PROGRAMプログラム

ミュージアム・コンサート 小山裕幾(フルート)&イ・ジナ(フルート) 〜現代美術と音楽が出会うとき

ミュージアム・コンサート小山裕幾(フルート)&イ・ジナ(フルート)
〜現代美術と音楽が出会うとき

フィンランド放響の首席奏者として活躍し、東京春祭でもお馴染みのフルート奏者 小山裕幾が、同じくフィンランドを拠点に活動するイ・ジナと共にお届けするフルート二重奏。

プログラム詳細

2019:03:29:19:00:00

■日時・会場
2019/3/29 [金] 19:00開演(18:30 開場)
上野の森美術館 展示室

■出演
フルート:小山裕幾
     イ・ジナ

■曲目
ミシェル・ブラヴェ:ブラヴェ氏の前奏曲
ジャック=マルタン・オトテール:2つのフルートのための小品 op.2
カリヤ・サーリアホ:翼の簡潔さ(小山裕幾)
テレマン:ファンタジー 第10番(イ・ジナ)
ブライアン・チャーニー 2本のフルートのためのドッペルゲンガー
イサン・ユン:フルートのための練習曲 第5番(イ・ジナ)
テレマン:ファンタジー 第7番(小山裕幾)
平井京子:フルート二重奏曲
武満徹 2本のフルートのためのマスク
ロバート・ムチンスキ:フルート二重奏曲
flute.pdf

[アンコール]
ベートーヴェン:アレグロとメヌエット
J.M.オトテール:組曲ロ短調 op.4 より 6.Passacaille

チケットについて チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,600
■発売日

チケット予約・購入 お買い物カゴ トリオ・チケット

一般発売:2019年1月27日 (日) 10:00

■曲目解説 PDFダウンロード

曲目解説:小山裕幾

今日のコンサートは『現代美術と音楽が出会うとき』というテーマで、「現代音楽中心のプログラムを」との要望があった。フルートのレパートリーにおいて現代音楽は比較的重要な位置を占めるが、それだけだとメリハリがなくなる恐れがあると感じた。そこで、現代音楽を主軸としつつ、「前菜」あるいは「口直し」の意味も込めて、バロック音楽を取り入れた。
 通常、フルートのコンサートはピアノと演奏することが多いが、今回はフルート・デュオということで、限られた曲のなかから特に旬のものを選んだ。あまり知られていない曲が多いかもしれないが、これを機に日本の演奏会でも取り上げられるようになれば幸いだ。なお、プログラムの順番を変更し、1曲追加したことをお詫びしたい。

最初にお聴きいただくのは、ブラヴェの「前奏曲」。非常に短い曲だが、バロックの基本が凝縮されており、場をあたためるのに最適であろう。
 間髪入れずに、イサン・ユンの「練習曲 第5番」をお届けする。韓国の伝統楽器は日本の尺八や篠笛と似たような音がするが、本曲からもそのような音、メロディが聴こえてくるであろう。荒涼とした世界を堪能していただきたい。  次は、テレマンの「12の幻想曲」より第7番。フランス序曲の典型である2分の2拍子の序奏と3拍子の急楽章、そして序奏と同じような曲想で第1部が終わる(繰り返しを含めると、緩・急・緩・急・緩の流れ)。第2部には、短いロンド形式の踊りが登場する。
 続いて、フィンランドの作曲家サーリアホの「翼の簡潔さ」。フィンランドは小学校から作曲の授業があり、ファーガルンド、リンドベリ、そしてサーリアホなど優秀な作曲家を多く輩出している。そんな彼女の作品は、フランス語の詩の朗読から始まる。フランスの詩人パースの「鳥」という詩集をフライブルクの図書館で読んだとき、鳥の重力への抵抗、飛翔、秘密、不死性などの着想を得たそうだ。現代奏法にメロディを上手く絡み合わせており、静かだが面白い作品に仕上がっている。  前半最後は、チャーニーの「ドッペルゲンガー」。譜面台を8本近く使用する作品で、2人の奏者が両端から演奏を開始する。演奏が進むに連れて、本体と影が1つになり、最終的にはどちらが影で本体なのかわからなくなる。シューベルトの歌曲「影法師」の1節が、曲の終わりに登場する。現代奏法を駆使した難曲である。
 後半は、オトテールの「2つの小品」で始まる。冒頭のブラヴェのような序曲で始まり、3拍子の急楽章に至る。2曲目はロンド。後半を開始するのにちょうど良い軽めの曲だ。
 続いて平井京子の「二重奏曲~ふたりのために~」。平井氏と私のつながりは10年以上前におよび、これまでに尺八、三味線、チェロ、フルートという編成の「眠れない満月の夜に」、フルート3本のための「青海波」、フルート・ソロのための「風つかい」、3本のフルートと声明のための慰霊の音楽など、多くの楽曲を作曲していただいている。今回は「改訂版初演」ということになり、3楽章形式のこの曲にちりばめられた、日本人が忘れかけているようなメロディ、響きを堪能していただきたい。
 続いて、テレマンの「12の幻想曲」より第10番。短調のこの曲で、前の曲の余韻を感じながら、次につながる口直しならぬ「耳直し」になればと思っている。
 演奏会も終盤に近づいてきたところで、武満徹の「マスク」をお聴きいただく。テレマンが「動」なら、この曲は全曲通して「静」である。曲名のマスクは「能の女面」から来ており、能の静の中の「動」、静の中の「静」を表現したいと考えている。  ここで、当初発表のプログラムにはない、オトテールの「組曲 ロ短調」からの抜粋を披露したい。個人的にすごく好きな曲で、今日は「序曲」、「アルマンド」、「ロンド(緩)」、「ジーグ」を演奏する。
 そして最後は、ムチンスキの「二重奏曲」。小さな6楽章からなるこの作品は「静・動・静・動・静・動」という構成になっており、皮肉混じりのメロディやリズムが随所に現れる。寿司の「おまかせ」でいうと、最後の「卵焼き」のような曲である(笑)。さっぱりとした心持ちで家路についていただきたい。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会
共催:上野の森美術館



※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
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(2018/10/29更新)

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