東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2011-
~東北関東大震災 被災者支援チャリティー・コンサート~ズービン・メータ指揮/NHK交響楽団 特別演奏会
プログラム詳細
2011:04:10:16:00:00
2011.4.10 [日] 16:00開演(15:15開場)
東京文化会館 大ホール
■出演
指揮:ズービン・メータ
ソプラノ:並河寿美
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子
テノール:福井 敬
バス:アッティラ・ユン
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
■曲目
ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」
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指揮者ズービン・メータよりメッセージ
出演者
指揮:ズービン・メータ Conductor: Zubin Mehta
1936年、ボンベイに生まれる。有名なコンサート・ヴァイオリニストでボンベイ交響楽団の創立者でもあった父、メーリ・メータより最初に音楽の手ほどきを受けた。ほんの短期間ボンベイで医学部進学課程に籍をおいたものの、1954年にはウィーンに移り、ウィーン国立音楽大学でハンス・スワロフスキーに師事し、指揮を学ぶようになる。1958年、リヴァプール国際指揮者コンクールで優勝、タングルウッドのサマー・アカデミーでも賞を受賞。1961年までにはすでにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、そしてイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団で指揮をしていた。これら三つのオーケストラとの共演歴はいずれもまもなく50年になる。
1961年から1967年までモントリオール交響楽団の音楽監督を務める一方で1962年にはロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督に就任、1978年まで在任した。1969年、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の音楽顧問となり、1977年には音楽監督に就任、また1981年には同楽団より終身音楽監督の称号を授与された。この特別なオーケストラでは、五大陸にわたるツアーを含め、3000回を超えるコンサートを指揮してきた。1978年にはニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督に就任、同楽団の歴史の中では最長となる13年間、その任にあった。1985年からは、フィレンツェ五月音楽祭歌劇場の主席指揮者を務めている。
1963年にモントリオールでの《トスカ》でオペラの指揮者としてデビュー。以来、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ロイヤル・オペラ・ハウス、ミラノ・スカラ座、シカゴやフィレンツェの歌劇場、そしてまたザルツブルグ音楽祭などで指揮をしてきた。1998年から2006年まではミュンヘンにあるバイエルン国立歌劇場の音楽監督を務めた。2006年10月にはバレンシアにソフィア王妃芸術館を開館、現在にいたるまで同地で毎年開催される地中海音楽祭の総裁を務めている。
カール・ベームから遺贈された「ニキシュ・リング」をはじめ、授与された賞や名誉は多数にのぼる。フィレンツェとテル・アヴィヴの名誉市民であるメータは、1997年にはウィーン国立歌劇場、2006年にはバイエルン国立歌劇場、2007年にはウィーン楽友協会の名誉会員となった。
名誉指揮者の称号は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(2001年)、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(2004年)、ロサンゼルス・フィルハーモニック(2006年)、フィレンツェ五月音楽祭歌劇場(2006年)、バイエルン国立管弦楽団(2006年)から与えられている。
2008年10月には日本の皇室から高松宮殿下記念世界文化賞が授与された。
世界各国で才能ある音楽家の発掘と助成を支援し続けてもいる。弟のザリン・メータと共にボンベイにあるメーリ・メータ音楽財団の共同代表を務め、200人を超える子供たちに西洋のクラシック音楽の教育を行っている。テル・アヴィヴのブッフマン・メータ音楽学校はイスラエルの若い音楽家を育成すべく、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団と密接な関係を保っている。シュワラムとナザレ両都市において地元の教師たちやイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の団員たちでアラブ系イスラエル人の若者たちを指導しようとする新しいプロジェクトも手がけている。
