PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2012-

ミュージアム・コンサートシュテファン・フッソング(アコーディオン)
~現代美術と音楽が出会うとき

プログラム詳細

Photo:青柳 聡
■日時・会場
2012.3.17 [土] 19:00開演(18:30開場)
※ この公演は終了いたしました。
上野の森美術館 展示室

■出演
アコーディオン:シュテファン・フッソング

■曲目
~ある風景のなかで~
雅楽(10世紀):盤渉調の調子 speaker.gif[試聴]
ヘルツキー:ハイウェイ・フォー・ワン speaker.gif[試聴]
ケージ:ドリーム speaker.gif[試聴]
J.S.バッハ:コラール前奏曲「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV659 speaker.gif[試聴]
ティエンス:ファンタンゴ speaker.gif[試聴]
瀧 廉太郎(原田敬子編):荒城の月
ストラヴィンスキー:タンゴ speaker.gif[試聴]
ケージ:ある風景のなかで speaker.gif[試聴]
原田敬子:《BOOK I》アコーディオン独奏のための
ソレール:ソナタ 第62番 ハ長調「アレグロ・スピリトーソ」
J.S.バッハ:
コラール前奏曲「深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわる」BWV687 speaker.gif[試聴]
グバイドゥーリナ:デ・プロフンディス speaker.gif[試聴]
[アンコール]
サティ:果てしないタンゴ

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

アコーディオン:シュテファン・フッソング Accordion:Stefan Hussong ドイツ、ケラーバッハ生まれ。ドイツ学術交流会(DAAD)バーデン・ヴュルテンベルク州芸術基金より奨学金を得る。1987年、ガウデアムス現代音楽国際コンクールでアコーディオン奏者として初の優勝。1999年、ドイツ音楽協会クラシック部門で最優秀演奏家に選ばれる。同年、DENONよりジョン・ケージ作品のCDをリリースし、ベスト・レコード賞に選出。今まで80以上の作品が彼に捧げられ、DENONレーベルを含む各社より26枚のCDをリリースし、そのうち何枚かは賞を獲得している。1990年の東京、1996年のニューヨークにおけるデビューを契機に、アメリカ、欧州、インド、アジア各国で幅広い演奏活動を繰り広げている。これまでに、スイス・ロマンド管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団を始めとする数々のオーケストラやアンサンブルと共演。ソフィア・グバイドゥーリナ、細川俊夫、クラウス・フーバー等、多くの作曲家と緊密な関係を保っている。1990年からヴュルツブルク音楽院の教授としてアコーディオンと室内楽を指導している。

公式サイト http://www.stefan-hussong.de/

©得能通弘

アコーディオン:シュテファン・フッソング Accordion:Stefan Hussong

■曲目解説

~ある風景のなかで~
雅楽(10世紀):盤渉調の調子
盤渉調とは、盤渉(ばんしき:西洋音階のH音)を主音とした雅楽の旋法の一種。この調は「北」「冬」などに当てはめられるので、聴き手に重々しく暗い印象を与える。西洋音楽ではロ短調に近い構成音となっている。

ヘルツキー:ハイウェイ・フォー・ワン
アドリアナ・ヘルツキー(1953- )は、ルーマニア出身のドイツの女性作曲家。現在はザルツブルグ・モーツァルテウム大学教授の傍ら、作曲活動を行っている。《ハイウェイ・フォー・ワン》は、2000年に発表された作品。

ケージ:ドリーム
20世紀の現代音楽思想に大きな足跡を残したジョン・ケージ(1912-1992)、彼は鈴木大拙に禅を学んだ思想家であり、詩人でもあり、またキノコ研究家でもあった。《ドリーム》は1948年に作曲されたピアノのための作品である。

J.S.バッハ:コラール前奏曲「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」 BWV659
ブゾーニによるピアノ編曲でも広く知られている大バッハのオルガン作品で、マルティン・ルターの待降節コラールをもとに作曲したもの。8分音符を刻み続ける低音部の伴奏にのせて、やや物憂げな雰囲気のコラール旋律が歌う。

ティエンス:ファンタンゴ
ユッカ・ティエンス(1948- )はフィンランドの作曲家、ピアノ及びチェンバロ奏者。この曲は1984年に発表された「任意の鍵盤楽器のため」の作品。題名はFantasieとTangoを組み合わせた造語である。

瀧廉太郎:荒城の月
作詞:土井 晩翠(1871-1952)、作曲:瀧廉太郎(1879-1903)による歌曲《荒城の月》は、文字通り日本を代表する歌曲として知られている。日本古来の七五調形式と、西洋音楽の音楽語法の融合が成功した傑作である。

ストラヴィンスキー:タンゴ
イーゴル・ストラヴィンスキー(1882-1971)が、アメリカ亡命直後の1940年に作曲したピアノ独奏のための作品。硬質なタッチの伴奏が活かされた、ユニークなタンゴである。

ケージ:《ある風景のなかで》
前出の《ドリーム》と同じく1948年の作品。ピアノもしくはハープのために書かれたもので、彼の作品の中でも演奏される機会が多い。つぶやくように滔々と流れる、純度の高い音空間の美しさが堪能できる。

原田敬子:《BOOK I》アコーディオン独奏のための
原田敬子(1968- )は「身体の無限の可能性」をテーマにした作曲家。《BOOK I》は、Nachtstuecke MusikFest 2010の委嘱により、2010年2月に書かれた作品で、同年6月シュテファン・フッソングにより初演された。

ソレール:ソナタ 第62番 ハ長調「アレグロ・スピリトーソ」
気品ある装飾的な楽句が、全曲を通していきいきと演奏される。ソレールはドメニコ・スカルラッティに師事したと伝えられているが、スカルラッティよりも形式において更なる変化に富んでいるのが、ソレールの特色と言える。

J.S.バッハ:コラール前奏曲「深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわる」 BWV687
この作品は、J.S.バッハが1739年に出版した『クラヴィーア練習曲集 第3巻』に収められている。コラール旋律はマルティン・ルターが1523年に作詞作曲し、ルターの協力者であるヨハン・ワルターが翌年に編曲したものによる。

グバイドゥーリナ:デ・プロフンディス
ソフィア・グバイドゥーリナ(1931- )はロシア現代音楽の作曲家。《デ・プロフンディス(深き淵)》は1978年に発表された作品。ロシアのボタン式民族楽器バヤンを想定して書かれたが、現在では専らアコーディオンで演奏される。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 協力:上野の森美術館

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