PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2012-

《午前11時》の音楽会 vol.2オーボエ奏者・古部賢一の現在(いま)を聴く
~第10回 国際オーボエコンクール記念コンサート~

プログラム詳細

Photo:青柳 聡
■日時・会場
2012.3.29 [木] 11:00開演(10:30開場)※ この公演は終了いたしました。
東京文化会館 小ホール

■出演
オーボエ:古部賢一
ファゴット:吉田 将
ピアノ:寺嶋陸也

■曲目
プーランク:オーボエ・ソナタ FP 185 speaker.gif[試聴]
ヒンデミット:オーボエ・ソナタ ト調 speaker.gif[試聴]
林 光:オーボエ・ソナタ「Blue Rockthrush(イソヒヨドリ)」
ジョリヴェ:オーボエとファゴットのためのソナティナ
プーランク:ピアノ、オーボエ、ファゴットのための三重奏曲 FP 43 speaker.gif[試聴]
プレヴィン:オーボエ、バスーンとピアノのための三重奏曲 speaker.gif[試聴]
[アンコール]
フランセ:トリオ より 第3楽章 アンダンテ
10th_OBOE.JPG




【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

オーボエ:古部賢一 Oboe:Ken-ichi Furube 東京藝術大学在学中の1991年、新日本フィルハーモニー交響楽団首席オーボエ奏者に就任。1995年から翌年にかけて、アフィニス文化財団海外研修員としてドイツ国立ミュンヘン音楽大学大学院に留学。これまでに、オーボエを中山和彦、北島章、小畑善昭、小島葉子、ランダル・ヴォルフガング、ギュンター・パッシンに、また室内楽を村井祐児、中川良平の各氏に師事。
小澤征爾指揮新日本フィルハーモニー交響楽団定期公演をはじめ、ジャパン・チェンバー・オーケストラ、イタリア合奏団、ミラノ・スカラ弦楽合奏団、ザルツブルク室内管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、N響室内合奏団など国内外の数多くのオーケストラのソリストとして、また、ジャパン・チェンバー・オーケストラ、オイロス・アンサンブル、いずみシンフォニエッタ大阪などのメンバーとしても活躍している。宮崎国際音楽祭、木曽音楽祭などにも定期的に出演。2005年、東京で行われたラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに出演し、2009年にも再び出演した。ハンブルク北ドイツ放送交響楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団、シュトゥットガルト室内管弦楽団などにも客演首席奏者としてしばしば招かれている。
リサイタルや室内楽にも積極的に取り組み、ドイツを代表するチェンバロ奏者、クリスティーネ・ショルンスハイムとのデュオを国内およびライプツィヒ・バッハ博物館で行なうなど、バロック演奏でも高い評価を得ている。近年には古楽器奏者としてもデビューした。
現代作品の演奏も数多く手がけ、メシアンの遺作「4のコンセール」やシュニトケ「オーボエとハープのための協奏曲」などを日本初演している。2006年には東京オペラシティコンサートホールで開催された武満徹没後10年特別企画公演で、大作「ジェモー」を若杉弘・高関健指揮東京フィルハーモニー交響楽団らと共演、絶賛を浴びた。
2007年には、東京国立科学博物館講堂にてオーボエの進化をたどるレクチャーコンサートを行ない、チャルメラからコール・アングレ、オーボエ・ダモーレなどオーボエ属の楽器を総動員した「オーボエ講座」が絶賛を博した。近年は、ギターの渡辺香津美、鈴木大介とのコラボレーションなど、ジャンルを超越した活動も展開している。
レコーディングは、ソロ・デビュー・アルバム 『ドルチェ』、ミラノ・スカラ弦楽合奏団と共演した『アマービレ/イタリア・バロック協奏曲集』(以上キングレコード)、鈴木大介(ギター)とのデュオ・アルバム『DAYDREAM』(フォンテック)などのCDをリリースしている。
第10回出光音楽賞をオーボエ奏者として初めて受賞。
現在、東京音楽大学、昭和音楽大学非常勤講師、兵庫芸術文化センター管弦楽団アソシエイト・プレーヤー。 「国際オーボエコンクール・軽井沢」審査員を務めるなど、後進の指導にもあたっている。

©Koichi KITAYAMA

オーボエ:古部賢一 Oboe:Ken-ichi Furube

ファゴット:吉田 将 Bassoon(Fagotto):Masaru Yoshida 1964年、東京生まれ。武蔵野音楽大学卒業後、1989年、西ドイツ国立ハノーファー音楽大学ソロクラス卒業。岡崎耕治、クラウス・トゥーネマンに師事。1987年B.S.O.ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー管弦楽団に首席奏者として入団。1989年ベルギー王立フレミッシュオペラ首席奏者を経て、同年より読売日本交響楽団へ首席奏者として就任。同楽団のソリストとして数回出演。武蔵野音楽大学、日本大学藝術学部、洗足学園音楽大学、国立音楽大学講師。小澤征爾音楽塾講師。木曽福島音楽祭、宮崎国際室内楽音楽祭等レギュラーメンバー。サイトウ・キネン・オーケストラ首席奏者。

