東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-
郷古 廉(ヴァイオリン)&加藤洋之(ピアノ)
~ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会 I
2013年ティボール・ヴァルガ シオン国際ヴァイオリン・コンクールに優勝後、一躍脚光を浴びた期待のヴァイオリニストと、室内楽の名手として数々の音楽家たちから絶大な信頼のピアニストによる、待望のベートーヴェン全曲演奏会。3年間で完結する音楽の旅が始まります。
プログラム詳細
2017:04:13:19:00:00
2017.4.13 [木] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール
■出演
ヴァイオリン:郷古 廉
ピアノ:加藤洋之
■曲目
ベートーヴェン:
ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ長調 op.12-1

ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 op.12-2

ヴァイオリン・ソナタ 第3番 変ホ長調 op.12-3

ヴァイオリン・ソナタ 第5番 へ長調 op.24 《春》

[アンコール]
シューベルト:
ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第3番 ト短調 D408 より 第2楽章
【試聴について】

~春祭ジャーナル~
チケットについて
■チケット料金(税込)
席種 | S席 | A席 | U-25※ |
---|---|---|---|
料金 | ¥4,100 | ¥3,100 | ¥1,500 |
■発売日
一般発売:2016年11月27日(日)10:00
※ U-25チケットは、2017年2月10日(金)12:00発売開始
(公式サイトのみでの取扱い)

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ
ヴァイオリン・ソナタ 第1番
ベートーヴェン最初のヴァイオリン・ソナタ集である作品12(全3曲)は、アントニオ・サリエリに献呈された。その「第1番」は、(最初に書かれたとされる)「第2番」に比べると著しく“ベートーヴェン的”になっている。第1楽章のヴァイオリンとピアノの力強い同音で始まる第1主題からして、いかにもベートーヴェンらしい響きである。第2楽章の変奏曲の構成も巧みで、対位法的手法と相まって完成度が格段にあがっている。ヴァイオリンの扱いにまだ慣れない面も見られるが、同時期に作曲された「ピアノ・ソナタ第8番《悲愴》」などと比べても、なんら遜色ない出来栄えと言えよう。
ヴァイオリン・ソナタ 第2番
作品12の3曲の中で最初に作曲されたのは、おそらくこの「第2番」だと推測されている。当時師事していたハイドンからの影響や習作的な要素を多分に含み、主題の構成もよく言えば若々しいが、他の2作に比べて若干迫力に欠ける感は否めない。だが、ベートーヴェンのメロディ・メーカーとしての片鱗はすでに現れており、とりわけ第1楽章・第1主題の生気溢れる響きは魅力的である。
ヴァイオリン・ソナタ 第3番
「第3番」になると、楽曲構成が一段と大きくなる。主題の対比が見事で表現の幅も広がり、ベートーヴェンの作曲技法の長足の進歩を感じさせる。変ホ長調という調性は《皇帝》や《英雄》と同じだが、ヴァイオリンにとって決してやさしい調性ではない。しかしそれだけに、柔らかな含みのある響きが生まれ、豊かな感情表現を獲得している。人間には誰しも“飛躍の時期”というものがあるが、彼にとって1797年から99年にかけての数年がその時期だったのだろう。1800年にはいよいよ「交響曲第1番」が作曲される。そして耳の病気を自覚し始めたのもこの頃である。色々な意味で本曲は、作曲家としてのベートーヴェンにとって一つの転換点となった作品なのである。
ヴァイオリン・ソナタ 第5番《春》
「第5番」は、《春》という通称の由来ともなった第1楽章の初々しいテーマをはじめとして、軽やかで美しいメロディが全編に散りばめられ、ベートーヴェンのメロディ・メーカーとしての才能が遺憾なく発揮されている。「ヴァイオリン・ソナタ 第4番」と同時期に作曲が進められたが、楽章構成が3楽章制から4楽章制へと拡張され、洗練された展開部の書法とも相まって、見事な統一感を呈している。《春》という副題は、他者によって付けられたものだが、この曲を聴く者なら誰しも感じるであろう、新緑の鮮やかさや頬を撫でる春風の心地良さを表現したネーミングと言えよう。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。
(2017/04/14更新)