PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-

ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽
~ピアノ三重奏の夕べ――ラフマニノフ、ブラームス、シューマン

ベルリン・フィルの弦楽器セクションの舵を執るコンサートマスター、ブーシャッツ、首席チェリストで時代をリードするメディア仕掛人としても名高いマニンガー、BPOメンバーからの信頼が厚いベン=アリが揃う、ハルサイだけの特別な夜。

プログラム詳細

2017:03:16:19:00:00

■日時・会場
2017.3.16 [木] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
ヴァイオリン:アンドレアス・ブーシャッツ
チェロ:オラフ・マニンガー
ピアノ:オハッド・ベン=アリ

■曲目
ラフマニノフ:ピアノ三重奏曲 第1番 ト短調 《悲しみの三重奏曲》 [試聴]
ブラームス:ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 op.8(改訂版) [試聴]
シューマン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 op.63 [試聴]

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 S席 A席 U-25
料金 ¥6,700 ¥5,200 ¥1,500

 ■発売日
  一般発売:2016年11月27日(日)10:00

  ※ U-25チケットは、2017年2月10日(金)12:00発売開始
   (公式サイトのみでの取扱い)


■曲目解説

ラフマニノフ:ピアノ三重奏曲 第1番 《悲しみの三重奏曲》

本作は、ラフマニノフがモスクワ音楽院在学中(当時19歳)に作曲したもので、単一楽章構成であることが大きな特徴。ラフマニノフには《悲しみの三重奏曲》というピアノ三重奏曲が2曲あるが、存命中から知られていたのは、この第1番の2年後、敬愛するチャイコフスキーの訃報に接して書かれた第2番のほうだった。第1番はラフマニノフの死後、1947年になってから出版されたもので、作品番号もついてない。この作品は、チャイコフスキーが盟友ニコライ・ルビンシテインの死を悼んで作曲したピアノ三重奏曲《偉大な芸術家の思い出に》の第1楽章の構成を範とした習作的意味合いを持っている。冒頭のエレジー主題が曲の最後で葬送行進曲となって回帰するのもまったく同じである。しかし、哀愁に満ちた旋律が音楽の経過とともに多彩な色合いを持って移ろう様や技巧的なピアノ・パートなど、一聴しただけでそれとわかるラフマニノフらしさにあふれた作品である。

ブラームス:ピアノ三重奏曲 第1番

本作はブラームス最初の室内楽作品で、彼が21歳の1854年に作曲された。この前年、ブラームスはシューマンのもとを初めて訪れて自作のピアノ・ソナタ第1番を披露し、音楽的才能を絶賛されている。ともすれば自己批判に傾きがちなブラームスが、敬愛するシューマンの薫陶を得たことを考えれば、このピアノ三重奏曲の背景にシューマンのピアノ三重奏曲があったことは想像に難くない(次に書かれたop.9「シューマンの主題による変奏曲」もシューマンへのオマージュである)。ブラームスの室内楽は、充実した内声部の厚い響きを特徴としており、この作品にもそれがよく表れている。音が大きく複数の声部を演奏できるピアノと、単旋律楽器である弦楽器を対峙させるために、ブラームスはチェロに主要声部をあてることが多く、それぞれが独立した声部を受け持つ際には、しばしばヴァイオリンとチェロの音程差を狭くとって、弦セクションの一体感を表現する。内省的で美しい旋律に大きな広がりが備わっているのは、こうした楽器間の特性を充分に考慮した結果といえる。ブラームスは自作を改訂すると改定前の楽譜を破棄するのが常であったが、この作品には初版譜も残っている(演奏機会が圧倒的に多いのは改訂版である)。

シューマン:ピアノ三重奏曲 第1番

ブラームスの作品とともにドイツ・ロマン派のピアノ三重奏曲の代表作といえるシューマンのピアノ三重奏曲第1番は、1847年6月、妻のクララの誕生を祝って作曲された。極度の心的疲労による精神疾患で倒れたことをきっかけに、ライプツィヒを離れてドレスデンで活動していた時期である。ライプツィヒ時代のシューマンにはひとつのジャンルを集中的に作曲する傾向があり、例えば1842年にはピアノ五重奏曲やピアノ四重奏、3つの弦楽四重奏曲といった室内楽を作曲している。ドレスデンに移ってからのシューマンは、精神障害に苦しみながらも、室内楽の分野で、それまでは独奏楽器になりづらかった楽器の音色や技法を生かした作品をいくつも作曲するなど、その可能性を大きく広げ、技法的にも内容的にも深いロマン的叙情性と精神性を作品に付与する円熟期にあった。幻想的な音楽の揺らぎと生き生きした躍動感にあふれた本作は、シューマンの室内楽における音楽語法の集大成ともいえる作品である。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:ドイツ連邦共和国大使館


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2017/03/15更新)

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