PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

ミュージアム・コンサート「グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家記念コンサート vol.2
~江崎浩司(リコーダー)

日本におけるリコーダーの第一人者として、テレビ出演や指揮活動も展開している江崎浩司を中心に編成されたアンサンブル。グエルチーノの絵画から聴こえてくるバロック期の音世界へと誘います。

プログラム詳細

2015:04:09:19:00:00

■日時・会場
2015.4.9 [木] 11:00開演(10:30開場)/14:00開演(13:30開場)[各回約60分]
国立西洋美術館 講堂

■出演
リコーダー、バロック・オーボエ: 江崎浩司
バロック・ヴァイオリン:宮崎容子
バロック・ファゴット:永谷陽子
お話:渡辺晋輔(国立西洋美術館主任研究員)

■曲目
ヴェッキ:《慰めの森》より 第11番 トリウェッラのサルタネッロ
ジェズアルド:ヴェノーザ皇太子のガイヤルダ
チーマ:ソナタ イ短調
フレスコバルディ:
 カンツォン 第2番(《カンツォーナ 第1集》 より)
 トリオ ト短調
ファルコニエーリ:
 3声のためのフォリア ニ短調
 サタンの娘婿バラバーソの戦い(《カンツォーナ 第1集》 より)
ロッシ:パッサカーユ
カリッシミ:リコーダー・ソナタ ニ短調 より
カステッロ:ソナタ 第9番 ハ長調
メールラ:チャッコーナ speaker.gif[試聴]

[アンコール]
ファルコニエーリ:乱闘と言い争い

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。



~「グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家」~  

出演者

リコーダー、バロック・オーボエ:江崎浩司 Recorder, Baroque Oboe:Koji Ezaki 1995年桐朋学園大学古楽器科を卒業。1996年第10回古楽コンクール第2位受賞。2000年ブリュージュ国際コンクール・アンサンブル部門第2位及び聴衆賞。
音楽家として様々な可能性を追究し、落語家との共演をはじめ、編曲、脚本執筆などにも力を注いでおり、そのステージは“江崎ワールド”と親しみを込めて呼ばれている。▼続きを見る2012年11月には作曲・編曲・脚本を手掛けたオペラ《野球カンタービレ》を自らの指揮で上演。 2007年3月、東京オペラシティ「B→C」出演。NHK教育テレビ『音楽のチカラ』、NHKテレビ『名曲アルバム~V.エイク』、NHK-BS2「あなたの街で夢コンサート」などにも出演、オーケストラとも共演するなど注目を集めている。
『いとしい人よ』『J.S.バッハ ソナタ』『愛のうぐいす』『空飛ぶ笛Ⅰ&Ⅱ』など録音多数。2012年にリリースした2枚のCD、『海の嵐~リコーダー協奏曲集~』はレコード芸術の特選盤に、『ヘンデル:リコーダーソナタ』は朝日新聞の特選盤に選ばれた。また、映画『花よりもなほ』『ガマの油』の映画音楽、CMやアニメ作品、ゲーム音楽にも参加し、活動の幅を広げている。2010年シルク・ドゥ・ソレイユの演奏メンバーに合格。ソロ活動の傍ら、「ラ・フォンテーヌ」「タブラトゥーラ」「アンサンブルBWV2001」など多くの古楽アンサンブルに参加している。

© K.Miura
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リコーダー、バロック・オーボエ:江崎浩司 Recorder, Baroque Oboe:Koji Ezaki

バロック・ヴァイオリン:宮崎容子 Baroque Violin:Miyazaki Youko これまでにモダンバイオリンを板橋健、瀬戸陽子、景山誠治、バロック・ヴァイオリンを渡辺慶子、レイチェル・ポジャー、サイモン・スタンデイジの各氏に師事。東京音楽大学器楽科を卒業後、2004年に渡英。ギルドホール音楽院ディプロマ終了。2005年理事長推薦により特待生として引き続きギルドホール音楽院にて研鑽を積む。▼続きを見る在学中にハンブルグで2回のリサイタルを開催、絶賛を受ける。W・クリスティー指揮のオペラツアーに参加。2006年毎年夏に行われている夏の音楽祭、PROMSにて演奏。渡英中、バロックトリオ・オウレリア、ロンドンフェスティバルオーケストラ、オーケストラ・エイジ・オブ・エンライトメント、その他ソロ、アンサンブルでイギリスを中心にヨーロッパ各地で演奏活動を展開後、帰国。現在はソロおよびアンサンブル奏者として活動を広げる一方、後進の指導にあたっている。
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バロック・ヴァイオリン:宮崎容子 Baroque Violin:Miyazaki Youko

