PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2012-

東京春祭チェンバー・オーケストラ
~トップ奏者たちによるストリングスの《響宴》

プログラム詳細

Photo: 青柳 聡
■日時・会場
2012.3.20 [火・祝] 15:00開演(14:30開場)
※ この公演は終了いたしました。
東京文化会館 小ホール

■出演
第1ヴァイオリン:堀 正文、漆原朝子、漆原啓子、小林美恵、玉井菜採
第2ヴァイオリン:伊藤亮太郎、景山誠治、川田知子、島田真千子
ヴィオラ:佐々木 亮、篠﨑友美、鈴木康浩
チェロ:菊地知也、北本秀樹、向山佳絵子
コントラバス:吉田 秀

■曲目
モーツァルト:ディヴェルティメント ヘ長調 K.138 speaker.gif[試聴]
グリーグ:組曲《ホルベアの時代より》 op.40 speaker.gif[試聴]
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲 第10番 ロ短調 speaker.gif[試聴]
チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 op.48 speaker.gif[試聴]
[アンコール]
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲より 第3楽章 メヌエット


【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

ヴァイオリン:堀 正文 Violin:Masafumi Hori 1974年よりダルムシュタット国立歌劇場管弦楽団の第1コンサートマスターに就任。1979年NHK交響楽団にコンサートマスターとして入団。現在、ソロ・コンサートマスターとしての重責を果たすとともに、数多くのソロリサイタル、N響室内合奏団を始めとする室内楽に幅広く活躍している。またN響での功績に対して有馬賞を受賞している。演奏活動の傍ら、ジュネーブ国際音楽コンクール等の審査員を務め、また桐朋学園大学等で後進の指導にも当たっている。

ヴァイオリン:堀 正文 Violin:Masafumi Hori

ヴァイオリン:伊藤亮太郎 Violin:Ryotaro Ito 桐朋学園ソリスト・ディプロマコース修了。1989年、高校1年生にして日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門第1位、あわせて黒柳賞、レウカディア賞を受賞。奨学金を得てアスペン国際音楽祭でドロシー・ディレイ女史に師事。
1992年、第1回フォーバルスカラシップ・ストラディヴァリウス・コンクール優勝。1993年マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽演奏コンクール第2位。1994年チャイコフスキー国際コンクールでディプロマ賞受賞。ロンドンに留学し、ロンドン、アムステルダム等でリサイタルを行う。日中文化交流コンサートのソリストとして中国にて公演。1997年ストリング・クァルテット「ARCO」を結成、第1ヴァイオリン奏者として室内楽の分野でも活躍。2000年秋には、ビクターエンタテインメントより『アンダンテ・カンタービレ』をリリース。2002年サントリーホールでリサイタルを開催し、国内外の高い評価を得る。
これまでにソリストとしてローザンヌ室内管弦楽団、東京交響楽団、札幌交響楽団と共演する他、JTアートホール室内楽シリーズ、宮崎国際音楽祭、北九州国際音楽祭、倉敷音楽祭、イシハラリリックアンサンブル、水戸室内管弦楽団等、多くの演奏会に出演し、多彩なアーティトと共演。1999年よりサイトウ・キネン・オーケストラに参加。ヴァイオリンを江藤俊哉、澤和樹、堀正文、ベラ・カトーナ、ジョルジュ・パウクの各氏に、室内楽をアイザック・スターン、東京クァルテット、山崎伸子、原田幸一郎、高関健の各氏に師事。
2005年6月、札幌交響楽団コンサートマスターに就任。これまでに札幌交響楽団演奏会で、メンデルスゾーン《ヴァイオリン協奏曲》、武満徹《ノスタルジア》のソリストも務め、2009年2月の定期演奏会ではプロコフィエフ《ヴァイオリン協奏曲第2番》を尾高忠明指揮で熱演。札幌交響楽団以外にも、ソロ、室内楽、ゲストコンサートマスター等、多方面で活躍を続けている。

