PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

ベートーヴェン 七重奏曲
~若き名手たちによる室内楽の極(きわみ)

音楽界の7人の侍が今年極めるのは、楽聖ベートーヴェン!
次代を担う7つの才能が集い、感性をぶつけ合い、調和へと導く。

プログラム詳細

2015:03:22:15:00:00

■日時・会場
2015.3.22 [日] 15:00開演(14:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
ヴァイオリン:長原幸太
ヴィオラ:鈴木康浩
チェロ:上森祥平
コントラバス:渡邉玲雄
クラリネット:吉田 誠
ファゴット:長 哲也
ホルン:福川伸陽

■曲目
ベートーヴェン:弦楽三重奏曲 第1番 変ホ長調 op.3 speaker.gif[試聴]
R.シュトラウス(ハーゼンエール編)
 《もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル》
ベートーヴェン:七重奏曲 変ホ長調 op.20 speaker.gif[試聴]

[アンコール]
ベートーヴェン:トルコ行進曲
ベートーヴェン:七重奏曲 変ホ長調 op.20 より 第6楽章

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。

 

出演者

ヴァイオリン:長原幸太 Violin:Kota Nagahara 1981年、広島県呉市に生まれる。東京藝術大学附属音楽高等学校を卒業後、同大学に進学。その間、全額スカラシップを受け、ジュリアード音楽院に留学。92/93年と連続して全日本学生音楽コンクール全国第1位。94年ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール17歳以下の部第3位。98年、日本音楽コンクール最年少優勝。 ▼続きを見る 五嶋みどりレクチャーコンサートで奨励賞を受賞し、ニューヨークに招待され、同氏のレッスンを受ける。また、若い人のための「サイトウ・キネン室内楽勉強会」で小澤征爾指揮のもとコンサートマスターやソリストを務め、サイトウ・キネン・オーケストラにも最年少で参加。12歳で東京交響楽団と共演したのを皮切りに、日本各地の主要オーケストラや、小澤征爾、岩城宏之、秋山和慶、ゲルハルト・ボッセといった名指揮者と共演。ソリスト以外にも室内楽奏者、オーケストラのゲストコンサートマスターとしても活躍。さらに、別府アルゲリッチ音楽祭、宮崎国際音楽祭、木津川やまなみ国際音楽祭等、各地の音楽祭にも出演。演奏を通じてのボランティア活動にも力を入れている。広島市長賞「広島フェニックス賞」、広島県教育長賞「メイプル賞」受賞、広島国際文化財団「ヒロシマ・スカラシップ」、広島ホームテレビ文化・スポーツ賞(最年少受賞)、東京藝術大学・福島賞等、受賞多数。これまでに村上直子、小栗まち絵、工藤千博、澤 和樹、ロバート・マンの各氏に師事。2004年9月、大阪フィルハーモニー交響楽団首席客演コンサートマスターに就任、06年4月~12年3月まで首席コンサートマスターを務め、14年10月より読売日本交響楽団コンサートマスターに就任。

©飯島隆
▲プロフィールを閉じる

ヴァイオリン:長原幸太  Violin:Kota Nagahara

ヴィオラ:鈴木康浩  Viola:Yasuhiro Suzuki 新潟県生まれ。5歳よりヴァイオリンを始める。辰巳明子氏に師事。桐朋女子高等学校音楽科(共学)を経て、桐朋学園大学卒業。読売新聞社新人演奏会出演。第47回全日本学生音楽コンクール東京大会高校の部第1位。卒業後ヴィオラに転向、岡田伸夫氏に師事。第9回日本クラシック音楽コンクール全国大会ヴィオラ部門最高位。第2回淡路市立しづかホールヴィオラコンクール第2位。 ▼続きを見る 第12回宝塚ベガ音楽コンクール弦楽器部門第1位。2001年よりドイツのヘルベルト・フォン・カラヤン・アカデミーで研鑽を積み、その後ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の契約団員となる。2003年にはクラズィッシェ・フィルハーモニー・ボンのソリストとして、ドイツ各地で演奏し好評を博す。2004年秋に帰国し、日本で活動を始める。ソロ活動として、東京オペラシティでの「B→C(ビートゥーシー)」に出演、リサイタル、読売日本交響楽団とコンチェルトのソリストとして共演、ヴィオラスペースに出演。室内楽ではレガーメ弦楽四重奏団のメンバーとしてカルテットの活動、王子ホールでの「MAROワールド」やランチタイムに行われる名曲シリーズ、JTアートホールではJTアートホール室内楽シリーズに度々出演。その他にもサイトウ・キネン・フェスティバル松本、宮崎国際音楽祭等、多方面で活動中。フェリス女学院大学の非常勤講師として後進の指導にも当たる。現在、読売日本交響楽団ソロ首席ヴィオラ奏者。

