PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

ミュージアム・コンサート「大英博物館展―100のモノが語る世界の歴史
プレ・コンサート vol.2 ~大木麻理(ポジティフ・オルガン)

時代と地域を越えて、驚きに満ちた200万年の世界旅行-
「100のモノが語る世界の歴史」プレ・コンサートvol.2は、「宗教改革(16世紀)の100周年パンフレット」をキーワードにして、16・17世紀の音楽をお届けします。

プログラム詳細

2015:04:11:14:00:00

ⓒ堀田力丸  
■日時・会場
2015.4.11 [土] 14:00開演(13:30開場)[約60分]
東京都美術館 講堂

■出演
ポジティフ・オルガン:大木麻理
バリトン:新見準平

■曲目
J.パッヘルベル:
 死に勝ちませるわが救い主、イエス・キリスト
J.ワルター:
 来たれ異邦人の救い主よ(《ヴュルテンベルク讃美歌集 》1524 より)
J.S.バッハ:
 おお、穢れなき神の子羊
 まことの過越の子羊あり
 (カンタータ 第4番 《キリストは死の縄目につながれたり》BWV4より)
 いざ喜べ、愛するキリストの仲間たちよ BWV734
 いと高き所には神に栄光あれ BWV711
 《マタイ受難曲》BWV244 より
  レチタティーヴォ
  アリア「我が心よ、おのれを清めよ」
 天にいます我らの父よ BWV737
D.ブクステフーデ:
 「天にまします我らの父よ」より 第 1、第 2、第 4 ヴァリエーション
 トッカータ ト短調
J.S.バッハ:
 グラティアス (ミサ曲 ト長調《ルター派ミサ》BWV236 より)


~「大英博物館展―100のモノが語る世界の歴史」プレ・コンサート  

出演者

ポジティフ・オルガン:大木麻理 Positive Organ:Mari Ohki 東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。第34回日本オルガニスト協会新人演奏会、芸大モーニングコンサートに出演。大学院アカンサス音楽賞受賞。オルガンを菊池みち子、廣野嗣雄、椎名雄一郎、チェンバロを大塚直哉、鈴木雅明の各氏に師事。DAAD、ポセール財団の奨学金を得てドイツ・リューベック国立音楽大学、デトモルト音楽大学に留学し、▼続きを見るアルヴィート・ガスト、ミヒャエル・ラドレスク、マルティン・ザンダーの各氏に師事、満場一致の最優等で国家演奏家資格を得て卒業。第13回「静岡の名手たち」受賞、マインツ国際オルガンコンクール第2位、第3回ブクステフーデ国際オルガンコンクール優勝、第65回「プラハの春」国際音楽コンクールオルガン部門第3位、併せてチェコ音楽財団特別賞受賞。欧米各地の音楽祭へ招待され演奏活動が続く一方で、2014年秋に完全帰国をし、今後は日本での更なる活躍が期待されている。東京藝術大学教育研究助手、日本オルガニスト協会、日本オルガン研究会会員。
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ポジティフ・オルガン:大木麻理 Positive Organ:Mari Ohki

バリトン:新見準平 Baritone:Jumpei Niimi 福岡県出身。東京藝術大学、同大学院修士課程修了。同大学教育研究助手を経て、ウィーンに学ぶ。2009年の東京労音「第九」公演でデビュー。以降、ソリストとして国内外で演奏活動を展開している。ソレイユ、飯塚新人、市川市新人、松方ホール音楽賞、Z’darnad Sazavou(チェコ)Ljuba Welitsch(オーストリア)などの国内外のコンクールにて上位入賞。▼続きを見るオラトリオ歌手としてシュッツからオルフまでのレパートリーを持ち、また《魔笛》《フィガロの結婚》《ホフマン物語》《トスカ》などのオペラ出演も多い。近年はドイツリートなど、歌曲のプログラムによる。リサイタルにも力を注いでいる。福岡県在住。
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バリトン:新見準平 Baritone:Jumpei Niimi

■曲目解説

J.パッヘルベル:死に勝ちませるわが救い主、イエス・キリスト

パッヘルベルは、ドイツ各地の教会でオルガニストとして活躍するかたわら、オルガン曲を中心に数々 の作品を残した。バッハ一族とも交流があり、ブクステフーデやラインケンといった北ドイツの巨匠たちと並 んで、特にコラール編曲の分野で J.S.バッハに影響を与えた。


J.ワルター:来たれ異邦人の救い主よ

ヨハン・ワルターは宗教改革時代のルター派の詩人・作曲家。「来たれ、異邦人の救い主よ」は、《ヴィッ テンベルク讃美歌集》(1524)に含まれている。ヴィッテンベルクは 1517 年にルターが「95 ヵ条の論題」を 掲げて宗教改革の口火を切った都市である。


J.S.バッハの作品

「おお、穢れなき神の子羊」は、聖ニコラス教会の牧師デーツィウスがグレゴリオ聖歌のアニュス・デイ(神の子羊)をもとに独訳して書いたもの。バッハは様々な形でこのコラールを用いて、いくつもの作品を 作曲した。


復活祭用のカンタータ第 4 番は 1707 年、22 歳のバッハがミュールハウゼンの教会オルガニストの採用 試験の際に作曲したという説もある。全 8 曲からなり、第 1 曲のシンフォニアを除いて残り 7 曲はルター作 のコラール(讃美歌)を用いたコラール変奏曲となっている。その第 6 曲「まことの過越の子羊あり」は、バ スと弦楽合奏・通奏低音のためのコラール編曲である。


「いざ喜べ、愛するキリストの仲間たちよ」の作曲年代は不明。きらびやかな高音が 16 分音符で目まぐ るしく駆け巡るなか、中音でコラール旋律が奏でられる。


「いと高き所には神に栄光あれ」の原曲のコラールは、古いグロリアの旋律にもとづいており、バッハは 同じコラールを他の作品にも様々な形で用いている。本作では活動的な伴奏に乗せて、コラール旋律が シンプルに奏される。


円熟期バッハの宗教作品を代表する《マタイ受難曲》は 1727 年に初演されたと考えられている。イエス の磔刑により天地が鳴動した後、清澄な空気に包まれる場面で歌われるバスのアリア「我が心よ、おのれ を清めよ」は、死せるイエスを迎え入れる歌で、心に染み入るような優しい旋律である。


「天にいます我らの父よ」の作曲時期は不明だが、ワイマール時代かそれ以前とされている。落ち着い た曲調のなかにも、どこかイタリア的な明るさを感じさせるコラール作品である。


D.ブクステフーデの作品

北ドイツの都市リューベックに君臨したオルガンの巨匠ブクステフーデの腕前を見に、20 歳のバッハが はるばる出かけていったエピソードは有名である。本日は、ブクステフーデの「天にまします我らの父よ」 から、第 1、第 2、第 4 のヴァリエーションが演奏される。


ブクステフーデによって完成されたとも言える北ドイツ・オルガン楽派のバロック・トッカータは、オルガ ンの音響上の特性がフルに生かされている。「トッカータ ト短調」では、その華麗な北ドイツ風のトッカー タを聴くことができる。


J.S.バッハ:グラティアス

《ミサ曲 ト長調》は、ライプツィヒ時代初期の教会カンタータからいくつかを転用して書かれた作品。バ ス独唱と弦合奏による第 3 曲「グラティアス」は、カンタータ第 138 番《何故に悲しむや、わが心よ》の第 5 曲を原曲とする、主に感謝を捧げる晴れやかな歌である。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
後援:朝日新聞社 協力:日東紡音響エンジニアリング株式会社

※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

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