラード写本》に含まれる「おかしなシモン」も当時流行していたメロディで、様々な作曲家が編曲しているもの。この曲はスウェーリンクの作品だと判明している。

16~17世紀ネーデルラントの音楽家の巨頭といえるスウェーリンクもピーテル・ブリューゲル2世、ヤン・ブリューゲル1世と同世代である。アムステルダムの旧教会のオルガニストであった彼は、音楽面では比較的質素なものに制限されていたカルヴァン派の立場にありながらも、それとは場を異とする、富裕な市民が支える公開コンサートなどでその手腕を発揮する機会に恵まれていた。ドイツからも彼を慕って多くの弟子が押し寄せたその類い稀なる鍵盤音楽の手法は、世俗的な流行歌から宗教的内容の旋律までを駆使した変奏曲のスタイルや、厳格なテーマによって見事な展開を見せる対位法的作品など実に豊かである。本日はその両方から4曲をお贈りする。

ブリュッセルに生まれ、おもに宮廷で活躍したケルクホーフェンは、ブリューゲル家ではアンブロシウス、ダーフィット・テニールス2世、ヤン・ピーテル、アブラハム、ヤン・ファン・ケッセル1世など後の世代と重なる。このフーガをはじめ、残された鍵盤曲のほとんどは、オルガンのために書かれたと思われる。

歴史的・地理的要因から複雑な環境に包まれたネーデルラントには、当然フランス方面からの影響を大きく受けた音楽家も多く存在した。バステインの「組曲」は、そんな典型的ないくつかの舞曲から成る親しみやすい音楽。装飾などにフランスの香りが感じられる。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団) 協力:日本音響エンジニアリング株式会社


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2017/03/25更新)

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