©読売日本交響楽団
▲プロフィールを閉じる

ヴィオラ:鈴木康浩  Viola:Yasuhiro Suzuki

チェロ:上森祥平 Cello:Shohei Uwamori 東京藝術大学在学中に日本音楽コンクール第1位、及び「松下賞」受賞。「安宅賞」受賞。各地で開催されたデビューリサイタルでは、その高い表現力や表情豊かな包容力が誌上で高く評価された。1999年の宮崎国際室内楽音楽祭でアイザック・スターン、エマニュエル・アックス、ジュリアード・クァルテット等に師事。スターン自身の招きによって2000年に再び同音楽祭に出演。 ▼続きを見る この模様はNHK総合、BS他で繰り返し放送された。東京藝術大学でヨーヨー・マのマスタークラスを受講。2001年にベルリン芸術大学留学。2004年、J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲連続演奏会に出演し成功を収め、誌上では「無駄な音は一つもない。その響きは無類」と絶賛される。パブロ・カザルス国際チェロコンクール、エマニュエル・フォイアマン・グランプリ、セミファイナリスト。ベルリン・フィル定期演奏会にオーケストラの一員として出演の他、欧州各地で演奏活動の後、2005年ドイツ国家演奏家資格を取得し、ベルリン芸術大学を卒業。帰国後はソロ、室内楽、主要オーケストラの客演首席等で活躍する他、東京藝術大学において後進の育成に力を注ぐ。ドイツ三大Bチェロ作品全曲リサイタルシリーズでは、ベートーヴェン(2005年)、ブラームス(2006年)のソナタ、及びバッハ無伴奏チェロ組曲(2008年)を一夜で演奏し、成功を収めた。2008年「熱狂の日」音楽祭、東京のオペラの森、NHK-FM名曲リサイタル等に出演。また全国でバッハ無伴奏チェロ組曲全曲リサイタル(+6つの小品)を開催、大成功を収めた。この年よりバッハ無伴奏チェロ組曲全曲リサイタルをシリーズ化し、毎年開催する。小林研一郎、下野竜也らの指揮のもと、東京交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、神戸市室内合奏団、藝大フィルハーモニア等と共演。アナ・チュマチェンコ、安永徹、玉井菜採、篠崎史紀、清水和音らと室内楽を共演。上村昇、河野文昭、藤森亮一、林裕らとチェロアンサンブルを結成。ヴォルフガング・ベッチャー、河野文昭、山崎伸子の各氏に師事。東京藝術大学非常勤講師。京都市芸術文化特別奨励者。

公式サイト http://www.uwamori.jp/

▲プロフィールを閉じる

チェロ:上森祥平 Cello:Shohei Uwamori

コントラバス:渡邉玲雄 Contrabass:Reo Watanabe 新潟県小千谷市出身。東京藝術大学卒業及び同大学院修了。
ドイツ・ヴュルツブルグ音楽大学大学院修了。修士リサイタルで審査員の満場一致を得て、コントラバスマイスターの資格を得る。
▼続きを見る バイエルン州立歌劇場オーケストラアカデミーを経て、2004年より新日本フィルハーモニー交響楽団の首席奏者となる。
今までに、PMF、サイトウキネン、赤穂、姫路、宮崎、ラフォルジュルネ東京など様々な国際音楽祭に出演。NHK-FM名曲リサイタルやBSプレミアム『クラシック倶楽部』などをはじめ様々なメディアに出演。
愛知県立芸術大学非常勤講師。