©Masahide Sato

ヴァイオリン:伊藤亮太郎 Violin:Ryotaro Ito

ヴァイオリン:漆原朝子 Violin:Asako Urushihara 第2回日本国際音楽コンクールにて最年少で優勝、並びに日本人作品最優秀演奏賞を受賞。1987年、第4回アリオン賞を受賞。1990年エクソンモービル音楽賞奨励賞等を受賞。
日本を代表する国際的ヴァイオリニストの一人である漆原朝子は、東京藝術大学付属高等学校在学中に第2回日本国際音楽コンクールで最年少優勝並びに日本人作品最優秀演奏賞を受賞し、一躍国内外の注目を集めた。東京藝術大学に入学した翌年、文化庁芸術家在外研修員としてジュリアード音楽院に留学。ヴァイオリンを徳永二男、ドロシー・ディレイ女史らに師事。
1988年、NHK交響楽団定期公演でのデビューに引き続き、ニューヨークでリサイタル・デビューし、『ニューヨーク・タイムズ』紙で「1920年代の巨匠を思わせる演奏」と高く評価され、翌年のジョン・F・ケネディ・センターでのリサイタルは『ワシントン・ポスト』紙に「恐るべき才能」と絶賛された。
さらにマールボロ音楽祭では、リチャード・グード等との共演に加え、巨匠ルドルフ・ゼルキンに認められて共に演奏する。なお、この演奏会はゼルキンにとって生前最後の公演となった。
その後はホルスト・シュタイン、フェルディナント・ライトナー、ジャン・フルネ、ガリー・ベルティーニ、エサ=ペッカ・サロネン、ズデニェク・マーツァル(マカール)、イルジー・ビエロフラーヴェク等の指揮者や、ボルティモア交響楽団、ハンガリー国立交響楽団、プラハ放送交響楽団、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団、モスクワ国立交響楽団、ミルウォーキー交響楽団、南西ドイツ放送交響楽団、ミュンヘン室内管弦楽団、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団等と共演。さらには、リサイタルツアーも数多く開き、1992年ウィーン・ムジークフェラインザールでのリサイタル以後は次第にヨーロッパでの活動が活発化し、ザルツブルク、ルツェルン、ウィーン芸術週間、シュヴェツィンゲン、ベルリン・ビエンナーレ、パリの秋、ダルムシュタット等の音楽祭にも度々登場。また、日本でも主要オーケストラから度々招請を受ける等、常に高い評価を得ている。
これまでに、第4回アリオン賞(1987年)、エクソンモービル音楽賞奨励賞(1990年)等を受賞。
CDも古典から現代前衛作品に至る、非常に広範なレパートリーを多数リリース。2002年に行われ、各方面から注目と賞賛を得た『漆原朝子のシューマン~ヴァイオリンソナタ全3曲&3つのロマンス』のコンサートライヴCDを2003年6月にリリースし、「作品の再評価を大きく促す名演」「演奏家としてのめざましい充実」等、非常に高い評価を獲得。さらに2004年には、続編として開催された『漆原朝子のブラームス~ヴァイオリンとピアノのための作品完全全曲演奏会』も新聞評等で絶賛を博し、この模様もディスクとして2005年6月にリリースされ、同様に高い評価を得た。
2006年にはシューマン没後150周年を記念して、最晩年の傑作ヴァイオリン・ソナタ全曲を再び取り上げる他、大阪センチュリー交響楽団のシューマン・ツィクルスにおいて、遺作のヴァイオリン協奏曲を演奏して、大きな注目と賞賛を得た。また、2008/09年にはベリー・スナイダー、ロータス・カルテットと共に『シューベルト:ヴァイオリン作品全集』をレコーディング(2010年11月リリース)。ベリー・スナイダーとは2009年にオール・シューベルト・プログラム、2010年にはオール・シューマン・プログラムによるリサイタルツアーを行い、聴衆にひときわ深い感銘を与えた。2005年より東京藝術大学准教授。

