PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2014-

《午前11時》の音楽会 vol.4 ピアノの歴史探訪~小倉貴久子
~ワルター、プレイエル、スタインウェイ

プログラム詳細

© 堀田力丸
■日時・会場
2014.3.25 [火] 11:00開演(10:30開場)※ この公演は終了いたしました。
東京文化会館 小ホール

■出演
ピアノ:小倉貴久子

■曲目
[A.ワルター・ピアノ(レプリカ)]クリス・マーネ製作 1995年 ベルギー
モーツァルト:
 ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331《トルコ行進曲付き》speaker.gif[試聴]
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 op.31-2《テンペスト》speaker.gif[試聴]
[プレイエル・ピアノ]1849年 パリ
ショパン:
 ワルツ 第6番 変ニ長調 op.64-1《子犬のワルツ》speaker.gif[試聴]
 ノクターン 第2番 変ホ長調 op.9-2 speaker.gif[試聴]
 バラード 第1番 ト短調 op.23 speaker.gif[試聴]
フィールド:ノクターン 第2番 ハ短調 speaker.gif[試聴]
カルクブレンナー:ロマンスと華麗なロンド ヘ長調 op.96
[スタインウェイ]D274 2010年 ハンブルク
ラヴェル:《クープランの墓》より
 前奏曲 speaker.gif[試聴]  メヌエット speaker.gif[試聴]  トッカータ speaker.gif[試聴]
[アンコール]
ドビュッシー:前奏曲集 第2集より 第12曲「花火」


【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

ピアノ:小倉貴久子 Kikuko Ogura 東京藝術大学を経て同大学大学院ピアノ科修了。アムステルダム音楽院を、特別栄誉賞“Cum Laude”を得て首席卒業。1988年、第3回日本モーツァルト音楽コンクール、ピアノ部門で第1位を受賞。93年、ブルージュ国際古学コンクール、アンサンブル部門で第1位を受賞。95年には同コンクール、フォルテピアノ部門で9年ぶり史上3人目の第1位と聴衆賞を受賞し話題を呼んだ。▼続きを見る帰国後は、各回ごとにテーマを定めた室内楽演奏会『音楽の玉手箱』や『ベートーヴェンをめぐる女性たち』、『モーツァルトの生きた時代』、『小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》』などのユニークなコンサートシリーズを展開する一方、ソロ、室内楽、協奏曲などバロックから近代まで幅広いレパートリーで活躍。また各ホール主催演奏会や音楽祭、ラジオ、TVノ出演や録音も多い。これまでにCDを40点以上リリース。浜松市楽器博物館コレクションシリーズ15 CD『月光/春』は朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、音楽現代推薦盤に選ばれ、他コレクションも、注目を集めている。『月光〜幻想曲風ソナタ/クラヴィーア作曲集』、『コジェルフ クラヴィーア作曲集』『ソナチネ・アルバム』『麗しきメンデルスゾーン〜歌の翼に〜』『ジェスティー二/12のソナタ集』『夢〜トロイメライ〜』『月の光〜エラールピアノとフランスのうた〜』及び『イギリス・ソナタ』は『レコード芸術』誌の特選盤となった。CD《イギリス・ソナタ》は平成24年度文化芸術祭レコード部門〈大賞〉受賞。DVD『楽器の世界コレクション②ープレイエルのピアノ—室内楽で聴くショパンが愛した音の世界』(デジタルセンセーション株式会社).著書にカラー図解『ピアノの歴史(CD付)』(河出書房新社)。校訂楽譜に『ジュスティーに:12のソナタ集 第1、2巻』(カワイ出版)。東京藝術大学古学科にてフォルテピアノの非常勤講師を勤めている。  

公式サイト http://www.h2.dion.ne.jp/~kikukohp/ ▲プロフィールを閉じる

ピアノ:小倉貴久子 Kikuko Ogura

■曲目解説

モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331《トルコ行進曲付き》
 この第11番はおそらくモーツァルトのピアノ・ソナタの中でも最も有名なものだろう。第1楽章は優美な主題とその変奏からなる。第2楽章メヌエットを経て、第3楽章にトルコの軍楽隊の響きを取り入れたエキゾチックな楽想が現れる。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 op.31-2《テンペスト》
 1802年ハイリゲンシュタットに転地して書かれた3つのピアノ・ソナタ(作品31)のうちの1つである。「テンペスト」の愛称は、弟子のシンドラーがこのソナタを理解するヒントを求めた際に、ベートーヴェンが「シェイクスピア『テンペスト』を読みなさい」と答えたという逸話によるが、真偽のほどは定かではない。全3楽章構成となっているが、冒頭から暗く劇的な情熱が次第に頭をもたげ、全曲を通して異様な緊張感に包まれる。聴く方も1音たりとも気が抜けない作品である。

ショパン:
ワルツ 変ニ長調 op.64-1《子犬のワルツ》

 このワルツに《子犬》の愛称がついたのは、ショパンの愛人ジョルジュ・サンドの飼っていた犬が、自分の尻尾をくわようとしてグルグル回る癖があって、それが曲想となっているとの逸話からである。

ノクターン 第2番 変ホ長調 op.9-2
 この曲はショパンのノクターン(夜想曲)というジャンルを代表するものだろう。甘い追憶を誘うような旋律は、決まった左手のリズムに支えられ、時に気分の盛り上がりを見せ、また時にふと回想に沈む。

バラード 第1番 ト短調 op.23
 ショパンは4曲のバラードを遺している。第1番はショパンが21~25歳の時に書かれたもので、1835年に完成している。バラードとは基本的に自由な形式を持つもので、その自由さこそがバラードたらしめているとも言える。しかしその直截的な表現は若きショパンならではのものである。

フィールド:ノクターン 第2番 ハ短調
 ダブリン生まれのジョン・フィールドは、優秀なピアニストでもあったが、彼が今日知られているのは、夜想曲(ノクターン)という叙情的な小品形式の創始者としてである。展開を持たずにある種の気分を漂わせるこのジャンルは、その後ショパンによって開花することになる。

カルクブレンナー:ロマンスと華麗なロンド ヘ長調 op.96
 フリードリヒ・カルクブレンナーは、19世紀前半のヨーロッパで非常に有名なピアニストだった。ショパンのピアノ協奏曲第1番は彼に献呈されている。

ラヴェル:《クープランの墓》より
 《クープランの墓》は、1917年に完成した6曲からなる作品。それぞれが戦死した友人に捧げられ、また作品全体が大作曲家クープランへのオマージュとなっている。後に管弦楽版にも編曲された。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会


ページの先頭へ戻る