▲プロフィールを閉じる

コントラバス:渡邉玲雄 Contrabass:Reo Watanabe

クラリネット:吉田 誠 Clarinet:Makoto Yoshida 1987年、兵庫県生まれ。5歳よりピアノを、15歳からクラリネットを始める。2006年、東京藝術大学入学後、渡仏。08年、リュエル・マルメゾン音楽院を審査員満場一致の最優秀賞ならびにヴィルトゥオーゾ賞を得て卒業。パリ国立高等音楽院に首席入学。ジュネーブ音楽院でも研鑽を積む。
04年、第9回KOBE国際学生音楽コンクール最優秀賞、兵庫県教育委員会賞受賞。 ▼続きを見る 05年、国際クラリネット協会主催ハイスクールコンペティション第3位。第9回松方ホール音楽賞大賞。06年、トリノ国際音楽コンクールファイナリスト。07年、第5回東京音楽コンクール木管部門第1位及び聴衆賞を受賞。10年、日本管打楽器コンクール第2位。
日本各地でリサイタルを行うほか、ヨーロッパでも積極的に活動。これまでにソリストとして国内主要オーケストラとも多数共演。ロームミュージックファンデーション音楽セミナーにて小澤征爾、湯浅勇治の各氏の元で指揮も学んでいる。

公式サイト http://makoto-yoshida.com/

©Akira Muto
▲プロフィールを閉じる

クラリネット:吉田 誠 Clarinet:Makoto Yoshida

ファゴット:長 哲也 Bassoon:Cho Tetsuya 福岡県北九州市出身。11歳よりファゴットを始める。東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。卒業と同時に東京都交響楽団首席ファゴット奏者に就任。第30回日本管打楽器コンクールファゴット部門第2位。同声会賞受賞。ソリストとして芸大フィルハーモニアと共演。木曽音楽祭、北九州国際音楽祭、JTが育てるアンサンブルシリーズなどに出演。 ▼続きを見る ファゴットを、永江恵子、石川晃、水谷上総の各氏に師事。また、ダーク・イェンセン、ジルベール・オダン、マルク・トゥレネル等のマスタークラスにて研鑽を積む。

©堀田力丸
▲プロフィールを閉じる

ファゴット:長 哲也  Bassoon:Cho Tetsuya

ホルン:福川伸陽 Horn:Nobuaki Fukukawa 「福川伸陽のホルンの響きが聴こえてくると、世界が一瞬にして変化するような気がする。ここではない世界のどこからか、不意に風が吹きわたってくるかのように。」(毎日新聞)
「技のデパート」(音楽の友)
「日本のホルン演奏の歴史を変えたといっても過言ではない」(日本ホルン協会)
▼続きを見る 2008年、第77回日本音楽コンクール ホルン部門第1位受賞。
ソリストとして、バッハ、モーツァルト、シューマン、リヒャルト・シュトラウス、ブリテン、シャブリエ、サン・サーンス、オリヴァー・ナッセン、ルース・ギップス(日本初演者)などのホルン協奏曲を小林研一郎、下野竜也、沼尻竜典、手塚幸紀、梅田俊明、藤岡幸夫らの指揮者と、日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、N響メンバーによる室内オーケストラ他と共演した。
また東京オペラシティ主催のリサイタルシリーズ「B→C バッハからコンテンポラリーへ」などのホルンリサイタルや「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」をはじめとする室内楽コンサートにも多数出演し、サントリーホール、東京文化会館、東京オペラシティ、東京国際フォーラム、津田ホール、札幌コンサートホールKitara、大阪NHKホールなど、全国各地で演奏している。リサイタルや室内楽、協奏曲の演奏は、NHK、テレビ朝日、フジテレビ、NHK-BSやNHK-FMをはじめ、ドイツ、イタリアなどでも放送されている。
「ホルンのレパートリーの拡大」をライフワークとして、作曲家への委嘱活動や、珍しい室内楽の紹介を積極的に行っている。そのため、日本初演や世界初演も数多く、吉松隆作曲「Spiral Bird Suite」、藤倉大作曲「PoyoPoyo」、田中カレン作曲「魔法にかけられた森」、川島素晴作曲「Rhapsody in Horn」、鈴木優人作曲「世界ノ雛型」は福川伸陽の為に書かれた。
オーケストラ奏者としては、20歳で日本フィルハーモニー交響楽団に入団し、首席奏者として重責を担う。小澤征爾、ヴァレリー・ゲルギエフ、ヘルベルト・ブロムシュテットなどの世界的指揮者との共演も数多い。2013年よりNHK交響楽団団員。
ホルンを丸山勉、故田中正大、ブルーノ・シュナイダーの各氏に師事。2006年、財団法人アフィニス文化財団の海外研修員として、一年間イギリスへ留学。デヴィッド・パイアット(ロンドン交響楽団首席奏者)、ジョナサン・リプトン(ロンドン交響楽団)の両氏のもとで研鑽を積み、ロンドン交響楽団にも客演した。
洗足学園音楽大学、国立音楽大学、昭和音楽大学の非常勤講師として、後進の指導にもあたっている。D「Rhapsody in Horn」リリース。2013年4月にリリースした「ラプソディ・イン・ホルン 弐」は「レコード芸術」(音楽之友社)で特選盤に選ばれた。