©梶木一郎

ヴァイオリン:漆原朝子 Violin:Asako Urushihara

ヴァイオリン:漆原啓子 Violin:Keiko Urushihara 1981年、東京藝術大学付属高校在学中に、第8回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールに於いて最年少18歳、日本人初の優勝と6つの副賞を受賞した。その翌年、東京藝術大学入学と同時に本格的演奏活動を開始。1986年ハレー・ストリング・クァルテットとして民音コンクール室内楽部門で優勝並びに斎藤秀雄賞を受賞。
これまで、国内外での演奏旅行、TV出演、海外主要音楽祭等に多数出演。国内では特に木曽音楽祭、宮崎国際音楽祭、軽井沢国際音楽祭等に毎年出演している。また、ウラディーミル・スピヴァコフ、エルヴィン・ルカーチ、イルジー・ビエロフラーヴェク、フェルディナント・ライトナー、ハインリヒ・シフ等の指揮者や、ハンガリー国立交響楽団、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン放送交響楽団等のオーケストラと共演し、賛辞を浴びた。日本国内の主要オーケストラとの共演の他、リサイタル、室内楽でも高い評価を得ている。
デビュー30周年となる2011年は、自身初となるJ.S.バッハの無伴奏録音を日本アコースティックレコーズよりリリース。『レコード芸術』特選盤に選ばれた。各地で30周年を記念したリサイタルや室内楽の公演に出演する。また、練木繁夫とのデュオ活動を積極的に続けており、録音や演奏は各所で高く評価されている。
常に第一線で活躍を続け、安定した高水準の演奏は音楽ファンのみならず、指揮者、オーケストラ・メンバー等の音楽家の間でも非常に高い信頼を得ている。東京藝術大学を経て、現在は国立音楽大学客員教授として後進の指導にも力を注いでいる。

公式サイト http://www.keiko-uru.com/

©篠原栄治

ヴァイオリン:漆原啓子 Violin:Keiko Urushihara

ヴァイオリン:景山誠治 Violin:Seiji Kageyama 東京藝術大学首席卒業。 全日本学生音楽コンクール小学校の部、中学校の部で、全国第1位。高校在学中に日本音楽コンクール入賞、松下賞受賞。1980年、霧島国際音楽祭賞受賞、民音コンクール室内楽部門第2位、斉藤秀雄賞受賞。 1981年ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール入賞。1984年ロン=ティボー国際コンクール最高位受賞とともに3つの特別賞を獲得し、以来ヨーロッパ各地で活躍。
1989年シャウシュピールハウス(ベルリン)でのリサイタルは絶賛され、ワイマール、アイゼナハ等、8都市のオーケストラと共演。1992年ベルリン・コーミッシェ・オーパー管弦楽団にソリストとして招聘され、ミュンヘン、ライプツィヒにてリサイタルを行った。1995年、国際交流基金の派遣により中南米諸国にてリサイタル、またベネズエラ国立シモン・ボリバル・ユース管弦楽団と共演。1996年『華麗なるポロネーズ』でCDデビュー。2009年6月、浜離宮朝日ホールでリサイタル開催。セカンドアルバム『ガルシア・ロルカの思い出に』(フォンテック)リリース。2011年1月、韓国プサン・フィルハーモニー交響楽団と共演(釜山、福岡)。
ソリスト、室内楽奏者として活躍する他、霧島国際音楽祭マスターコース講師及び同音楽祭企画委員を務めている。東京音楽大学教授。東京藝術大学、桐朋学園大学においても後進の指導に当たっている。

©尾形正茂

ヴァイオリン:景山誠治 Violin:Seiji Kageyama

ヴァイオリン:川田知子 Violin:Tomoko Kawada 東京都生まれ。4歳よりヴァイオリンを始め、東京藝術大学附属高等学校を経て、東京藝術大学に入学。在学中の1989年に奨学金を得て、アスペン音楽祭に参加。同年、第36回パガニーニ国際コンクール入賞。1990年、アラスカ・アンカレッジ音楽祭に東京チェンバー・ソロイスツのメンバーとして招かれる一方、イタリア、シエナのキジアーナ音楽院室内楽サマー・コースに参加。ディプロマ名誉賞受賞。
1991年、東京藝術大学を首席で卒業。同年、第5回ルートヴィヒ・シュポア国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。1992年1月、NHK交響楽団と共演。バルセロナ市立管弦楽団、サンクトペテルブルク交響楽団、モスクワ・フィルハーモニー交響楽団等の日本公演にソリストとして起用され、好評を博す。また1999年4月には、サンクトペテルブルク交響楽団の定期演奏会に招待され、大成功を収めて絶賛される。
2002年、デビュー10周年を迎え、札幌及びトッパンホール(東京)で演奏会を開く。徹頭徹尾一時も欠かさない集中力でイザイの《無伴奏ヴァイオリン・ソナタ》全6曲を見事に弾き切り、大絶賛を浴びる。2003年4月、永野英樹のピアノでCD『オペラ座のヴァイオリン弾き』がトライエムから発売。9、10月には、平成15年度国際交流基金・日本文化紹介派遣事業でトルコ及びエジプトでリサイタルを行う。また同年、第33回エクソンモービル音楽賞・洋楽部門奨励賞を受賞。毎年、宮崎国際音楽祭に招かれており、2006年5月は武満徹の室内楽演奏会にも出演。チェンバロの中野振一郎とのデュオも好評を博している。2007年、ブダペストでピアノのイェヌー・ヤンドゥーとデュオ演奏会を行い、大成功を収めた。
マイスター・ミュージックより『小林道夫の芸術Ⅲ~モーツァルトのピアノとヴァイオリンのためのソナタ』、『ヴィターリ:シャコンヌ』(ヴァイオリン作品集)、中野振一郎とのデュオの3枚のCDが発売されている。
音楽的にもますます円熟味を増し、幅広い分野での活躍が注目を集めている。 これまでに、小林武史、澤和樹、田中千香士、原田幸一郎、堀正文、ヴォルフガング・マーシュナーの各氏に師事。

