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東京・春・音楽祭 2017

アーティスト

高橋 淳 (テノール) 埼玉県出身。東京音楽大学卒業、同大学院修了。1995年ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院夏期アカデミー修了。1996年外山雄三指揮仙台フィルおよび神奈川フィル《第九》でコンサートでのソロ・デビューを、97年帯広市民オペラ《カルメン》ドン・ホセでオペラ・デビューをそれぞれ果たす。各種出演を続けつつ、二期会オペラスタジオ第43期マスタークラスを修了し、修了時に優秀賞を受賞。これを機にオペラへの出演が急速に増え、▼続きを見るオペラを中心に活躍している。オペラでは、レパートリーの多さとキャラクターの幅の広さ、難曲にも対応できる歌唱力で、国内外で多数の公演に出演している。そしておなじみの演目のみならず、近現代の作品にも数多く出演し、その多くが日本初演、世界初演である。また、演劇出身の演出家のプロダクションに数多く出演し、高度な演技の要求にも応えており、舞台に欠くことのできない存在として、公演の成功に大きく貢献している。二期会では2001年《ホフマン物語》でデビューし、以後常連として出演を続けている。 2004年《イェヌーファ》と2005年《魔笛》では、ドイツ語のディクションの確かさと大胆な演技が好評を博した。2006年《皇帝ティトの慈悲》表題役、2011年《サロメ》ヘロデ役では、演出家P.コンヴィチュニーの高い要求に応え、観客ならびに新聞・雑誌の批評で絶賛を博した。2008年《ナクソス島のアリアドネ》では、これまでのキャラクターとは一線を画すテノール歌手・バッカス役を演じ、会場を圧倒するスケールの大きな美声共々、これまた新聞各紙で絶賛を博した。宮本亜門演出の2015年《魔笛》、2016年《フィガロの結婚》には続けて出演し、キャラクターの的確かつ大胆な表現で、観客の笑いをさらった。新国立劇場では、02年小劇場《賢い女》でデビューを飾る。03年に《ホフマン物語》にアンドレ他四役で出演し、縦横無尽の演技と高度のフランス語歌唱で絶賛された。以後続けざまに出演を果たす。中でも《魔笛》《ばらの騎士》《蝶々夫人》(含:高校生のための鑑賞教室)、こどもオペラ《スペース・トゥーランドット》には出演を重ねた。05年《ルル》(アルヴァ)、06年《コジ・ファン・トゥッテ》(フェッランド)では、それぞれ急遽代役として舞台に立ち、公演の成功に大きく貢献した。また08年《軍人たち》、09年3月《ラインの黄金》、同年5月《ムツェンスク郡のマクベス夫人》、13年《夜叉ケ池》(世界初演)では、作品特有のキャラクターを見事に表現し、高い評価を得た。びわ湖ホールでは、二期会他との共催公演の他に、08年10月《サロメ》ヘロデ、09年9月《ルル》アルヴァ役で出演した。2017年3月には、びわ湖ホール《ラインの黄金》に出演予定。東京室内歌劇場には大学在学中、91年《カーリュー・リヴァー》でアンサンブルの一員として参加して以来、出演を続けている。特に09年《グラン・マカーブル》では、難役酒呑みのピート役を熱演した。また08年には、《河童譚》キャストとしてソウル室内オペラフェスティヴァルに出演を果たした。上記以外では、サントリーホール・ホールオペラ03年《カルメン》および04年《トスカ》、08年東京芸術劇場シアターオペラ《イリス》、10年サントリー音楽財団創設40周年記念オペラ《パン屋大襲撃》、さらに11年東京文化会館50周年記念オペラ《古事記》と、話題となるプロダクションに出演し、いずれも好評を博した。そして国内オーケストラの演奏会形式によるオペラにも数多く出演している。キャリアのエポックメーキングとなる、99年大阪音大ザ・カレッジハウス管定期《サロメ》、04年名古屋フィル《蝶々夫人》、09年東京交響楽団《ブロウチェク氏の旅行》、10年《火刑台上のジャンヌダルク》(オネゲル)などがあげられる。中でも故ゲルト・アルブレヒトが読売日響の常任指揮者であった時には彼の信頼が篤く、00年グルリット《ヴォツェック》、03年《午後の曳航》(ヘンツェ)、04年《運命》(ヤナーチェク)と続けて出演した。一連の演奏の評価により、06年ザルツブルク音楽祭、ベルリン、トリノにて、アルブレヒトの指揮による《午後の曳航》公演に抜擢され、ザルツブルクでは観客のスタンディング・オベーションを受ける成功を収めた。海外では、11年にイタリア・プッチーニフェスティバル《蝶々夫人》に出演し、現地の観客、スタッフから高い評価を得た。この様子はNHKでも放映された。最近は16年シャルル・デュトワ指揮N響90周年記念《カルメン》に出演し、持ち前のキャラクターを存分に発揮した。 一方、コンサートでも国内外の著名指揮者と共演し、国内主要オーケストラに客演を続けている。バロックから現代まで、幅広いレパートリーを持ち、宗教曲でもスタイルをふまえた演奏で好評を博している。特にベートーヴェン《第九》は、96年のデビュー以来ほぼ毎年歌い続けている。また、オルフ《カルミナ・ブラーナ》もまた代表的なレパートリーであり、個性的な歌唱が高く評価され、我が国における第一人者としての地位を確立し、演奏を重ねている。98年には小林研一郎指揮ネーデルランドフィル定期で、アムステルダム・コンセルトヘボウにデビューしたのをはじめ、今までに4枚のCDが発売され、テレビでも演奏の模様が放映された。この他、99年大阪フィル定期・ジャン・フルネ指揮モーツァルト《レクイエム》、05年沼尻竜典指揮グランドオーケストラAichi特別演奏会《グレの歌》(愛知万博)、08年小泉和裕指揮第51回名古屋・グリーンエコー演奏会・ブリテン《春の交響曲》、13年藤岡幸夫指揮山形交響楽団定期・メンデルスゾーン《讃歌》(交響曲第2番)、同年8月広上淳一指揮京都市交響楽団定期・ドヴォルザーク《スターバト・マーテル》などが代表的な演奏としてあげられる。 さらには15年久石譲に抜擢され、指揮新日本フィルWDOツアーに参加、テノールとカウンター・テノールをクロスオーバーする、表現としての新たな可能性を示した。オーケストラでの演奏のみならず、11年二期会ゴールデンコンサートでは、シューマン《詩人の恋》全曲を演奏し、丁寧なディクションと品格ある演奏が評価された。17年4月には、大学時代から歌い続けてきたイタリアの作品、カンツォーネを集めてリサイタルの開催を予定しており、新たな境地を示すこととなっている。 東京音楽大学講師。埼玉県立大宮光陵高等学校音楽科講師。日本演奏連盟会員。二期会会員。▲プロフィールを閉じる

出演公演

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