PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-

酒井 淳 チェロとヴィオラ・ダ・ガンバで魅せる、春の舞曲
~齋藤秀雄メモリアル基金賞 受賞記念コンサート

チェロを弾き、ヴィオラ・ダ・ガンバを奏でる。古楽への愛深く、指揮活動やジャズにも取り組む音楽家・酒井 淳が紐解く、300年を経てなお新しい音の世界。

プログラム詳細

2017:04:09:15:00:00

■日時・会場
2017.4.9 [日] 15:00開演(14:30開場)
上野学園 石橋メモリアルホール

■出演
チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ:酒井 淳
チェンバロ:福間 彩

■曲目
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007 [試聴]
F.クープラン:通奏低音を伴うヴィオール曲集:組曲 第1番 ホ短調 [試聴]
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008 [試聴]
F.クープラン:通奏低音を伴うヴィオール曲集:組曲 第2番 イ長調 [試聴]

[アンコール]
M.マレ:ヴィオール曲集 第2巻 より 人間の声

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


~春祭ジャーナル~


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 S席 A席 U-25
料金 ¥3,600 ¥2,600 ¥1,500

 ■発売日
  一般発売:2017年1月29日(日)10:00
  ※ U-25チケットは、2017年2月10日(金)12:00発売開始
   (公式サイトのみでの取扱い)

 ■上野学園 石橋メモリアルホール

■曲目解説

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番

《無伴奏チェロ組曲》(全6曲)が書かれた年代については、ケーテンの宮廷楽長時代(1717~23)の前期と推定されている。組曲の構造は、定型である「アルマンド/クーラント/サラバンド/ジーグ」の4つの舞曲を基本としながら、第1曲に「プレリュード(前奏曲)」を、最後のジーグの前の第5曲には「メヌエット/ガヴォット/ブーレ」のなかからいずれかの流行舞曲を加えた形に統一されている。

第1番は、ト長調というチェロの運指に合った調性が伸びやかな響きを生み出す。第1曲プレリュードは本組曲中もっとも有名な楽章で、間断なく続く16分音符の流れがその背後で進む和声を浮き彫りにする。第2曲は安らぎに満ちたアルマンド、第3曲はイタリア型の急速な3拍子によるクーラント、第4曲は優雅なサラバンド、第5曲には2つのメヌエットが用いられている。そして第6曲の軽快な短いジーグで曲を閉じる。

F.クープラン:通奏低音を伴うヴィオール曲集:組曲 第1番

フランソワ・クープランと言えば《クラヴサン曲集》でも知られるフランス・バロック音楽の巨匠だが、この2つの組曲からなるヴィオール曲集はクープラン晩年の作として1728年に出版された。

第1番は全7曲で構成されている。第1曲は重厚な響きのプレリュード。第2曲は軽やかなアルマンド。第3曲クーラントは4/3拍子で軽快に踊り、第4曲のサラバンドでは、愁いの響きが重苦しくはならず、クープランならではの気品あるアンニュイ(倦怠)感が漂う。第5曲は優美なガヴォット。第6曲は歓びがあふれ出るようなジーグ。そして終曲の「パッサカリアまたはシャコンヌ」では、美しい旋律が表情豊かに歌い上げられ、中間部で短調へと転調する。本組曲中の白眉とも言える名作である。

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番

ニ短調という調性は、音楽を内省的な方向へと誘う。第1曲プレリュードは、和声よりも旋律そのものに重点が置かれている。第2曲は高度な技巧が要求されるアルマンド、第3曲のシンプルなイタリア型クーラントを経て、第4曲は引き伸ばされた旋律に和音が重なる典雅なサラバンド。第5曲の2つのメヌエットでは、主調の第1メヌエットがニ短調、第2メヌエットがニ長調となり、古風な響きを醸す。終曲のフランス風ジーグは、規則正しい8小節の楽節構成。

F.クープラン:通奏低音を伴うヴィオール曲集:組曲 第2番

第2番は、第1番とはまったく性格が異なる。舞曲が一つも見当たらず、典型的な教会ソナタ(緩/急/緩/急)の配列による4楽章形式をとっている。第1曲は明るい陽が射し込むようなプレリュード。第2曲のフゲッタでは、通奏低音とのあいだにカノン風のやり取りが交わされる。第3曲は「葬儀」と題されている。このヴィオール曲集が出版された1728年は、ヴィオールの名手マラン・マレが没した年であるため、その追悼の意味があるのではないかと推測されている。時に痛切な響きを帯び、休符にさえも意味が込められたような印象深い曲である。第4曲は、前曲とは対照的な「白いシャツ」というタイトル。この真意は定かでないが、一説によると古いカードゲームに「シュミーズ・ブランシュ」というかけ声があり、「私の勝ち」という意味だという。非常に速く、様々な技巧が織り込まれたこの曲には、クープランの作曲家としての矜持が表れているのかも知れない。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会/Sony Music Foundation(公益財団法人ソニー音楽財団) 後援:公益社団法人才能教育研究会 特別協力:上野学園 石橋メモリアルホール


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2017/04/10更新)

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