ズービン・メータ公式サイト http://www.zubinmehta.net/
© G. Luca Moggi/New Press Photo/Teatro del Maggio Musicale Fiorentino
ソプラノ:並河 寿美 Soprano: Hisami Namikawa
兵庫県出身。兵庫県立西宮高等学校音楽科卒業。
大阪音楽大学音楽学部声楽科卒業、同専攻科、同大学院オペラ研究室修了。
NHK洋楽オーディション合格、全日本学生音楽コンクール大阪大会第1位、宝塚ベガ音楽コンクール第3位及び特別賞、イタリア声楽コンコールソ入選、ABC新人コンサートオーディション合格(同コンサートに出演)飯塚新人音楽コンクール第2位、ザ・カレッジ・オペラハウス《トスカ》でのトスカ役の演唱により、神戸・灘ライオンズクラブ音楽賞を受賞、受賞記念リサイタル開催。平成18年度音楽クリティック・クラブ賞等多数受賞。オペラでは《フィガロの結婚》伯爵夫人、《コシ・ファン・トゥッテ》フィオルデリージ、《魔笛》女1、《こうもり》ロザリンデ、《フィデリオ》マルツェリーネ、《カヴァレリア・ルスティカーナ》サントゥッツァ、《ドン・カルロ》エリザベッタ、マスネ、《シンデレラ》や《トスカ》のタイトル・ロール、三枝成彰作曲《Jr.バタフライ》尼僧、のいずれもが高い評価を得ている。
2005年2月新国立劇場《おさん-心中天網島より》(近松門左衛門原作 久保摩耶子作曲・台本 世界初演)タイトル・ロールで出演。
更にルーマニアのトゥルグ・ムレシュ市で開催された≪冬の音楽祭≫《カヴァレリア・ルスティカーナ》(演奏会形式)サントゥッツァで出演し、好評を博した。また、2006年7月には佐渡裕の指揮で大きな話題を呼んだ兵庫県立芸術文化センターの《蝶々夫人》でタイトル・ロールを演じ大成功を収め、2008年3月の再演にも登場するなど、着実にその存在を確固たるものに築きつつある。2009年3月、《トウーランドット》(びわ湖ホール、神奈川県民ホール)タイトル・ロールに出演し高い評価を得た。
2010年8月には、愛知県芸術劇場におけるマーラープロジェクト名古屋により、マーラー:交響曲 第4番《大いなる喜びへの賛歌》、ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》(抜粋)のイゾルデなどにも出演する。
コンサートでは《第九》をはじめ、モーツァルト《レクイエム》《ミサ・ブレヴィス》《戴冠ミサ》フォーレ《レクイエム》、オルフ《カルミナ・ブラーナ》、ヴェルディ《レクイエム》、ペルゴレージ《スターバト・マーテル》、等のソリストを務め、いずれも好評を博している。
リリコ・スピントでありながらも、強さの中にドラマを描ける表現力を持つたいへん稀有な存在であり、今後益々の飛躍が大いに期待されている。二期会会員
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子 Mezzo Soprano: Mihoko Fujimura
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、同大学院修了後、ミュンヘン音楽大学大学院に留学。在院中にワーグナー・コンクール(バイロイト)で事実上の優勝、マリア・カナルス・コンクール優勝など数々の国際コンクールに入賞後、オーストリア第二のオペラハウス、グラーツ歌劇場の専属歌手として、幅広いメゾのレパー トリーを歌う。
2002年バイロイト音楽祭に(主役級としては日本人初)デビュー直前、異例にもミュンヘン国立歌劇場のミュンヘンオペラフェスティバルのオープニングと なる新演出《ワルキューレ》(CDFarao社)の初日にもフリッカ役で出演したことで国際的な注目を集め、以来ミラノ・スカラ座、バイロイト音楽祭、ウィーン国立歌劇場、ロイヤル・オペラ・ハウス、ミュンヘン国立歌劇場、パリ・シャトレー劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ドレスデン国立歌劇場、マドリッド・レアル劇場、ルセルン音楽祭、フィレンツェ歌劇場、ジュネーブ大劇場、ヴェローナ歌劇場、エクサンプロヴァンス音楽祭などの他、世界的なオーケストラとも出演し続けている。
よく共演する著名指揮者はクリスティアン・ティーレマン、クラウディオ・アッバ-ド、ズービン・メータ、クリストフ・エッシェンバッハ、サー・コリン・ ディヴィス、クルト・マズア、マリス・ヤンソンス、ケント・ナガノ、チョン・ミョン・フン、セミュヨン・ビシュコフ、ダニエル・ハーディング、ロナルド・ランニクルズ、ファビオ・ルイージ、フランツ・ウェルザー=メスト等の各氏、またクリストフ・ウルリッヒ・マイヤーとの歌曲の夕べ等がある。またブランゲーネ役でプラシド・ドミンゴ、アントニオ・パッパーノとのCD録音 「トリスタンとイゾルデ」(EMI社)でも各方面より注目を浴びた。
