HARUSAI JOURNAL春祭ジャーナル

春祭ジャーナル 2010/03/17

アーティスト・インタビュー
~デジレ・ランカトーレ(ソプラノ)

4月9日、10日の《カルミナ・ブラーナ》公演に出演するソプラノのデジレ・ランカトーレ。
美貌と実力を兼ね備え、世界中の舞台に立ち続けるランカトーレに、《カルミナ・ブラーナ》の印象を聞いてみた。

《カルミナ・ブラーナ》はオルフの最高傑作です

―これまでに《カルミナ・ブラーナ》を歌った経験はありますか?
ランカトーレ フランスで2度、歌ったことがあります。1度目はユベール・スダーンの指揮で、2度目はリッカルド・ムーティの指揮でした。
―《カルミナ・ブラーナ》にどんな印象をお持ちですか?
ランカトーレ 全編を通して“最高傑作”だと思います。ソロパートでは、例えばバリトンは重要かつ非常にむずかしい役です。カウンター・テナーも高音部分に困難なところがあります。わたくしの役であるソプラノは、特に最後の重要な部分で、アクートを越えるような高い音を出すところがあって、そこでは声を小さく絞るようにして歌わなければならず、大変な表現力が要求されます。
―4月の公演は、リッカルド・ムーティの指揮ですが、ズバリ、聴きどころはどのあたりでしょうか?
ランカトーレ 《カルミナ・ブラーナ》は、グループ全体で表現する作品だと思います。たくさんの人が出演して、全員の協力によって作品が完成します。わたくしの役に関しては言えば、「イン・トルティーナ(天秤棒に心をかけて)」というアリアがいちばんの聴きどころです。これは、ロマンチシズムを湛えた歌なのですが、愛を放棄する内容が歌われます。そこでは特に“萎れ、やつれた”表現が求められ、大変魅力的なところなので、ぜひ聴いていただきたいです。
―4月の公演をたくさんの日本のファンが楽しみに待っています。ひと言メッセージをお願いします。
ランカトーレ まずは、これまでのわたくしの日本でのコンサートやオペラ公演に足を運んでくださった方に、心から感謝の気持ちを述べたいと思います。そして4月には、オルフの最高傑作を、マエストロ・ムーティの指揮で歌うことができるので、ぜひ、全員で協力して最高の公演にしたいと思っています。日本のファンのみなさんにも、たくさんの方に聴きに来ていただきたいと思います。

(プロフィール)
デジレ・ランカトーレ Désirée Rancatore
イタリア・パレルモ生まれのソプラノ。1996年ザルツブルク音楽祭の《フィガロの結婚》バルバリーナでオペラ・デビュー。2004年ミラノ・スカラ座改修後のこけら落とし公演に、ムーティの指名で抜擢され、大成功を収める。数度の来日経験があり、オペラ界の若き歌姫として高い人気を誇る。

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