公式サイト http://www.tomoko-kawada.com/

©Junichi Ohno

ヴァイオリン:川田知子 Violin:Tomoko Kawada

ヴァイオリン:小林美恵 Violin:Mie Kobayashi 東京藝術大学附属高校から東京藝術大学に学ぶ。1983年、第52回日本音楽コンクール第2位。1984年、海外派遣コンクール河合賞受賞。1988年にはルートヴィヒ・シュポア国際ヴァイオリン・コンクール第2位、併せてソナタ賞を受賞。また、国内でも東京藝大安宅賞を受賞した。1990年ロン=ティボー国際コンクールヴァイオリン部門で日本人として初めて優勝し、以来、国内外で本格的な活動を開始する。
近年では、ハンガリー国立交響楽団、プラハ交響楽団の日本公演や、読売日本交響楽団の北京公演、オーケストラ・アンサンブル金沢のタイ公演のソリストを務める等、日本を代表するヴァイオリニストとして活躍。室内楽でも水戸ATMアンサンブル、静岡AOI・レジデンス・クヮルテットのメンバーとして活動する他、1995年以来、パスカル・ロジェ、長谷川陽子とのピアノトリオの共演を重ね、2001年にはフランス・ディボンヌ音楽祭にも同トリオとして出演。2005年イギリスにおいては、パスカル・ロジェ、ゴルティエ・カプソン等とも共演した。2007年には、北京にてロン=ティボー国際コンクール入賞者によるガラコンサートに出演。
CDはコロムビアより『フランス・ヴァイオリン・ソナタ集』、ヴァイオリン小品集『美しい夕暮れ』から『小林美恵プレイズ・クライスラーⅠ&Ⅱ』まで6枚と、2005年EXTONレーベルよりギターの尾尻雅弘とのデュオ『カルメンファンタジー』、ONYX(輸入元:東京エムプラス)よりパスカル・ロジェ、長谷川陽子とのピアノトリオ『ラヴェル&ショーソン』がリリースされている。2008年には、EXTONレーベルより、パスカル・ロジェとのデュオCD『フォーレ』(ヴァイオリン・ソナタ第1、2番等を含む)、『ラヴェル&エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ集』の2枚をリリース。さらに2010年9月には《ツィゴイネルワイゼン》等を収録した『ヴァイオリン名曲集』がリリースされた。
2010年はデビュー20周年に当たり、11月にはロン=ティボー国際コンクールのヴァイオリン部門の審査員として招かれた。現在、昭和音楽大学の准教授をつとめ、後進の指導にも当たっている。

