SPRING FESTIVAL IN TOKYO about SPRING FESTIVAL IN TOKYO 关于东京・春・音乐节

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组委会委员长致辞

過ぎ去った時間は、きざまれた記憶に息づくだけである。音楽の感動は、音が鳴り始め、音が消え、静寂が戻る、その淡い時間の記憶のほか、何物も形となって残ることがない。桜と音楽で、上野の春を祝宴の空間にしよう。そんな思いで始めた「東京・春・音楽祭」は、2024年、20周年を迎える。海図もないまま、広い海洋に、ちいさな帆を上げて、海風に翻弄される小さな船の門出が、音楽祭の始まりだった。浅利慶太さん、小澤征爾さんと飲んだ席が、無謀な海路の始まりだ。

「はじめの思いを忘れず、なによりも、その意志を持ち続けること、それだけが、音楽祭に大きな未来をもたらすのだ。さまざまな苦難を経ていない音楽祭などない」。2年目の音楽祭に出演していただいた折、そんな厳しい言葉で励ましてくれたのは、リッカルド・ムーティさんだった。20周年を迎えようとしている今、「強い意志を持って、続けること」、その思いは、強くなるばかりである。

オペラハウスやコンサートホールがつくられ、クラシック音楽が、閉じられた宮廷から、多くの市民に感動を与える芸術となって、2世紀以上を経ているのだが、そのクラッシック音楽が、現在、厳しい状況にあることも事実である。

「東京・春・音楽祭」は、改めて、演奏家と聴衆が、日常にない感動を共有できるコンサートを実現したいと願うばかりです。20周年を迎えるにあたり、未来に広がる時間に向け、ますます充実した音楽祭にしようと、新たな思いが膨らんでいます。なによりも、上野の街の方々、協賛企業、聴衆の皆様のご支援があって、演奏家の皆さんと共に20周年を迎えられることに、感謝の念に堪えません。20回目の春も、桜と音楽の溢れる上野公園でお待ちしております。


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