PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2012-

ミュージアム・コンサート 新村理々愛 フルート・リサイタル

プログラム詳細

Photo:青柳 聡
■日時・会場
2012.3.25 [日] 14:00開演(13:30開場)※ この公演は終了いたしました。
国立科学博物館 日本館講堂

■出演
フルート:新村理々愛
ハープ:山崎祐介

■曲目
J.S.バッハ:フルート・ソナタ ト短調 BWV1020(伝C.P.E.バッハ H.542.5) speaker.gif[試聴]
グランジャニー:ハイドンの主題による幻想曲 op.31[ハープ・ソロ] speaker.gif[試聴]
テレマン:《無伴奏フルートのための12のファンタジー》より第6番 ニ短調
サン=サーンス:幻想曲 op.124 speaker.gif[試聴]
フォーレ:即興曲[ハープ・ソロ] speaker.gif[試聴]
ダマーズ:《アーリーモーニング》変奏曲 speaker.gif[試聴]
テレマン:《無伴奏フルートのための12のファンタジー》より第1番 イ長調
フランセ:5つの小さな二重奏曲
E.パリシュ・アルヴァーズ:マンドリン op.84[ハープ・ソロ]
ドップラー & ザマラ:カジルダ幻想曲

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

フルート:新村理々愛 Flute:Riria Niimura 1994年東京都生まれ。3歳からリコーダーの教育を受け、6歳でフルートを始める。日本クラシック音楽コンクール全国大会における2度のグランプリ受賞を始め、日本管打楽器コンクール、マクサンス・ラリュー国際フルート・コンクール・ジュニア部門、びわ湖国際フルートコンクール等でいずれも最年少優勝や入賞を果たす。2008年、ランパル国際フルートコンクールに13歳で史上最年少出場。2009年、日本フルート・コンヴェンション・コンクールで史上最年少第1位・吉田雅夫賞を受賞。2010年3月、ミュンヘンで行なわれたドイツ・フルート・フェスティバルに出演、台湾で行なわれた世界クラシック音楽コンクールで金賞を受賞。同年4月、カーネギーホールのガラコンサートに出演。「題名のない音楽会」「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」に度々出演。小学4年生でオーケストラと初共演して以来、東京交響楽団等の国内外多くのオーケストラと共演を重ね、テレビ出演や新聞・雑誌への登場も多い。ザビーネ・ザイフェルト、堀井恵の両氏に師事。現在、東京藝術大学附属音楽高等学校1年に在学中。

フルート:新村理々愛 Flute:Riria Niimura

ハープ:山崎祐介 Harp:Yusuke Yamazaki 東京藝術大学音楽学部を経て同大学大学院修了。ハープを桑島すみれ、篠崎史子、J.モルナールに師事。フランスでL.ラスキーヌ、C.マチューの教えを受け、コンサート活動を開始。東京文化会館、浜離宮朝日ホール等でリサイタルを開く一方、全国各地の主要オーケストラと共演し、ソリスト、室内楽奏者として活躍する。
1994年「新日鉄コンサート」の出演者として津田ホールでリサイタルを開催。1998年11月、パリのサル・ガヴォーのコンサートシリーズに出演、「フィガロ」紙上で好評を博す。2002年7月、ジュネーヴで開催された国際ハープコングレスに出演。2006年にソロ・アルバム『Variation』をリリース。2009年1月には渡邊一正指揮札幌交響楽団とモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲を共演し好評を博した。2010年4月には香港でのリサイタル及びマスタークラスを開催する等、国外での活動も行なっている。
演奏活動と併せて作曲家の北爪道夫と共同でコンサートの企画も行なっており、愛知県碧南市では「おもしろクラシック・シリーズ」の企画を担当、第一線で活躍するソリストをゲストに招き、ハープとのアンサンブルをプログラムに加えた個性的なコンサートを開いている。同シリーズは2011年に10年目を迎え、第18回、第19回公演が行なわれる。
第8回村松賞受賞。昭和音楽大学講師、洗足学園音楽大学講師を務め、後進の育成にも力を注いでいる。日本ハープ協会副会長。