©武藤 章

ヴァイオリン:小林美恵 Violin:Mie Kobayashi

ヴァイオリン:島田真千子 Violin:Machiko Shimada 東京藝術大学附属音楽高等学校を経て、1998年、東京藝術大学を首席で卒業。同大学在学中に安宅賞、NTTドコモ賞を受賞。2002年デトモルト音楽大学を最優秀の成績で卒業後、2005年、同大学院にてドイツ国家演奏家資格を取得。6年間ドイツに在住し、オランダ、ベルギー、イタリア、フランス等、ヨーロッパ各地で研鑽を積む。これまで第44回全日本学生音楽コンクール全国大会中学校の部第1位、第7回日本モーツァルト音楽コンクール第1位、第66回日本音楽コンクール第2位、第45回パガニーニ国際コンクールで特別賞、ドイツ・デトモルト音楽大学・DAAD賞コンクールで優勝、エリザベート王妃国際音楽コンクールセミファイナリスト、第15回J.S.バッハ国際コンクール入賞。2006年、愛知県芸術文化選奨文化賞を受賞、同年、第1回名古屋音楽ペンクラブ賞を受賞。2009年には、名古屋市芸術奨励賞を受賞。
1998年、奨学金を得てアメリカ・アスペン音楽祭に参加。1999年より2年間に渡り、宮崎国際室内楽音楽祭にてヴァイオリンの巨匠アイザック・スターン氏に師事、2000年には東京、名古屋に於いて初のソロリサイタルを開催し、好評を博す。2001年イースト・ウエスト・バロック・アカデミーの公演にて、ワルター・ファン・ハウエ氏からバロック音楽の薫陶を受け、氏とともにオランダ・コンセルトへボウや日本大学カザルスホールを含む日蘭ツアーにソリストとして参加。1998年サイトウ・キネン室内楽勉強会に参加し、小澤征爾氏や今井信子氏に師事。その翌年以降、毎年サイトウ・キネン・フェスティバル松本に参加、2001/02年には同フェスティバルのバッハプログラムにソリストとして出演し、その録音CDが発売されている。2004年及び2010年には小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラのヨーロッパツアー、NYカーネギー・ホール公演に参加。また2001年より毎年、水戸室内管弦楽団にも参加しており、2008年のヨーロッパ公演や数々のレコーディングに参加している。
2006年ドイツ留学を終えて帰国し、その後は名古屋しらかわホールの主催公演での室内楽コンサートの企画及び出演、バロックアンサンブル「パヴィメントジャパン」の公演や、東京のオペラの森への参加、ヴィオラスペース、トッパンホールやJTアートホールでの室内楽、オーケストラMAP’Sのメンバー等、継続的な活動を続けている。海外での活動も精力的に行い、これまでにドイツ、ベルギーでのリサイタルや、南米チリでの室内楽ツアー(デトモルトピアノ四重奏)、ライプツィヒでの新バッハ・コレギウム・ムジクムやブリュッセルでのワロニー王立室内管弦楽団との共演等を行った。
近年は、国内各地でのリサイタル開催、名古屋フィルハーモニー交響楽団やセントラル愛知交響楽団の定期演奏会にソリストとして出演する他、室内楽では今井信子、メナヘム・プレスラー、堤剛、原田禎夫、W.トムベック、P.シュミードル、M.ゴトーニ等、数々の素晴らしい奏者と共演、カザルスホールのラストコンサートや、東京の都民芸術フェスティバル、名古屋ではしらかわホールやザ・コンサートホールの周年記念の公演等にも出演。国内各地のオーケストラのゲストコンサートマスターとしても様々な公演に出演し、多彩な演奏活動を展開している。
これまでに、久保田良作、山岡耕筰、田中千香士、店村眞積、マルコ・リッツィの各氏に師事。アイザック・スターン、今井信子、ヘルマン・クレバース、ドロシー・ディレイ、ライナー・クスマウル、ロバート・マン等の各氏にも師事し影響を受けた。

公式サイト http://machikoshimada.com

©Ai Ueda

ヴァイオリン:島田真千子 Violin:Machiko Shimada

ヴァイオリン:玉井菜採 Violin:Natsumi Tamai 京都府生まれ。4歳よりヴァイオリンを始め、東儀祐二、小国英樹、久保田良作、立田あづさの各氏に師事。
桐朋学園大学在学中にプラハの春国際コンクールヴァイオリン部門で優勝。卒業後、アムステルダム・スヴェーリンク音楽院でH.クレバース、ミュンヘン音楽大学マイスタークラスにてA.チュマチェンコに師事。この間、J.S.バッハ国際コンクール最高位をはじめ、エリザベート王妃国際音楽コンクール、シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール等、数々のコンクールに優勝、入賞。2002年(平成14年度)文化庁芸術祭新人賞、2008年(平成20年度)京都府文化賞奨励賞を受賞。
これまでに、ロシア・ナショナル管弦楽団、ベルギー放送交響楽団、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団、NHK交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団等、国内外のオーケストラと共演。ヨーロッパ各地や国内でソリスト、室内楽奏者として活躍している。紀尾井シンフォニエッタ東京、東京クライス・アンサンブル、アンサンブルofトウキョウ等のメンバー。「古典の日」イメージキャラクター、びわこミュージックハーベスト・コーディネーター。
現在、東京藝術大学准教授。使用楽器は東京藝術大学所蔵Stradivarius「Ex Park」(1717年)。

