HARUSAI JOURNAL春祭ジャーナル

春祭ジャーナル 2014/02/26

アーティスト・インタビュー
~横坂 源(チェロ)

国内外で演奏活動を行い、東京春祭には4度目の出演となるチェリスト横坂源さんに、今回のプログラムについて伺いました。


GenYokosaka.png ■横坂 源 チェロ・リサイタル ~齋藤秀雄メモリアル基金賞 受賞者支援コンサート
clm_q.png  今回のリサイタルは盛りだくさんのプログラムですね。選曲のポイントなど教えてください。
プログラムを考える際に大切にしていることは「共演者と何を演奏したいか」ということです。今回、すばらしいピアニスト伊藤恵さんと共演させて頂けるということで、以前からぜひ演奏させていただきたいと願っていたラフマニノフのソナタを真っ先に選ばせていただきました。
フランクールとディティユーはどちらもフランス人ですが、時代が大きく異なります。二人の作曲家から、時の流れの変化や進化を感じていただけたらと思います。また、春の季節感にあるこの2曲でコンサートを始めることにワクワクします。
ヤナーチェクとブラームスは、これまで何度か演奏してきましたが、とても相性がいいのです。「おとぎ話」は人工の世界とかけ離れた、大自然のエネルギーをそのまま楽譜に書き起こしたような曲です。ブラームスもまた森から沢山のインスピレーションを受け作曲していますし、非常に共通している感覚を持っているように思います。自然の発する強い生命力に人の情感が入り込み、生きることへの一つの強いメッセージをお伝えすることができることを信じています。

clm_q.png  今回のプログラムで初めて取り組む作品はありますか。
あまりお知らせしたくありませんが、フランクールとディティユーは初めて演奏します。1、2曲目が初披露作品なので少し不安もありますが、日々成長するため、私にとってとてもよい機会になると思いますし、東京文化会館はとても音響が良く素敵な会場なので楽しみです。

clm_q.png  日本とヨーロッパでの音楽活動は大体半々くらいでしょうか。
今の活動の中心は日本ですが、2月24日から4月後半までシューマンのコンチェルトや室内楽等が予定されているので、ツアー中に一時帰国してこのコンサートに参加させていただき、終演後再びツアーへ戻るというスケジュールです。
外の空気を感じることは、私にとって演奏家としてのモチベーションを高めてくれるので大変感謝しています。

clm_q.png  音楽祭の前後に海外ツアーとハードなスケジュールですが、演奏する上でソロと室内楽に違いはありますか?
室内楽では楽曲によって演奏する役割が変化するので、その点はとても刺激的ですし、ソロはピアノとともに会話をしながら音楽を作り上げていく作業がとても好きです。
ソナタでは曲想の雰囲気や音楽を紡いでいく時にピアノパートがとても重要になってきます。時にソナタの場合は、その役割が非常に目まぐるしく、繊細な作業を要するので、そこにソナタの強い魅力を感じます。

clm_q.png  そうするとリハーサルも楽しみですね。
伊藤さんは、その美しい音の質感、和声や倍音でホールを満たして下さいます。その中を泳ぎ回りながら、それぞれの役割を全うしていく中で、一つのうねりとも言える音の渦を起こせればと思います。 今回も、リハーサルの時間を贅沢に取っていただきただただ感謝です。密度の濃いリハーサルになると思います。

clm_q.png  お客さんにメッセージをお願いします。
東京文化会館は大きさ、音響ともに好きなホールで、お客様にも集中して聴いていただけるホールだと思います。
コンサートではクラシック音楽を通し、その時代の作曲家たちが想い描いていたメッセージ━愛や光、希望、さらに私たち演奏者、そして会場にいらっしゃるみなさんのエネルギーが交わり、感動の合わさりその瞬間を迎えます。みなさと同じ時を分かち合い、その瞬間を迎えることを心待ちにしています。


~出演公演~

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