オペラ・レパートリーはクンドリ、ブランゲーネ、ヴェーヌス、フリッカ、カルメン、エボリ、アムネリス、アズチェーナ、イダマンテ、メリザンド、オクタヴィアンなどがある。
今後の主な予定として、《パルジファル》のクンドリ役をバイロイト音楽祭、パリ国立管弦楽団(ダニエレ・ガッティ)、新演出の《指環》をバルセロナのリセウ大劇場、ロイヤル・オペラ・ハウス、ウィーン国立歌劇場、バイロイト音楽祭(クリスティアン・ティーレマン) 、《トリスタンとイゾルデ》をマーラー室内管弦楽団(ダニエル・ハーディング)、ベートーベンの《第九》をウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(クリスティ アン・ティーレマン)、モントリオール管弦楽団(ケント・ナガノ) 、ゲヴァントハウス管弦楽団(リッカルド・シャイー)、マーラー「交響曲第8番」をロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(マリス・ヤンソンス)、バイエルン放送交響楽団(マリス・ヤンソンス)、バーミンガム市立管弦楽団(アンドリス・ネルソンス)、NDR交響楽団(クリストフ・エッシェンバッハ)、マー ラー「交響曲第3番」をフィラデルフィア管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 (ズービン・メータ)、ヴェルディ《レクイエム》をバンベルグ交響楽団、MDR交響楽団(準・メルクル)、「ヴェーゼンドンクによる歌曲」を北ドイツ放送交響楽団(ズデニェク・マーカル) がある。
日本では新国立劇場での《ライン黄金》(フリッカ)でデビューし、《ワルキューレ》(フリッカ)、《神々の黄昏》(ワルトラウテ)、《ドン・カルロ》(エボリ)、《イドメネオ》(イダマンテ)、《カルメン》のタイトルロール、《薔薇の騎士》のオクタヴィアン、《ペレアスとメリザンド》のメリザンド、N響の 《第九》ソリスト、歌曲の夕べ(クリストフ・ウルリッヒ・マイヤー・P)などで絶賛を浴びる。2002年出光音楽賞、2003年第54回芸術選奨文部科学大臣新人賞、2007年第37回エクソンモービル音楽賞洋楽部門奨励賞をそれぞれ受賞。
藤村美穂子公式サイト http://www.mihokofujimura.com/
© R&G Photography
テノール:福井 敬 Tenor: Kei Fukui
岩手県出身。国立音楽大学声楽科卒業、同大学院修了。二期会オペラスタジオ修了。修了時に川崎靜子賞受賞。文化庁オペラ研修所修了。1990・94年文化庁派遣芸術家在外研修員等によりイタリアに留学。第20回イタリア声楽コンコルソでミラノ大賞(第1位)、第20回ジロー・オペラ賞新人賞、第4回五島記念文化賞オペラ新人賞、第44回芸術選奨文部大臣賞新人賞、第25回ジロー・オペラ賞、第9回出光音楽賞、第33回エクソンモービル音楽賞洋楽部門本賞。
92年二期会創立40周年記念《ラ・ボエーム》ロドルフォ役の鮮烈デビュー以来、数々のオペラ作品に主演し第一線の活躍を続け、わが国を代表するトップ・テナーとなった。他者の追随を許さない輝かしい声、幅広い表現かつ情感溢れる演技で、聴衆を魅了している。
これまで、新国立劇場では開場記念《ローエングリン》タイトル・ロール、《トスカ》カヴァラドッシ、《罪と罰》(初演)ロージャ等、びわ湖ホールでは《ドン・カルロ》(イタリア語5幕版日本初演)タイトル・ロール、《エルナーニ》《群盗》《十字軍のロンバルディア人》、Bunkamura《マダム・バタフライ》ピンカートン、最高の当たり役《トゥーランドット》カラフ等、大役を次々と演じ、2002年ベルギー王立モネ劇場・二期会《ニュルンベルクのマイスタージンガー》騎士ヴァルター、2003年二期会《カルメン》ドン・ホセ、日生・二期会《ルル》(3幕版日本初演)アルヴァ、愛知万博開催記念《白鳥》(初演)。2004年二期会《エジプトのヘレナ》(日本初演)メネラス。2005年びわ湖ホール《スティッフェリオ》(日本初演)、2006年同《海賊》(同)、二期会《ラ・ボエーム》《蝶々夫人》。2007年二期会《ダフネ》(日本初演)アポロ役では圧倒的な存在感を見せつけ、全国紙のほとんどの評にて最大の賛辞を得た。2007年には東京二期会《仮面舞踏会》リッカルドで絶賛を浴び、びわ湖ホール《こびと~王女様の誕生日~》、2008年2月新国立劇場《黒船》に出演等、確実に実績を積み上げ、2008年9月には札幌交響楽団によるブリテン《ピーター・グライムズ》に主演し絶賛を浴びた。
また、2009年3月舞台芸術共同制作公演《トゥーランドット》(びわ湖ホール&神奈川県民ホール)カラフでも絶賛され、6月、新国立劇場《修禅寺物語》源左金吾頼家に出演し好評を博すなど、さらなる躍進を続けている。