©尾形正茂

ヴァイオリン:玉井菜採 Violin:Natsumi Tamai

ヴィオラ:佐々木 亮 Viola:Ryo Sasaki 東京藝術大学付属高等学校を経て、東京藝術大学卒業。1991年、東京現代音楽祭(現音)室内楽コンクール第1位、「朝日現代音楽賞」受賞。1992年、東京国際音楽コンクール(民音)室内楽部門第2位、「ルフトハンザ賞」受賞。東京藝術大学在学中、安宅賞受賞、藝大オーケストラと共演。同大学卒業後、ニューヨーク・ジュリアード音楽院に奨学生として入学。アスペン音楽祭、マールボロ音楽祭に参加。同音楽院を卒業後、ソロ、室内楽奏者として全米各地で活動。これまでに、内田光子、ヒラリー・ハーン、ナージャ・サレルノ=ソネンバーグ、リン・ハレル等と共演し、好評を博す。また、掛谷洋三、澤和樹、田中千香士、ドロシー・ディレイ、川崎雅夫の各氏に師事。室内楽を兎束俊之、F.ガリミア、J.ラタイナ-の各氏に師事。
CDはEMI/Angelよりチャイコフスキー弦楽六重奏、ブラームス弦楽六重奏をリリース。2004年5月NHK交響楽団入団、2008年1月より首席奏者。アポロ弦楽四重奏団、東京クライス・アンサンブル、室内オーケストラ「アルクス」、岡山潔弦楽四重奏団メンバー。
桐朋学園大学、東京藝術大学で後進の指導にもあたっている。

©尾崎 誠

ヴィオラ:佐々木 亮 Viola:Ryo Sasaki

ヴィオラ:篠﨑友美 Viola:Tomomi Shinozaki 桐朋女子高等学校音楽科を経て、1995年、桐朋学園大学を首席で卒業。1992年、東京国際音楽コンクール室内楽部門で齋藤秀雄賞を受賞。1994年ライオネル・ターティス国際ヴィオラ・コンクールで特別賞を受賞。1997年ミュンヘン国際音楽コンクール第3位入賞。ソリスト、室内楽奏者として幅広く活躍し、霧島国際音楽祭、宮崎国際音楽祭、木曽音楽祭、北九州国際音楽祭等、国内外のフェスティバルに数多く出演。紀尾井シンフォニエッタ東京、サイトウ・キネン・オーケストラ、ジャパン・チェンバー・オーケストラ等のメンバーとしても活躍している。
新日本フィルハーモニー交響楽団首席ヴィオラ奏者。

ヴィオラ:篠﨑友美 Viola:Tomomi Shinozaki

ヴィオラ:鈴木康浩 Viola:Yasuhiro Suzuki 新潟県生まれ。5歳よりヴァイオリンを始める。辰巳明子氏に師事。桐朋女子高等学校音楽科(共学)を経て、桐朋学園大学卒業。読売新聞社新人演奏会出演。第47回全日本学生音楽コンクール東京大会高校の部第1位。卒業後ヴィオラに転向、岡田伸夫氏に師事。第9回日本クラシック音楽コンクール全国大会ヴィオラ部門最高位。第2回淡路市立しづかホールヴィオラコンクール第2位。第12回宝塚ベガ音楽コンクール弦楽器部門第1位。2001年よりドイツのヘルベルト・フォン・カラヤン・アカデミーで研鑽を積み、その後ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の契約団員となる。2003年にはクラズィッシェ・フィルハーモニー・ボンのソリストとして、ドイツ各地で演奏し好評を博す。2004年秋に帰国し、日本で活動を始める。ソロ活動として、東京オペラシティでの「B→C(ビートゥーシー)」に出演、リサイタル、読売日本交響楽団とコンチェルトのソリストとして共演、ヴィオラスペースに出演。室内楽ではレガーメ弦楽四重奏団のメンバーとしてカルテットの活動、王子ホールでの「MAROワールド」やランチタイムに行われる名曲シリーズ、JTアートホールではJTアートホール室内楽シリーズに度々出演。その他にもサイトウ・キネン・フェスティバル松本、宮崎国際音楽祭等、多方面で活動中。フェリス女学院大学の非常勤講師として後進の指導にも当たる。現在、読売日本交響楽団ソロ首席ヴィオラ奏者。

