PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2011-

東京春祭 歌曲シリーズ vol.6イザベル・レナード(メゾ・ソプラノ)

-本公演は中止となりました-

プログラム詳細

■日時・会場
2011.3.21 [月・祝] 16:00開演(15:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
メゾ・ソプラノ:イザベル・レナード
ピアノ:マイケル・バイツァー

■曲目
ヘンデル:歌劇《ジュリアス・シーザー》より「心に呼びさませ」
モーツァルト:
 歌劇《ドン・ジョヴァンニ》K.527より
       「恋人よ、さあこの薬で(薬屋の歌)」speaker.gif[試聴]
 モテット《踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ》K.165より「アレルヤ」speaker.gif[試聴]
ロッシーニ:
 歌劇《セビリアの理髪師》より「今の歌声は」speaker.gif[試聴]
 歌劇《シンデレラ》より「悲しみよ去れ」speaker.gif[試聴]
ファリャ:《7つのスペイン民謡》speaker.gif[試聴]
       1. ムーア人の織物
       2. ムルシア地方のセギディーリャ
       3. アストゥリアス地方の歌
       4. ホタ
       5. ナナ(子守唄)
       6. カンシオン(歌)
       7. ポロ      /他

曲目解説はこちら



【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

メゾ・ソプラノ:イザベル・レナード Mezzo Soprano: Isabel Leonard イザベル・レナードは、母国アメリカを始め、海外のクラシック音楽界の話題をさらっている。 ジュリアード音楽院を卒業。ジュリアード・オペラ劇場でカヴァッリ《カリスト》、リチャード・ワーゴ《ミュージック・ショップ》のマーシャを歌い、アスペン音楽祭ではデイヴィッド・ジンマンの指揮でマーラー交響曲第4番のソリストを務めた。
2009/10のシーズンは、十八番のモーツァルト《フィガロの結婚》のケルビーノをメトロポリタン歌劇場で歌い、幕が開いた。2月には、コロラド歌劇場でロッシーニ《セビリアの理髪師》のロジーナを歌った。2010/11シーズンには、メトロポリタン歌劇場でモーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》のドラベッラ、パリ・オペラ座ではエマニュエル・アイム指揮、ローラン・ペリ演出でヘンデル《エジプトのジュリオ・チェーザレ》のセスト、《フィガロの結婚》のケルビーノ、そして東京でも小澤征爾の指揮でケルビーノを歌う。
2008/09のシーズンには、モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》のツェルリーナでメトロポリタン歌劇場に登場、フランツ・ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管弦楽団とはモーツァルト《ハ短調ミサ》を歌った。カーネギーホールで行なわれたマリリン・ホーン財団75周年記念のガラ・コンサートで歌った後、ボルドー国立歌劇場にオッフェンバック《ペリコール》のタイトルロールで出演。2009年春には、ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管弦楽団との《フィガロの結婚》(演奏会形式)でケルビーノを歌い、フォートワース歌劇場にロッシーニ《チェネレントラ》のタイトルロールでデビューした。ヨーロッパではケルビーノでバイエルン国立歌劇場にデビュー、クラウス・グートの新演出によるモーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》のドラベッラでザルツブルク音楽祭にデビューした。これは世界に向けて生中継された。
メトロポリタン歌劇場デビューは2007年9月。プラシド・ドミンゴ指揮のグノー《ロメオとジュリエット》のステファノで、アンナ・ネトレプコ、ロベルト・アラーニャらと共演した。このプロダクションは録画され、METライブビューイングで世界各地に配信された。この年は他に、シカゴ歌劇場で《ドン・ジョヴァンニ》のツェルリーナ、サンタフェ歌劇場の新演出ではケルビーノを歌った。また、初めての全米横断リサイタルでアトランタ、ワシントン、サンフランシスコ、フォートワース等で歌い、カーネギーホール(ワイル・リサイタルホール)にデビューした。オーケストラとの共演も多く、セントルイス交響楽団とはイルジー・ビェロフラーヴェク指揮でモーツァルトのモテット《踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ》、マーラーの交響曲第4番のソロを歌い、シカゴ交響楽団とはエサ=ペッカ・サロネン指揮のモーツァルト《ハ短調ミサ》、ヴァレリー・ゲルギエフ指揮のベルリオーズ《ロメオとジュリエット》でソリストを務めた。また、ジェームズ・コンロン指揮でやはり《ロメオとジュリエット》を歌ってシンシナティ・シティ音楽祭にデビュー。2008年夏のハリウッド・ボウルにもソリストとして招かれ、サー・アンドリュー・デイヴィス指揮ロサンゼルス・フィルハーモニックとモーツァルトのコンサート・アリア集を歌った。 2006/07年のシーズンには、ロリン・マゼール指揮でラヴェル《子供と魔法》を歌ってニューヨーク・フィルハーモニックにデビュー。同じ役をバレンシアのソフィア王妃芸術館のこけら落としでも歌った。アメリカでのプロとしてのオペラ・デビューは、アトランタ歌劇場における《ロメオとジュリエット》のステファノだった。また、ジュリアード・オペラ・センターにも所属し、オッフェンバック《天国と地獄》に出演、モーツァルト《偽の女庭師》ではラミロを歌った。
2006年夏には、ボルドー歌劇場で《ドン・ジョヴァンニ》のツェルリーナを歌ってヨーロッパ・デビュー。タングルウッド音楽祭にてグスターボ・ドゥダメル指揮ボストン交響楽団の演奏でファリャ《三角帽子》を歌ったのが、これがアメリカのオーケストラとの初仕事となった。
それ以前のシーズンには、リンカーンセンター・チェンバーミュージック・ソサエティ主催のアリス・タリー・ホールでのリサイタルでソプラノのバーバラ・ボニーと共演。ミュージック・アカデミー・オブ・ウェストでマリリン・ホーン財団賞の受賞者として、カーネギーホール(ザンケルホール)でジェームズ・レヴァインのマスタークラスに参加、また財団が2005年12月にニューヨークで主催した「歌の翼に」シリーズの一環としてソロ・リサイタルを行なった。また、マリン・オールソップ指揮、ロニー・プライス演出のバーンスタイン《キャンディード》にも出演している。
これまでに、ショシャナ財団のリチャード・ゴールド賞(2007年)、リチア・アルバネーゼ=プッチーニ財団賞(2006年)、ジュリアード音楽院卒業時にウィリアム・シューマン賞(2006年)、ジュリアード音楽院の鳴海真希子賞(2005年)、ミュージック・アカデミー・オブ・ウェストでマリリン・ホーン財団賞(2005年)を受賞、2005年ジューリオ・ガリコンクール優勝。
イザベル・レナードはニューヨーク生まれ。ジュリアード音楽院卒業、同大学院修了。エディス・バーズ、マリリン・ホーン、ブライアン・ゼガー、ウォレン・ジョーンズ、マーゴ・ギャレット、ドゥニーズ・マッセ、ジャニーヌ・ライスらに師事。