ハープ:山崎祐介 Harp:Yusuke Yamazaki

■曲目解説

J.S.バッハ:フルート・ソナタ ト短調 BWV1020(伝:C.P.E.バッハ H.542.5)
このト短調のフルート・ソナタBWV1020には偽作説があり、『新バッハ全集』からも除外された。18世紀中葉に流行したギャラント様式の影響が明らかというのがその理由である。現在では次男カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)の作品説が濃厚であるが、その真偽は未だ解決されていない。

グランジャニー:ハイドンの主題による幻想曲 op.31
マルセル・グランジャニー(1891-1975)はパリ出身のハープ奏者で、ルニエやアッセルマン等、ハープの大家のもとで学び、渡米後は米国ハープ協会の設立にも尽力した。 1958年に作曲したハープ独奏のための《ハイドンの主題による幻想曲》は、古典派作品のテーマを近代的な明快さによって蘇らせた作品。

テレマン:《無伴奏フルートのための12のファンタジー》より第6番 ニ短調
マクデブルク出身のゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)は、ドイツ後期バロック音楽の巨匠である。彼は木管楽器の名手<>だったこともあり、 1732~33年に書かれた《無伴奏フルートのための12のファンタジー》は、J.S.バッハの作品と並んで18世紀フルート音楽の頂点に立つ名作と言われる。第6番は、序奏部、アレグロの第2部、スピリトゥオーソ(元気に)と記された第3部からなる。

サン=サーンス:幻想曲 op.124

カミーユ・サン=サーンス(1835-1921)は、神童と呼ばれた少年がそのまま大人になったような人物であった。1907年にヴァイオリンとハープのために書かれた《幻想曲 op.124》は、優雅で慎ましやかなハープの伴奏と、美しく穏やかな旋律が魅力的な作品である。

フォーレ:即興曲 op.86
サン=サーンスに作曲とピアノを師事したガブリエル・フォーレ(1845-1924)はフランス近代音楽の大家。《即興曲op.86》は、後にピアノ独奏にも編曲され、《ピアノのための即興曲》第6番op.86bisとして知られるようになった。穏やかだがメランコリックな旋律が心に残る、隠れた名曲である。

ダマーズ:《アーリーモーニング》変奏曲
ジャン=ミシェル・ダマーズ(1928- )はフランス・ボルドー生まれの作曲家、ピアニスト。その作風は、端正な新古典主義に基づいている。《アーリーモーニング》変奏曲は、素朴なイギリス民謡を主題としたハープとフルートのための作品。巧みな転調が特徴的な変奏曲である。

テレマン:《無伴奏フルートのための12のファンタジー》より第1番 イ長調
テレマンの《無伴奏フルートのための12のファンタジー》第1番は、大きく分けると「ヴィヴァーチェ」と「アレグロ」からなるが、16部音符を主体としたモティーフが微妙なリズムの変化やテンポの緩急によりコントロールされ、和声的な部分に音の動きに面白さが感じられる。

フランセ:5つの小さな二重奏曲
フランス新古典主義の作曲家ジャン・フランセ(1912-1997)は、ストラヴィンスキーやプーランク、ラヴェル等の影響を受け、軽快さと機智を兼ね備えた様式美を持つ作曲家である。《5つの小さな二重奏曲》は1975年に作曲され、「前奏曲」「牧歌」「カンツォネッタ」「夢」「ロンド」と題された小品群からなる。

E. パリシュ・アルヴァーズ:マンドリン op.84
エライアス・パリシュ・アルヴァーズ(1808-1849)は、イングランドの作曲家、ハープ奏者。ハープの腕前はベルリオーズに「魔術師」と絶賛されたほどであった。《マンドリンop.84》は1843年暮れから翌年始めにかけて、家族で滞在したナポリで書かれた。

ドップラー&ザマラ:カジルダ幻想曲
フルートの名手ドップラー(1821-1883)と、ハープの名手アントニオ・ザマラ(1829-1901)の共作による1850年代後半の作品。ザクセンのエルネスト公による歌劇《カジルダ》のテーマに由来する全4楽章の超絶技巧溢れる作品である。ドップラーは《ハンガリー田園幻想曲》の作曲家としても知られている。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館

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