©読売日本交響楽団

ヴィオラ:鈴木康浩 Viola:Yasuhiro Suzuki

チェロ:菊地知也 Cello: Tomoya Kikuchi 東京藝術大学附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部卒業。第6回、第8回霧島国際音楽祭にて奨励賞受賞。東京藝術大学にて安宅賞受賞。第60回日本音楽コンクール第1位、併せて増沢賞、特別賞受賞。第4回日本室内楽コンクール第1位、併せて東京都知事賞受賞。第1回全日本ビバホール・チェロコンクール第1位。霧島国際音楽祭、宮崎国際音楽祭等に参加。
現在、紀尾井シンフォニエッタ東京、アルファ弦楽四重奏団、アンサンブル・ノマド、アンサンブル・ロココ等のメンバー。日本フィルハーモニー交響楽団ソロ・チェリスト。東京藝術大学、桐朋学園大学、桐朋学園芸術短期大学非常勤講師。

チェロ:菊地知也 Cello: Tomoya Kikuchi

チェロ:北本秀樹 Cello:Hideki Kitamoto 10歳よりチェロを始め、1972年、桐朋学園高等学校音楽科卒業。桐朋学園大学ディプロマコースを経て、文化庁海外派遣研修生としてジュリアード音楽院に留学。1973年、第42回日本音楽コンクール・チェロ部門第2位入賞。1980年、第15回民音室内楽コンクール優勝。青木十良、ハーヴィ・シャピロ、ロバート・マン、斎藤秀雄に師事。
1996年まで21年間、東京フィルハーモニー交響楽団首席奏者。1997年より桐朋学園大学、桐朋学園芸術短期大学、日本大学藝術学部、山形大学、洗足学園音楽大学において後進の指導に当たっている。1989年より日本音楽コンクール・チェロ部門、ビバホールチェロコンクール等の審査員を歴任。
ソリストとして、リサイタルや国内外オーケストラとの協奏曲共演多数。現代曲の演奏も多く、1988年に香港で開催された第12回アジア芸術祭で演奏した武満徹《オリオンとプレアデス》が絶賛された他、下山一二三《ダイアローグ》《メディテーション》《WAVE》、篠原眞《チェロのためのエヴォリューション<進展>》、間宮芳生《チェロ協奏曲》等が極めて高い評価を受けている。
サイトウ・キネン・オーケストラメンバー。日本フィルハーモニー交響楽団ゲスト・ソロ・チェリスト。

チェロ:北本秀樹 Cello:Hideki Kitamoto

チェロ:向山佳絵子 Cello:Kaeko Mukoyama 東京都生まれ。松波恵子、堀江泰氏、レーヌ・フラショー、毛利伯郎の各氏に師事。1985年、第54回日本音楽コンクール第1位入賞。東京藝術大学を経て、1990年ドイツ・リューベック国立音楽大学に留学し、ダヴィド・ゲリンガスに師事。同年、第10回ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール第1位入賞。1988年、第3回アリオン賞審査委員奨励賞受賞。1992年、第2回出光音楽賞受賞。
カザルスホールでの「向山佳絵子とチェロの世界」シリーズ、東京オペラシティでの連続リサイタル、各地の音楽祭への参加、JTアートホール室内楽シリーズのプランナー、ハレー・ストリング・クァルテットの一員として活躍する等、常に話題を集めている。
世界の一流演奏家と数多く共演する一方で、NHK交響楽団、東京都交響楽団、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、水戸室内管弦楽団等、多数のオーケストラと共演。その他にも、リサイタルや室内楽等、多彩な演奏活動を繰り広げている。
1998年にはNHK FMの人気番組「おしゃべりクラシック」のパーソナリティを務め、広い層から支持を得た。その後もNHK FMに度々出演し、特番の司会や生放送でリスナーのリクエストに応える等、話題となった。最近では企画の公演が、NHK BS「クラシック倶楽部」等、テレビでも放送された。
録音はソニーより『バッハ無伴奏チェロ組曲全曲』他5枚のCDが発売されており、収録曲はNHKスペシャルやドラマのテーマ曲、TV CM曲等に使用されている。その他、カメラータ・トウキョウから池辺晋一郎と三善晃のチェロ協奏曲のCDが発売されている。
2006年まで東京藝術大学非常勤講師を務め、現在は武蔵野音楽大学非常勤講師として後進の指導にあたっている。日本を代表する実力派チェリストとして今後の活躍が大いに期待されている。

