PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-

ミュージアム・コンサート「バベルの塔」展 プレ・コンサート vol.1
ソフィオ・アルモニコ(ルネサンス・フルート)

ルネサンス時代には、フランドル派が欧州を席巻し、絵画にも多くの楽器が描かれています。この時代を代表するジョスカン・デ・プレやスザートの作品を、ルネサンス・フルートの幽玄な響きでお届けします。

プログラム詳細

2017:04:06:14:00:00

■日時・会場
2017.4.6 [木] 14:00開演(13:30開場)[約60分]
東京都美術館 講堂

■出演
ソフィオ・アルモニコ
 ディスカウント&テナー・ルネサンス・フルート:前田りり子
 テナー・ルネサンス・フルート:菊池かなえ菅 きよみ
 バス・ルネサンス・フルート:国枝俊太郎
 ルネサンス・リュート:佐藤亜紀子
 パーカッション:近藤郁夫

■曲目
H.イザーク:うら若き娘 [試聴]

C.モレル:満足すべきか、耐えるべきか
T.クレキヨン:断られるほどに
J.クレメンス・ノン・パパ:ジャカン・ジャケ

P.サンドラン(T.スザート編):甘い思い出
P.サンドラン(D.オルティス編):《甘い思い出》によるレセルカーダ 第2番 [試聴]
T.スザート:良いことは終わり

J.オブレヒト:タンデルナーケン

T.スザート:《ダンス集》より 戦争~モーロ人
P.ファレーズ:ブルゴーニュのブランル (リュート・ソロ)
T.スザート:《ダンス集》より
 ロンドV 「君はどこですか」~ロンドVI〜サルタレッロ

ジョスカン・デ・プレ(T.スザート編):はかりしれぬ悲しさ 3声 [試聴]
T.スザート:はかりしれぬ悲しさ 5声

G.P.d.パレストリーナ(?):第1旋法と第6旋法によるリチェルカーレ
C.デ・ローレ(G.B.ボヴィチェッリ編):別れによって [試聴]

作者不詳:通りがかりの少女が
J.バストン:縫い針
T.スザート:《ダンス集》 より
 アルマンド〜ナーハタンツI&II〜パッサメッツォ
 〜1000ドゥカーテン金貨(パヴァーヌ〜ガイヤルド〜ロンドVIII)

* 当初発表の曲順より一部変更となりました。

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥2,100

 ■発売日
  一般発売:2016年12月8日(木)10:00

■曲目解説

前田りり子

ルネサンス時代、美術においてはレオナルド・ダ・ヴィンチなどを輩出したイタリア絵画が圧倒的な影響力を持っており、フランドル絵画は「北方ルネサンス」という少し辺境の地を思わすような用語で説明されることもあります。しかし音楽においては16世紀初頭ぐらいまで、スフォルツァ家に仕えたジョスカン・デ・プレ、メディチ家とハプスブルグ家に仕えたイザークなどヨーロッパで活躍する音楽家のほとんどはフランドル出身者で、高度で複雑な対位法を駆使したフランドル楽派の音楽がヨーロッパを席巻していました。

フランドルは当時まだ始まったばかりの楽譜出版の中心地でもありました。ブリューゲルが画家修業をしたアントワープにはスザートという作曲家兼楽譜出版業者がおり、自作品をはじめ宗教曲、流行歌、ダンスなど様々なジャンルの曲集を出版しました。本日の公演ではそのスザートが出版した作品を中心に演奏いたします。

ルネサンス音楽の中心は多声の声楽で、楽器を指定した器楽曲はほとんど存在していません。しかし、器楽が存在していなかったわけではなく、歌の声部を自由に楽器に置き換えて演奏することができました。全声部を1種類の楽器で演奏することをホール・コンソート、歌や種類の違う楽器をミックスさせることをブロークン・コンソートと呼びますが、いずれにしろ声域をすべてカバーするために、現代のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのように大小様々なサイズの同族楽器が作られました。

ルネサンス・フルートは、16世紀に非常に人気の高かった楽器で、イギリスのヘンリー8世は74本、シュトゥットガルトの市庁舎は220本ものフルートを所蔵していました。見かけは円筒管で、6つの指孔が開けられただけの非常にシンプルな構造をしていますが、内径は0.2mm以下の細かい工夫が凝らされています。

コンソートの醍醐味はなんといっても調和の世界です。主旋律と伴奏が明確な18世紀以降の調性音楽と違い、対位法で書かれたルネサンス音楽に主旋律はなく、絶えず変わり続けるお互いの関係性があるだけです。当時の人にとって音楽とは「星々の動きで見ることができる神の国」を地上で再現することでした。一見バラバラな動きが絶妙なバランスで影響しあって、最終的には一つの調和を作り上げます。そんなコンソートの魅力を世界でもまだ珍しいルネサンス・フルートでお楽しみいただけましたら幸いです。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団) 後援:朝日新聞社 協力:日本音響エンジニアリング株式会社


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2017/04/04更新)

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