メゾ・ソプラノ:イザベル・レナード Mezzo Soprano: Isabel Leonard

ピアノ:マイケル・バイツァー Piano: Michael Baitzer マイケル・バイツァーは、現在、ウルフ・トラップ・オペラ・カンパニー、ワシントン・ナショナル・オペラのフルタイムの音楽スタッフを務めている。ジュリアード音楽院にて教鞭をとるかたわら、アスペン音楽祭で4年、セントラル・シティ・オペラで6年、スポレート音楽祭で10年、それぞれ音楽スタッフを務めた。 ドレイク大学でのピアノと声楽の学位取得後、ニューイングランド音楽院に進み、ジョン・モリアーティ、マーゴ・ギャレットと共にピアノ共演の研究を続けた。また、ヒューストン・グランド・オペラ・スタジオのメンバーでありミネソタ・オペラの研修員の時には、サンフランシスコ・オペラのメローラ・オペラ及びアスペン音楽祭にも参加している。 熱心なリサイタリストであるマイケルは、マリリン・ホーン財団及びヤング・コンサート・アーティスト協会の支援のもと、一流の声楽家との共演者として全国に名を馳せている。トップ・ボーカル・オーディションでのピアニストとしても長く知られており、事実上北米ほぼ全てのオペラ・カンパニーのオーディションで演奏を担当、ボーカル・コーチとしても活動の幅を広げている。