公式サイト http://kaekomukoyama.jimdo.com/

©大窪道治

チェロ:向山佳絵子 Cello:Kaeko Mukoyama

コントラバス:吉田 秀 Contrabass:Shu Yoshida 1986年、東京藝術大学音楽学部卒業。同大学管弦楽研究部首席奏者を経て、1991年NHK交響楽団に入団。現在、首席奏者を務める。室内楽の分野ではオーギュスタン・デュメイ、ピンカス・ズッカーマン、ライナー・キュッヒル、マリア・ジョアン・ピリス、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、カルミナ弦楽四重奏団、ベルリン・フィルハーモニー・ピアノ四重奏団、ターリッヒ弦楽四重奏団、メロス弦楽四重奏団、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団、ウィーン弦楽トリオ等と共演。またオイロスアンサンブル、アール・レスピラン、東京シンフォニエッタ、いずみシンフォニエッタ大阪、紀尾井シンフォニエッタ東京、鎌倉ゾリステン等のメンバーとしても活動。霧島国際音楽祭、宮崎国際音楽祭等にも参加。東京音楽大学客員教授、京都市立芸術大学非常勤講師を務める。

コントラバス:吉田 秀 Contrabass:Shu Yoshida

■曲目解説

モーツァルト:ディヴェルティメント ヘ長調 K.138
1722年に作曲された本作は、各楽章が「急−緩−急」のテンポで演奏されるイタリア式序曲の形式をとっているが、管楽器は用いられず、弦楽のみの編成となっている。フォルテとピアノの対照が鮮やかな冒頭主題を持つ第1楽章、のびやかな二部形式の第2楽章、明るく快活なロンド形式の終楽章からなる全3楽章。演奏時間約11分の作品。


グリーグ:組曲《ホルベアの時代より》 op.40
ルドヴィ・ホルベア男爵(1684-1754)は「デンマーク文学の父」と呼ばれる人物。1884年、彼の生誕200年記念祭の折りに《祝祭カンタータ》とともに作曲されたピアノ組曲が原曲。今回演奏される弦楽合奏版はその翌年に編曲され、ベルゲンで作曲者の指揮により初演された。
「古い様式による組曲」との副題どおり、イタリア・バロック調の第1曲「前奏曲」、フランスのルイ王朝の音楽に肖った第2曲「サラバンド」と第3曲「ガヴォット」、バッハ的な要素をもちつつ北欧的な悲哀を前面に出した第4曲「エア」、そして終曲の「リゴドン」は、軽やかで趣のあるフランス起源の舞曲(リゴドン)と感傷的なメロディの中間部を特徴とする。

メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲 第10番 ロ短調メンデルスゾーンは交響曲を5曲残しているが、それ以前の12歳から14歳の頃、習作として13曲の「弦楽のための交響曲」を作曲している。早熟な彼は、この時期すでに高度な対位法と和声、多彩な旋律を会得しており、それは本作にも顕著に表れている。
比較的演奏機会の多い第10番は、1823年に作曲された、単一楽章による約10分の作品。生涯敬愛したバッハの影響が全曲を通して垣間見られる。

チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 op.48
チャイコフスキーの《弦楽セレナード》は1880年に作曲、翌年、チェコ出身の指揮者エドゥアルド・ナプラヴニクの指揮によりペテルブルグで初演された(非公式には1880年にモスクワ音楽院で、ニコライ・ルビンシテインの指揮により初演されている)。
展開部を持たないソナタ形式の第1楽章「ソナティナ形式の小品」は、テレビのCMなどでもお馴染みの美しいメロディによって始まる。第2楽章「ワルツ」は、ウィンナ・ワルツの優美さと、バレエ音楽に多いフランス風ワルツの要素を兼ね備えつつ、作曲者特有の感傷的な部分もある秀逸な音楽。3部形式をとりながら、中間部が主部の4倍近い長さを持つ第3楽章「エレジー」。ロシア民謡《青いリンゴの木の下で》を用いた終楽章「フィナーレ(ロシアの主題による)」は、その快活さと展開部の巧みな仕掛けが印象的である。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会

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