公式サイト http://www.nobuaki-fukukawa.com/

▲プロフィールを閉じる

ホルン:福川伸陽 Horn:Nobuaki Fukukawa

■曲目解説

ベートーヴェン:弦楽三重奏曲 第 1 番

1792 年、ベートーヴェンは故郷ボンを後にして、音楽の都ウィーンに出てくる。そしてハイドンの指導を受けていた時期に書かれたのが、ベートーヴェン最初期の本作で、出版は 1796 年となっている。楽器編成や調性など、モーツ ァルトのディヴェルティメント K.563 がモデルと考えられるが、規模といい内容の緻密さといい、ベートーヴェンらしい 厚みがある。緩急の明確なコントラストが美しい第 1 楽章、親しみのある優しさが感じられる第 2 楽章アンダンテ、奥ゆかしい気品を湛えた第 3 楽章メヌエット、美しい旋律が胸に迫る第 4 楽章アダージョ、慎ましい楽しさを表現したような第 5 楽章メヌエット、そして爽快に駆け抜けていく第 6 楽章でフィナーレを迎える。古典的な明朗さと溌剌とした気分 のなかに、希望にあふれるベートーヴェンの姿が垣間見えるような作品である。

R.シュトラウス(ハーゼンエール編):《もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル》

1894~95 年に書かれた R.シュトラウスの交響詩《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》は、14 世紀ドイ ツに実在したティル・オイレンシュピーゲルの民話をもとにした作品。ハーゼンエールはこの管弦楽曲を 5 種(ヴァイオ リン、コントラバス、クラリネット、ファゴット、ホルン)の楽器編成に仕立て直し、1957 年に出版した。編成・演奏時間と もに短縮されているが、原曲の魅力が詰まった楽曲となっている。

ベートーヴェン:七重奏曲

ウィーンに出てきた頃のベートーヴェンは、作曲家として成功するためにも、ウィーンの聴衆の耳にかなう音楽を書 く必要があった。1800 年に完成されたこの七重奏曲は、そうしたウィーン趣味の集大成とも言える名作である。木管 3(クラリネット、ファゴット、ホルン)と弦 4(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)という珍しい編成を採用し、ベート ーヴェンにしては軽やかで明るい音楽だが、各楽器の特性を巧みにとらえており、単なる娯楽作品とは一線を画して いる。初演は 1800 年 4 月、ウィーンのブルク劇場で「交響曲第 1 番」とともに行なわれ、大きな成功を収めた。ちなみに第 3 楽章テンポ・ディ・メヌエットには、ピアノ・ソナタ第 20 番の第 2 楽章「メヌエット」の主題が用いられているので、 耳馴染みのある方も多いだろう。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会

※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

ページの先頭へ戻る