東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2014-
横坂 源 チェロ・リサイタル
~齋藤秀雄メモリアル基金賞 受賞者支援コンサート
プログラム詳細
2014:04:11:19:00:00
2014.4.11 [金] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール
■出演
チェロ:横坂 源
ピアノ:伊藤 恵
■曲目
フランクール:アダージョとアレグロ(チェロ・ソナタ ホ長調 より)
デュティユー:ザッハーの名による3つのストロフ

ヤナーチェク:おとぎ話

ブラームス:チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 op.38

ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 op.19

[アンコール]
ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト長調 op.19 より 第3楽章アンダンテ
【試聴について】

プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。
出演者
チェロ:横坂 源 Gen Yokosaka 2002年7月、チェリストの登竜門として知られる全日本ビバホール・チェロコンクールでの最年少優勝(15歳)を初め、コンクールでの受賞歴多数。2005年には第15回「出光音楽賞」を、2008年には第7回「齋藤秀雄メモリアル基金賞」を受賞。2009年5月には全ドイツ学生音楽コンクールで第1位(室内楽)を、2010年9月には第59回ミュンヘン国際音楽コンクール・チェロ部門で
ピアノ:伊藤 恵 Kei Itoh 幼少より有賀和子氏に師事。桐朋学園高校を卒業後、ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学、ハノーファー音楽大学において名教師ハンス・ライグラフ氏に師事。エピナール国際コンクール、J.S.バッハ国際音楽コンクール、ロン=ティボー国際音楽コンクールと数々のコンクールに入賞。1983年第32回ミュンヘン国際音楽コンクールピアノ部門で日本人として初の優勝。サヴァリッシュ指揮
フランクール:アダージョとアレグロ
フランソワ・フランクールは、18世紀フランスの作曲家、ヴァイオリン奏者。「王の24人のヴァイオリニスト」の一員で、王室付きの作曲家としてルイ15世に仕え、貴族にも列せられた。「チェロ・ソナタ ホ長調」は、彼の「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ長調」を、後世になって編曲したもの。原曲は5楽章構成で、アダージョとアレグロはその最初の2つの楽章にあたる。
デュティユー:ザッハーの名による3つのストロフ
1976年、スイスの音楽家パウル・ザッハーの満70歳を記念して、ロストロポーヴィチの提案により、ブーレーズ、ベリオ、ヘンツェ、ブリテン、そしてデュティユーら現代音楽界を代表する12人の作曲家が独奏チェロのための作品を作曲した。そして、一連の作品には全て、音名に置き換えたザッハー(Sacher)の名にもとづくモチーフが用いられている。
ヤナーチェク:おとぎ話
19世紀前半に活動したロシアの詩人ヴァシーリー・ジュコーフスキーの叙事詩『ペレンディ皇帝の物語』に想を得た作品で、王子イヴァンが冥府の王カスチェイの娘マリアと恋に落ち、様々な試練を乗り越えて結ばれるまでを描く。チェロとピアノの間で交わされる話し言葉のようなリズムが特徴的で、神秘的・幻想的な雰囲気を湛えた旋律が、1音1音に込められた魔法を具現するかのように美しい。
ブラームス:チェロ・ソナタ 第1番
本曲は1865年、ブラームスが32歳の夏に完成した。本来は全4楽章構成の作品として着想されたが、緩徐楽章が削除されたため、全3楽章構成となっている。最初の2つの楽章は、荒涼とした風景の道行きのように、チェロがピアノよりも低い音域で歌い、暗いロマンティシズムを湛えた音楽となっている。また、自由なフーガ形式による終楽章の主題には、J.S.バッハの《フーガの技法》から「コントラプンクトゥス13番」が引用されている。
ラフマニノフ:チェロ・ソナタ
1901年、名チェロ奏者ブランドゥコフとの親交から生まれた、ラフマニノフ唯一のチェロ・ソナタ。レントの序奏で始まる第1楽章は、主部のアレグロ・モデラートでラフマニノフ独自のロマンティシズムが全開となり、憂愁に満ちた旋律に心を揺さぶられる。第2楽章のユニークなスケルツァンドは、諧謔的なリズムと抒情的な旋律がチェロ主体となって現れる。全曲中最も抒情味あふれる緩徐楽章を経て、終楽章はソナタ形式の壮大なフィナーレとなって全曲を閉じる。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会/Sony Music Foundation(公益財団法人 ソニー音楽財団)