ピアノ:マイケル・バイツァー Piano: Michael Baitzer

■曲目解説

ヘンデル:歌劇《ジュリアス・シーザー》より「心に呼びさませ」

 《ジュリアス・シーザー》は、1724年にロンドンで初演されたバロック・オペラ最高傑作の一つで、ローマの将軍シーザーが紀元前47年に行なったエジプト遠征のエピソードを題材としている。このアリアでは、シーザーの政敵ポンペイウスの息子セストが、父の仇シーザーへの復讐を誓う。

モーツァルト:歌劇《ドン・ジョヴァンニ》K.527より「恋人よ、さあこの薬で(薬屋の歌)」

 《フィガロの結婚》に続く、ダ・ポンテの台本によるモーツァルトの傑作オペラ。女たらしで有名なスペインの貴族ドン・ファン(=ドン・ジョヴァンニ)の悲喜劇。「恋人よ、さあこの薬で」は、ドン・ジョヴァンニを倒そうとして返り討ちにされた農夫マゼットを、ツェルリーナが慰める場面で歌われる。

モーツァルト:モテット《踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ》K.165より「アレルヤ」

 1773年、モーツァルトお気に入りのカストラート(男声ソプラノ)ラウッツィーニのために作曲されたモテット(ミサ通常文以外の歌詞を用いた、対位法的な宗教的声楽曲)の第3楽章。名指揮者ストコフスキーが出演した映画『オーケストラの少女』で使われたことでも有名。当時、音楽界の花形であったカストラートを想定して作曲されたこともあり、高度な技巧と清澄な美しさを兼ね備えた作品に仕上がっている。

ロッシーニ:歌劇《セビリアの理髪師》より「今の歌声は」

 ボーマルシェの戯曲をもとにした《セビリアの理髪師》は、若き貴族アルマヴィーヴァ伯爵と両親の遺産を継承した娘ロジーナの恋の顛末を描いたオペラで、モーツァルトの《フィガロの結婚》の前史(前編)にあたる作品。本曲は、第1幕第2場でロジーナが、彼女に恋したリンドーロ(実は身分を偽ったアルマヴィーヴァ伯爵)との結婚を決意した場面で歌うカヴァティーナである。

ロッシーニ:歌劇《シンデレラ》より「悲しみよ去れ」

 フェレッティの台本により1817年に初演された《シンデレラ(チェネレントラ)》は、近年再評価が進み、録音や上演回数が非常に増えている。本曲は、オペラの最終場面、王子との結婚の場面でシンデレラによって歌われる華麗で超絶技巧的なアリアで、意地悪だった姉たちと和解し、幸せな結婚を迎えたシンデレラの喜びに溢れた曲となっている。

ファリャ:《7つのスペイン民謡》

 1915年、フランスから帰国したばかりのファリャが作曲した歌曲集で、同年1月にルイザ・ヴェラの独唱と作曲者のピアノにより初演された。歌詞は作者不詳の古い民謡を用い、旋律も古くから親しまれているスペインの伝統歌謡を用いている。しかし、伴奏部に用いられた作曲技法は、当時としては極めて斬新なもので、パリで知り合ったドビュッシーやラヴェルの影響が大きいと言われている。第1曲「ムーア人の織物」はスペイン東南部の古謡をもとにして、売り物の布地にしみがついてしまった嘆きを歌っている。第2曲「ムルシア地方のセギディーリャ」は格言的な内容。第3曲「アストゥリアス地方の歌」は松の木に慰めを求めるものを描いた哀歌。第4曲「ホタ」はアラゴン地方の有名な民族音楽で、男の愛情を悲しみと笑いを交えて表現している。第5曲「ナナ」は南スペインの子守歌を用いて、母親の赤ん坊に対する情愛を簡素で美しい伴奏に乗せて歌い上げる。第6曲「カンシオン」はサラマンカ地方にルーツを持つ歌で、はやし言葉も交えた明るい音楽。第7曲「ポロ」は作曲者の故郷アンダルシア地方のカンテ・ホンド(「深い歌」の意)による、悲劇的な歌。ポロは本来、中庸な曲調の形式であるが、ファリャはVivo(活き活きした)のテンポを指定し、激しく情熱的な表現を試みた。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会/KAJIMOTO

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