HARUSAI JOURNAL春祭ジャーナル

春祭ジャーナル 2018/04/03

ミュージアム・コンサート 東博でバッハに寄せて
〜島田真千子(ヴァイオリン) & 北谷直樹(チェンバロ)よりメッセージ

先月 宗次ホールでJ.S.バッハ「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ」全曲演奏会を行い、好評を博した島田真千子さん(ヴァイオリン)と北谷直樹さん(チェンバロ)。東京・春・音楽祭2018「東博でバッハ vol.40 」へ寄せてお二人よりメッセージをいただきました。

島田真千子

島田真千子

 バッハの「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ」全6曲公演は、2年前にバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」全6曲公演をやり終えた後に宣言した、新たな次の目標でした。今回、その目標にたどり着き、演奏中ずっと幸せで、バッハの音と会話をしているような心地でした。最後の楽章を弾きながら「もうすぐ終わってしまう...」と寂しい気持ちになるほど。

 このソナタ6曲は、バッハの無伴奏ヴァイオリン曲の様に有名ではありませんが、緻密な音の絡み合いがあまりにも美しく、バッハの煌めきを細部に至るまで感じられる、珠玉の名曲集です。これからも何度でも弾いていきたいと思っております。

 藝大時代からいつも眺めていた憧れの、東京国立博物館での演奏会。私自身、どんな響きになるか、楽しみです。この上なく素晴らしく バッハに相応しい場所で、念願のプログラムを、 最高の共演者と演奏出来ますこと、 望外の幸せです。

宗次ホール公演を終えて、東京・春・音楽祭へ向けて

島田真千子

北谷直樹

北谷直樹

 バッハの「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ」全6曲は、バッハの多くのチェンバロ作品およびオルガン作品に並んで、私が10代の頃から親しんできた作品で、また大学の卒業試験でも演奏した思い出がある作品です。 トリオソナタと一部コンティヌオ(通奏低音)様式で書かれたこの作品はヴァイオリンとチェンバロが織り成す3声というミニマルでピュアな音楽性とバッハ自身のコンティヌオアレンジによるダイナミックかつ大変に豊かな音楽内容を持っていて、何度聴いても演奏してもその魅力と難しさは衰えません。

 彼の30代後半頃に書かれたこの作品はバッハの晩年最も終わりにバッハが改善しようとして再び携わった作品であることから、バッハにとって大変に意味がある作品であったことが解ります。

 この作品を全曲演奏するのは十数年ぶりで、秀抜なヴァイオリニストである島田真千子さんとの共演、東京・春・音楽祭の「東博でバッハ」シリーズ出演という素晴らしい機会を与えられて、大変に嬉しく光栄です。

東京・春・音楽祭2018「東博でバッハ vol.40 」へ寄せて

北谷直樹


島田真千子&北谷直樹 デュオリサイタル
島田真千子&北谷直樹 デュオリサイタル

2018年3月3日 宗次ホール 島田真千子&北谷直樹 デュオ・リサイタル より ©宗次ホール


~関連公演~

春祭ジャーナルINDEXへ戻る

ページの先頭へ戻る