©読売日本交響楽団

ファゴット:吉田 将 Bassoon(Fagotto):Masaru Yoshida

ピアノ:寺嶋陸也 Piano:Rikuya Terashima 1964年生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修了。オペラシアターこんにゃく座での演奏や、1997年、東京都現代美術館でのポンピドー・コレクション展開催記念サティ連続コンサート「伝統の変装」、2003年パリ日本文化会館における作品個展「東洋・西洋の音楽の交流」等は高く評価された。2006年にはタングルウッド音楽祭に招かれボストン交響楽団のメンバーと自作を含む室内楽を演奏。作曲の他、ピアノ演奏や指揮、音楽祭の音楽監督等、活動は多岐にわたる。オペラ《ガリレイの生涯》《末摘花》、カンタータ《伊邪那岐・伊邪那美》、合唱ファンタジア《オホホ島奇譚》《樹の奇・危・嬉~ピカソくんとうたおう》、ヴォードヴィル《タバコの害について》、《尺八・二十絃箏と管弦楽のための協奏曲》、合唱のための《詩篇第49番》《沖縄のスケッチ》、オーボエ・三味線と打楽器のための《異郷の景色》、古代復元楽器のための《大陸・半島・島》、朗読と筝、室内管弦楽のための《貝の火》他、作品多数。『大陸・半島・島/寺嶋陸也作品集』(ALCD-9026)、『二月から十一月への愛のうた(栗山文昭の芸術2/寺嶋陸也作品集)』(VICS-61092)その他、室内楽や歌曲のピアノ等、多くのCDがある。
作品はこれまで国内はもとよりイタリア、イギリス、フランス、オランダ、スペイン、アメリカ合衆国等でも演奏されている。

公式サイト  http://www.gregorio.jp/terashima/

ピアノ:寺嶋陸也 Piano:Rikuya Terashima

■曲目解説

プーランク:オーボエ・ソナタ FP 185
「フランス六人組」の一人として、数々の作品を世に送り出したフランシス・プーランク(1899-1963)が最晩年の1962年に書き上げた、全曲を通して悲嘆に満ちた作品。彼はこの曲を、亡き親友セルゲイ・プロフィエフ(1891-1953)の追憶に捧げている。
「エレジー(悲歌)」と題された第1楽章、中間部にプロコフィエフ作品からの引用がある第2楽章「スケルツォ」、終楽章「デプロラシオン(悲嘆)」による全3楽章の構成。

ヒンデミット:オーボエ・ソナタ ト調
斬新な作曲技法と新即物主義を提唱し、近代ドイツ音楽史にその名を記したパウル・ヒンデミット(1895-1963)。彼はオーケストラに定席を持つほぼすべての楽器のためにソナタを書いているが、本作品も近代オーボエ作品の歴史に残る一曲となった。
作曲は1938年。長調でも短調でもない「半音階的に発展した調性」の作品という意味から「in G(ト調)」というタイトルが付けられた。2つの楽章からなる、12分程度の作品。

林 光:オーボエ・ソナタ「Blue Rockthrush(イソヒヨドリ)」
日本作曲界の重鎮、林光(1931-)が古部賢一の委嘱により2009年に作曲した全2楽章の作品。前述したプーランクのソナタの「影」と闘いながら作曲した、と作曲者は書き残している(「林光/光・通信No.75」より)。今回は、2011年10月30日の「林光バースデー・コンサート2011」で初演した演奏者による再演となる。

ジョリヴェ:オーボエとファゴットのためのソナティナ
前衛音楽からポピュラーなCM音楽まで手掛け、「音楽界のジキルとハイド」と揶揄されるほど作風の変遷が激しかったアンドレ・ジョリヴェ(1905-1974)。1963年に作曲されたこの二重奏曲は、音の跳躍を得意とするオーボエとファゴットという楽器の長所をいかんなく発揮したもので、「序曲」「レシタティーフ」「オスティナート」と題された3つ楽章からなる。

プーランク:ピアノ、オーボエ、ファゴットのための三重奏曲 FP 43
1926年に作曲され、スペインの作曲家マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946)に捧げられたこの三重奏曲は、ユーモアと起伏に富んだ名作として名高い。そのセンスの絶妙さは、青年時代のプーランクを代表する一作といっても過言ではない。
重々しい序奏に続くプレストの第1楽章、ゆったりと優美な旋律を歌い上げる第2楽章アンダンテ、生き生きと簡潔な作りの終楽章ロンドによる3楽章構成。

プレヴィン:オーボエ、バスーンとピアノのための三重奏曲
指揮者、ピアニストとして活躍を続けているアンドレ・プレヴィン(1929-)。彼は、作曲家としても、映画音楽からクラシックまで幅広い分野の音楽を手掛けている。1994年作曲の本作には、ジャズ・プレーヤーでもあった彼の折衷的な作風が表れている。
躍動的なピアノと即興的な木管のパッセージが特徴的な第1楽章、ピアノ独奏で始まり木管のメロディが絡み合っていく第2楽章、快活さと穏やかさが交代しながら展開する終楽章。モダンな和声感を備えながら、随所に親しみ易さも感じさせる秀作である。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会/Sony Music Foundation(財団法人ソニー音楽芸術振興会)

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