東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2013-
ミュージアム・コンサートイタリア・オペラアリア名曲選
~谷原めぐみ(ソプラノ)&西村 悟(テノール)
映画やTVなどでも耳にすることが多い、名曲揃いのイタリア・オペラアリア。中でも選りすぐりの作品を集めて贈る「名曲選」の決定版です。イタリアを代表する大作曲家、ヴェルディの生誕200年を記念して。
プログラム詳細
2013:04:02:14:00:00
2013.4.2 [火] 14:00開演(13:30開場)
国立科学博物館 日本館講堂
■出演
ソプラノ:谷原めぐみ
テノール:西村 悟
ピアノ:森島英子
■曲目
レスピーギ:最後の陶酔

チマーラ:甘い夜よ!
トスティ:四月


ベッリーニ:
「あなたの優しい声が」(歌劇《清教徒》より)

プッチーニ:
「誰も寝てはならぬ」(歌劇《トゥーランドット》より)

「愛らしい乙女よ」(歌劇《ラ・ボエーム》より) ※

ヴェルディ:
「燃える心を」(歌劇《椿姫》より)
「ああ、そはかの人か...花から花へ」(歌劇《椿姫》より)

「パリを離れて、いとしい人よ」(歌劇《仮面舞踏会》より) ※
「ありがとう、愛する友よ」(歌劇《シチリア島の夕べの祈り》より)
「永久に君を失えば」(歌劇《仮面舞踏会》より)

「ああ、なんと心地よいときめきが」(歌劇《仮面舞踏会》より) ※
[※デュエット]
[アンコール]
ヴェルディ:歌劇《椿姫》より「乾杯の歌」
【試聴について】

プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。
~関連コラム~
出演者
ソプラノ:谷原めぐみ Megumi Tanihara 香川県高松市香川町出身。高松市立高松第一高校卒業。大阪教育大学教育学部教養学科芸術専攻音楽コース卒業。香川県立土庄高校の音楽講師(一年間)。東京藝術大学大学院音楽研究科声楽オペラ専攻修了。小西鈴江、林 里美、上畠 力、桑原英子、佐々木典子、松本美和子の各氏に師事。第51回全日本学生音楽コンクール声楽部門高校の部大阪大会第3位入賞。
テノール:西村 悟 Satoshi Nishimura 東京藝術大学大学院オペラ科修了。2005年、第36回イタリア声楽コンコルソ・ミラノ部門で大賞を受賞、翌年ボローニャ国立音楽院へ留学。その後文化庁新進芸術家海外派遣員としてヴェローナへ留学。10年には佐渡 裕指揮「21世紀の第九」、11年には東京フィルハーモニー交響楽団100周年記念第九特別演奏会へソリストとして出演。
ピアノ:森島英子 Eiko Morishima 東京藝術大学卒業。中山靖子にピアノ独奏、中山悌一にピアノ伴奏を師事。文化庁派遣芸術家在外研修員として、シュトゥットガルト音楽大学に留学、コンラート・リヒターのもとでリート科を修了。在学中より伴奏ピアニストとして演奏活動を開始、高橋啓三、伊原直子、市原多朗、佐藤しのぶを始め、多くの声楽家諸氏と共演している。オペラの分野でも、日本有数のコレペティートル、
●レスピーギ:最後の陶酔
交響詩「ローマ三部作」で知られるボローニャ生まれの作曲家レスピーギも、実は生涯を通して歌曲を書いた。この曲は1896年に書かれたもので、レスピーギが作曲した最初の歌曲。世紀末を感じさせる甘美な旋律の中に、独特の魅力がひかる。
●チマーラ:甘い夜よ!
ローマ生まれの作曲家チマーラは、むしろ指揮者、伴奏ピアニストとしての評価が高いが、彼も生涯で20曲以上の歌曲を書いている。この曲は、裏切られた男との過ぎし夜を回想する、切ない中にも甘さの漂う歌である。
●トスティの歌曲
美しいアドリア海に面したオルトーナ生まれの作曲家トスティは、サロン用歌曲のエキスパートで、イタリア及びイギリス王室の声楽教師も経験している。「四月」は、恋の夢想を四月という爽やかな季節に託して歌う。「理想の人」は、夜のしじまに理想の女性を思い描く青年の夢想を歌う曲である。
●ベッリーニ:「わたしに希望を返して……あなたの優しい声が」
歌劇《清教徒》はベッリーニ最後の歌劇。ベッリーニは1835年、パリ初演の年に34歳の若さで亡くなった。《清教徒》は、17世紀イギリスを舞台に、王党派と清教徒派に分かれた恋人たちのすれ違いを描く。ヒロイン・エルヴィーラは、婚礼直前に恋人アルトゥーロが他の女性と駆け落ちしたと思い込み、正気を失ってこの美しいアリアを歌う。「狂乱の場」と呼ばれ、全曲中の見せ場となっている。
●プッチーニのオペラより
歌劇《トゥーランドット》は、北京の紫禁城が舞台。冷血なトゥーランドット姫の謎に勝利して、逆に自らの名前という謎をかけたカラフ王子、その謎を解くまで寝てはならぬと、命令を出すトゥーランドット、それを聞いた王子カラフが最終幕(第3幕)で、姫さえも寝てはならぬ! と闘志を燃やすのが、この有名なアリア「誰も寝てはならぬ」である。
歌劇《ラ・ボエーム》は、パリのカルチエ・ラタンの屋根裏部屋に暮らすボヘミアンたちを描いた作品。その第1幕後半で、有名なアリア「私の名はミミ」が歌われた後に、詩人ロドルフォが月明かりに照らされたミミの美しさを讃える。その甘い恋の二重唱が「愛らしい乙女よ」である。
●ヴェルディのオペラより
歌劇《椿姫》は華麗な社交界に咲く花・高級娼婦ヴィオレッタと青年アルフレードとの一途な恋、そしてその破滅を描く。「燃える心を」は第2幕冒頭にアルフレードが、社交界を捨てて自分との生活を選んだヴィオレッタへ思いのたけを歌う。「ああ、そはかの人か……花から花へ」は、第1幕でアルフレードから愛の告白を受けたヴィオレッタが、心の動揺を歌うアリア。「パリを離れて、いとしい人よ」は、第3幕で再会した二人が、もはやかなわぬ未来の夢を歌い合う、切ない愛の二重唱である。
歌劇《シチリア島の夕べの祈り》は、1855年のパリ万国博覧会のために書かれた、ヴェルディ初のフランス語によるグランド・オペラ。シチリア島におけるイタリア人蜂起を描く。「ありがとう、愛する友よ」は、その終幕において、公女エレナが、いずれ悲劇が起こるとも気づかずに結婚の喜びを歌う。
歌劇《仮面舞踏会》は、国王の暗殺という実話に、秘めた恋を絡ませたストーリーとなっている。初演では厳しい検閲のため、台本設定をスウェーデン国王グスターヴォから17世紀アメリカ・ボストンの総督リッカルドに変更した。「永久に君を失えば」は、第3幕でグスターヴォが腹心の部下レナート(その妻アメリアが意中の相手)を英国へ赴任させようと、逡巡しながらも辞令にサインする場で歌われる。そして「ああ、なんと心地よいときめきが」は、第2幕でグスターヴォとアメリアの初めての逢瀬で歌われる、この上もなく甘美な二重唱である。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館