PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-

ミュージアム・コンサート青木尚佳(ヴァイオリン)&伊藤悠貴(チェロ)

英国を中心に活躍する若き精鋭によるフレッシュな弦楽デュオ。ロン=ティボー国際コンクール第2位となり話題となった青木尚佳と、ブラームス国際コンクール優勝を機に活躍の場を広げた伊藤悠貴。次世代の息吹を感じる組み合わせをお聴き逃しなく。

プログラム詳細

2016:04:16:14:00:00

■日時・会場
2016.4.16 [土] 14:00開演(13:30開場)
国立科学博物館 日本館講堂

■出演
ヴァイオリン:青木尚佳
チェロ:伊藤悠貴

■曲目
シュルホフ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 より 第2楽章 [試聴]
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007 [試聴]
ハルヴォルセン:ヘンデルの主題によるパッサカリア ト短調 [試聴]
J.S.バッハ:

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 [試聴]

ラヴェル:ヴァイオリンとチェロのためのソナタ [試聴]

[アンコール]
シュルホフ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 より 第2楽章

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,600
残席状況 本公演は終了いたしました。
  コンサート当日、常設展をご覧いただけます。

 ■一般発売日
 2015年12月10日(木)10:00

■曲目解説

シュルホフ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 より 第2楽章

19世紀末、プラハに生まれたエルヴィン・シュルホフほど、激動の20世紀前半に吹き荒れた表現の多様性を貪欲なまでに取り込んだ作曲家もいないだろう。彼の作曲家としてのスタートは、20代前半、第一次世界大戦に従軍した体験がきっかけとなっている。その後、シェーンベルク、はてはジャズやダダイズムなどの洗礼を受けたのち、故郷プラハに戻って、1925年にこの二重奏曲を書いた。晩年のヤナーチェクとの親交から生まれた作品で、深い敬愛をこめてヤナーチェクに捧げられている。第2楽章には、スラヴ民俗音楽への傾倒が如実に表れている。

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番

《無伴奏チェロ組曲》(全6曲)が書かれた年代については、ケーテンの宮廷楽長時代(1717~23年)の前期と推定されている。第1番は、ト長調というチェロの運指に合った調性が、伸びやかな響きを生み出す。

第1曲プレリュードは、本組曲中もっとも有名な楽章で、間断なく続く16分音符の流れが、その背後で進む和声を浮き彫りにする。第2曲は安らぎに満ちたアルマンド、第3曲はイタリア型の急速な3拍子によるクーラント、第4曲は優雅なサラバンド、第5曲には2つのメヌエットが用いられている。そして第6曲の軽快な短いジーグが最後を飾る。

ハルヴォルセン:ヘンデルの主題によるパッサカリア

本曲は、ノルウェーの作曲家ヨハン・ハルヴォルセンの代表作であり、弦楽器の二重奏曲として演奏機会も多い。もとはヴァイオリンとヴィオラの二重奏のために書かれたが、ヴィオラの代わりにチェロを用いて演奏されることが圧倒的に多い。ヘンデルの「チェンバロ組曲 第7番 ト短調」に含まれるパッサカリアを自由に編曲したもので、わずか4小節の主題が繰り返し変奏されるなかに、弦楽器の様々な技巧が織り込まれており、華麗な名人芸を堪能できる。

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番

全6曲からなる《無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ》は、ソナタとパルティータそれぞれ3曲ずつで構成され、やはりケーテン時代前半の所産と言われる。3曲あるパルティータには、楽章の大半に舞曲の名称が見てとれるが、このパルティータ第3番には軽快で明るい舞曲が並ぶ。

第1楽章プレリュードは華やかに始まり、第2楽章ルールでは抒情的な旋律が美しく歌う。第3楽章ガヴォット・アン・ロンドーは有名な曲で、単独で奏される機会も多い。第4楽章には親しみやすい旋律の第1メヌエット、第5楽章には対照的に柔らかい印象の第2メヌエットが続く。第6楽章は軽やかなブーレ、第7楽章はさらに快速なテンポのジーグとなり、全組曲を締めくくる。

ラヴェル:ヴァイオリンとチェロのためのソナタ

1920年、音楽誌「ルヴュ・ミュジカル」がドビュッシー追悼号を出す際、ラヴェルやストラヴィンスキー、バルトーク、ファリャなど、10名ほどの作曲家が小品を寄せた。その時にラヴェルが書いた「ドビュッシーへのトンボー(墓碑)」を第1楽章とし、残り3つの楽章を加筆して22年に完成されたのが、この「ヴァイオリンとチェロのためのソナタ」である。

粗削りで魅力に溢れる旋律線、強いコントラスト、ぶつかり合うリズムのエネルギー、無調や多調さえ感じさせる響きなど、のちにラヴェル自身がひとつの転換点だったと述懐しているように、新しく生み出された音楽の感覚が凝縮されている。4楽章構成で、第1楽章冒頭に奏される7音からなる主題が、全楽章のモチーフとして用いられる。ピチカートがリズミックな音楽を形成する第2楽章、厳かな表情のなかにも微細な感情の起伏がみられる第3楽章、そして終楽章の民俗舞曲調の旋律は、バルトークなどの影響も感じさせる。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2016/04/15更新)

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