東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-
ミュージアム・コンサート吉田 秀(コントラバス)&遠藤真理(チェロ)
N響首席奏者として、また多くの室内楽で低音を支える存在としても人間味溢れる活動を続ける吉田 秀。チェリストに、今もっとも輝きのある遠藤真理を迎え、低音楽器の魅力を余すことなく伝えるプログラムが実現しました。
プログラム詳細
2017:04:12:19:00:00
2017.4.12 [水] 19:00開演(18:30開場)
国立科学博物館 日本館講堂
■出演
コントラバス:吉田 秀
チェロ:遠藤真理
■曲目
J-B.バリエール:チェロとコントラバスのためのソナタ
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007

モーツァルト:ファゴットとチェロのためのソナタ 変ロ長調 K.292
(チェロとコントラバス版) [試聴]
B.ターエッツキー:ポエム、ポートレイト、バラード、そしてブルース より

1. Numerology (数占い)
2. Lou Harrison (ルー・ハリソン)
3. Lament (悲歌)
4. Nancy (ナンシー)
5. Mingus (ミンガス)
ロッシーニ:チェロとコントラバスのための二重奏曲 ニ長調

[アンコール]
E.モリコーネ(木村将之編):映画《ニュー・シネマ・パラダイス》より
ピアソラ(木村将之編):リベルタンゴ
【試聴について】

チケットについて
■チケット料金(税込)
席種 | 全席自由 |
---|---|
料金 | ¥3,600 |
■発売日
一般発売:2016年12月8日(木)10:00

J-B.バリエール:チェロとコントラバスのためのソナタ
18世紀フランスの作曲家・チェロ奏者ジャン=バプティスト・バリエールは、チェロという楽器が台頭しつつあった時代に活躍した。この時流に乗り、バリエールはいち早くヴィオール奏者からチェロ奏者へと転向して名を馳せた。全3楽章からなり、第1楽章は優雅なバロック時代のアンダンテ。古風な形式でもこの編成だと斬新に聴こえる。第2楽章アダージョでは、コントラバスの豊かな低音に支えられて、チェロが息の長い旋律を朗々と歌う。第3楽章はプレストで、軽快に駆け抜けて曲を締めくくる。
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番
《無伴奏チェロ組曲》(全6曲)が書かれた年代については、ケーテンの宮廷楽長時代(1717~23)の前期と推定されている。組曲冒頭を飾る第1番は、ト長調というチェロの運指に合った調性が伸びやかな響きを生み出す。第1曲プレリュードは本組曲中もっとも有名な楽章で、間断なく続く16分音符の流れがその背後で進む和声を浮き彫りにする。第2曲は安らぎに満ちたアルマンド、第3曲はイタリア型の急速な3拍子によるクーラント、第4曲は優雅なサラバンド、第5曲には2つのメヌエットが用いられている。そして第6曲の軽快な短いジーグで終曲する。
モーツァルト:ファゴットとチェロのためのソナタ (チェロとコントラバス版)
モーツァルトの作品でピアノを伴わない二重奏は少ない。なかでも1775年頃に書かれたこの曲は低音の管・弦の組み合わせという異色作。旋律と伴奏がはっきり分かれている曲だが、今回のチェロとコントラバス版では、ファゴットの旋律をチェロが担当する。このセッティングはすでにモーツァルトの当時から演奏された記録が残っている。楽器編成は珍しいが、モーツァルトの表情豊かな旋律は微塵も損なわれておらず、むしろ低弦の響きを堪能できる作品となっている。
E.ハルトマン:デュエット
本曲は1980年の作品で、演奏機会は少ないが、コントラバス奏者にとっては貴重なレパートリーになっている。チェロとコントラバスという組み合わせは、旋律と伴奏の両面において、同種の楽器を使うよりも音域が広がり、ダイナミクスも出やすいというメリットがある。特に、低音域における深まりは新鮮な響きをもたらし、そこには意外な現代性すら感じられる。
B.ターエッツキー:ポエム、ポートレイト、バラード、そしてブルース より
現代音楽からジャズに至るまでジャンルを越えて活躍するコントラバス奏者のベルトラム・ターエッツキーが1987年に作曲したコントラバス独奏のための作品(全6曲)。「数占い」はアメリカの民族詩人ジェローム・ローゼンバーグの詩集『ウィーン気質』から採られたテクストを出演者が朗読しながら演奏する。「ルー・ハリソン」とは、アメリカの現代音楽作曲家で、非西欧的なワールドミュージックに高い親近性を示した人物。「悲歌」では、中世スペインの神秘思想家ソロモン・イブン・ガビーロールの詩句が朗読テクストとして用いられている。「ナンシー」は、フルート奏者でもあるターエッツキー夫人ナンシーへの愛に満ちた曲。「ミンガス」は、ハード・バップ全盛期に活躍したジャズの巨匠チャールズ・ミンガスのこと。
ロッシーニ:チェロとコントラバスのための二重奏曲
この曲は、銀行家でアマチュアのチェロ奏者だったデイヴィッド・サロモン卿が伝説的なコントラバスの名手ドミニコ・ドラゴネッティとの共演を熱望し、その願いを受けるかたちで1824年に作曲された。しかしその後は長らく未出版のまま眠っており、再発見されて陽の目をみたのは1969年のことだった。第1楽章は2つの弦の楽しい掛け合いのあと、旋律と伴奏を交互に繰り返していく。第2楽章では、コントラバスのピチカートに乗せてチェロが朗々と歌う旋律に、ロッシーニらしい美しさが際立っている。第3楽章は印象的な主題の後ろで活躍するコントラバスの刻みが聴き所。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。
(2017/04/13更新)