バロック・ファゴット:永谷陽子 Baroque Bassoon(Fagotto):Yoko Eitani 桐朋学園大学卒業。同大学研究科修了。桐朋オーケストラアカデミー修了。ファゴットを浅野高瑛、武井俊樹、馬場自由郎各氏に、バロックファゴットを堂阪清高氏に師事。八王子音楽院講師、日本大学芸術学部演奏補助員を勤める。モダン、クラシカル、バロックファゴット奏者としてオーケストラ、室内楽等で活躍。 09 年,CD『ヴィヴァルディ:協奏曲《恋人》江崎浩司』(マイスターミュージック)に参加。

バロック・ファゴット:永谷陽子 Baroque Bassoon(Fagotto):Yoko Eitani

■曲目解説

16世紀から17世紀のイタリア器楽曲について
江崎浩司 (リコーダー)

サルタレッロなど伝統舞曲が中心であった後期ルネサンスまでとは異なり、初期バロックへ入る頃には舞曲は音楽的に発展し、ヴェネツィア楽派を核としてカンツォンやソナタ、コンチェルトなど新しい様式も出現した。そんな頃、画家グエルチーノは1591 年、小都市チェントで生まれる。チェントの近くモデナの出身で、ヴェネツィア楽派の影響を受けた O.ヴェッキの1590年の器楽曲から本日のコンサートは始まる。 同年には、作曲家 C.ジェズアルドが不貞の妻とその愛人を殺すという事件が起こり、その噂はイタリア中に広まった。画家グエルチーノの幼少時代、近くのフェラーラやモデナで彼は活動している。作品名のヴ ェノーザは彼の生地と言われ、ガイヤルダは速い舞曲である。彼は再婚するものの、新妻に虐待を告発され、息子も早世し、晩年はうつ病にかかる。その影響か、強烈な不協和音や半音階技法の先駆者として 名高い。G.P.チーマはミラノで活躍したこと以外はよくわかっていないが、1610年の教会音楽集に含まれ るソナタは新しい時代を感じさせる。


フェラーラ生まれでイタリア内外に影響を及ぼし、J.S.バッハもその作品を研究していた G.フレスコバル ディは重要な作曲家。1621〜23 年、画家グエルチーノと彼はローマで活動している。ナポリ生まれのリュ ート奏者 A.ファルコニエーリは1620年モデナの宮廷に仕えたものの、その後スペインやフランスを旅し、 ナポリに戻る。「サタンの娘婿バラバーソの戦い」とフォリアを含む1650年のカンツォーナ第1集は魅力ある作品集だ。フォリアはイベリア半島起源の舞曲で、とても速い踊りが「狂ったような」という意のフォリア Folia と呼ばれ、16 世紀中頃イタリアに広まる。本作品は作者の意欲を感じる独特な作風である。


パッサカーユ passacaille(仏語。伊語はパッサカリア passacaglia)も舞曲で、短調が多い。作者 L.ロッ シは自作でイタリアオペラを初めてフランスで上演させ、その影響を受けた G.カリッシミは古くから伝わる ローマ楽派を大成させた。D.カステッロの生涯はよくわからないが、ヴェネツィア楽派の器楽奏者でソナタ の発展に大きく貢献し、T.メールラはその後のカンタータ、アリアなどの様式を確立した作曲家。最後に 演奏するチャッコーナは南米起源と言われる舞曲でイベリア半島から広まった。一定のバス音型が繰り返され(オスティナートバス)その上で旋律が変奏し、長調が多い。


伝統の舞曲を発展させ、新しい音楽様式が華開く時代。それが画家グエルチーノの生きた時代なのだ。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立西洋美術館 協力:日東紡音響エンジニアリング株式会社 後援:TBS ※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

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