ARTISTアーティスト

東京・春・音楽祭 2019

アーティスト

ジョン・ルンドグレン (バリトン) ジョン・ルンドグレンは、表情豊かな舞台性を持つドラマティック・バリトンである。その力強い声が、ドラマティックなオペラ・レパートリーに対する洗練された演劇的な役づくりと結びついている。彼の独自性は、オランダ人やクルヴェナルといった、いくつかの有名なワーグナー作品の役どころや、スカルピアやピツァロといった、いわゆるオペラ文学の悪役である邪悪なキャラクターにも、しばしばよく見て取れる。▼続きを見るスウェーデンに生まれ育ち、コペンハーゲンのオペラ・アカデミーに在籍中、極めて稀なことだが、コペンハーゲンの王立劇場にアンサンブルのソリストとして参加した。彼のデビューも同劇場で《ラ・ボエーム》のショナール役だった。彼の「ホーム・ステージ」であるコペンハーゲンでは、いくつかの重要でドラマティックなバリトンのキャラクター、すなわちパオロ・アルビアーニ、王の伝令、ルーナ伯爵、エンリーコ・アシュトン、ジョルジョ・ジェルモン、ポーザ侯といった役を演じた。ロベルト・アラーニャと共演した《アイーダ》アモナスロは、コペンハーゲンの新しいオペラハウスの威信をかけたこけら落とし制作だった。のちには、エスカミーリョ、スカルピア、ヴォツェック、クルヴェナル、ブリテン《ルクレツィアの陵辱》タルクィニウスといった様々な役にもデビューした。2007年には、デンマーク王立歌劇場でピツァロを歌った。08年は、同劇場で《さまよえるオランダ人》オランダ人にデビューして大成功を収め、10年ラス・パルマスのペレス・ガルドス劇場に招かれて再び同役を演じた。さらに、09年にはスカルピアで東京の新国立劇場にデビューした。11年ブレゲンツ音楽祭でキース・ウォーナー演出の《アンドレア・シェニエ》カルロ・ジェラールを歌い、ストックホルムのロイヤル・オペラではクリストフ・ロイ演出の《西部の娘》ジャック・ランスを歌って、ミニー役ニーナ・シュテンメと共演した。近年ジュネーヴでは、ワーグナー《ラインの黄金》アルベリヒ役にデビューした。また、《影のない女》バラクでミュンヘンにデビュー、《さまよえるオランダ人》オランダ人でライプツィヒにデビューした。 現代のオペラ作品も彼のレパートリーの重要な一部である。05年、トーマス・アデス作曲・指揮による《テンペスト》では非常に手のかかるプロスペロを演じ、ドロットニングホルム宮廷劇場制作のレイネ・ヨンソン《セシーリアと孫悟空》でも、少なくとも4つ以上の異なる役を演じた。ヨーテボリでは、《汚名》の世界初演でニーナ・シュテンメと共演した。これはイングマール・ベルイマンの映画をもとに書かれたオペラである。16年は、バイロイト音楽祭で《ワルキューレ》ヴォータンにデビュー、ストックホルムのロイヤル・オペラではニーナ・シュテンメとともにヴォータン/さすらい人で『リング』チクルスを初めて務め上げた。18年にも、再び《ワルキューレ》ヴォータンを務めた他、ミュンヘンでキリル・ペトレンコ指揮『リング』チクルスのアルベリヒ、ハンブルクでワーグナーのオランダ人を演じた。 06年、同世代では数少ないスカンジナビア出身のドラマティック・バリトンのひとりとして、栄えあるビルギット・ニルソン賞を受賞した。10年、デンマーク王国の女王より、ダンネブロ騎士勲章を授けられた。18年には、ロンドンのコヴェント・ガーデンとハンブルクで『リング』チクルスのヴォータン、ロンドンで《スペードの女王》トムスキー伯爵のデビューがある。▲プロフィールを閉じる

出演公演

ページの先頭へ戻る