2010年2月、満を持して取り組むことになる東京二期会《オテロ》(ロベルト・リッツィ・ブリニョーリ指揮・東京都交響楽団/白井 晃新演出)タイトル・ロールでは豊かな声量に加え、深い苦悩の表現で客席を魅了。2010年7月《ファウストの劫罰》に主演し絶賛を浴びた。
2011年3月には《アイーダ》(びわ湖ホール・神奈川県民ホール・東京二期会共催)ラダメスなど、今後も各地で大役への主演が予定されている。
ベートーヴェン《第九》やマーラー、宗教曲のソリストとしNHK交響楽団をはじめ国内主要オーケストラから引く手数多の活躍を続け、ダイナミックで完成度の高い演奏は多くの国際的指指揮者たちから賞賛を得ている。福井敬&ヴィンチェンツォ・スカレーラ デュオ・コンサートやリサイタルでもいっそうの充実の歌唱が際立つ名歌手。
CD*『君を愛す』(ディスククラシカ)、松本隆プロデュース『美しき水車小屋の娘』(avex io)。
アジアの歌姫alanとのコラボレーションアルバム『愛は力』(avex)も話題を呼んでいる。
2011年2月には待望のCD『悲しくなったときは/福井 敬 日本を歌う。』(ディスククラシカ)をリリース予定。国立音楽大学准教授。二期会会員
福井 敬公式サイト http://www.fukuikei.net/
バス:アッティラ・ユン Bass: Attila Jun
韓国のソウル生まれ。フィリップ・カンの下、ソウル国立大学で歌を学び、1997年にはウィーンのベルヴェデーレ・コンクールに入賞。1998年以来、ケルン高等音楽院でハンス・ゾーティンについて学び、同音楽院を卒業。
1998年にジュゼッペ・シノーポリがローマ歌劇場における演奏会形式の《ワルキューレ》のフンディング役に抜擢して以来、一躍オペラ界で注目される。
1999年にはアントニオ・パッパーノの指揮で《ローエングリン》でバイロイト音楽祭デビュー、その翌年は、クリスティアン・ティーレマン指揮の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》にも出演。
以来、ワーグナー・バス歌手としてヨーロッパ各地で客演。2004年にはスカラ座で《さまよえるオランダ人》のダーラント役、2009年にはシュツットガルトで《ローエングリン》のハインリッヒ王、2010年にはバルセロナのリセウ大劇場で、《トリスタンとイゾルデ》のマルケ王で大絶賛を受ける。
コンサート活動も盛んで、クリストフ・エッシェンバッハの指揮でヴェルディの《レクイエム》をハンブルク、マドリッド、バルセロナで歌い、フィレンツェ五月祭ではロペス・コボスの指揮でベートーヴェンの《第九》を歌う。日本には、2006年2月、シュトゥトゥガルト州立歌劇場の客演で、《魔笛》のザラストロで初来日。その後、東京交響楽団の《第九》やロリン・マゼール指揮の《第九》でも登場している。
シノーポリ指揮で、リヒャルト・シュトラウスのオペラ《平和の日》を録音、ドイツ・グラモフォンからリリースされている。
管弦楽:NHK交響楽団 Orchestra: NHK Symphony Orchestra, Tokyo
NHK交響楽団の歴史は、1926年10月5日にプロ・オーケストラとして結成された新交響楽団に遡る。その後、日本交響楽団という名称を経て、1951年に日本放送協会(NHK)の支援を受けることとなり、NHK交響楽団に改称した。この間、ドイツからジョセフ・ローゼンストックを専任指揮者として迎え、日本を代表するオーケストラとしての基礎を築く。演奏活動の根幹となる定期公演は1927年2月20日の第1回予約演奏会に始まり、第2次大戦中も中断することなく続けられた。以来、今日に至るまで、ヘルベルト・フォン・カラヤン、エルネスト・アンセルメ、ヨゼフ・カイルベルト、ロヴロ・フォン・マタチッチといった世界一流の指揮者を次々と招聘、また、話題のソリストたちと共演し、歴史的名演を残している。
近年N響は、年間54回の定期公演(NHKホール、サントリーホール)を始め、全国各地で約120回の演奏活動を行なっている。その演奏は、NHKのテレビ・FM放送で全国に放送されると共に、国際放送を通じて欧米やアジアにも紹介されている。また1960年以来、定期的に外国公演を行なう等、その活動と演奏は国際的にも高い評価を得ている。
現在N響が擁する指揮者陣は、名誉音楽監督シャルル・デュトワ、桂冠指揮者ウラディーミル・アシュケナージ、桂冠名誉指揮者ウォルフガング・サヴァリッシュ、名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテット、正指揮者 外山雄三、尾高忠明、首席客演指揮者アンドレ・プレヴィン。また、ネルロ・サンティ、準・メルクル、アラン・ギルバートら、多彩な実力派たちが定期的に客演している。
NHK交響楽団公式サイト http://www.nhkso.or.jp/
合唱:東京オペラシンガーズ Chorus: Tokyo Opera Singers
1992年、小澤征爾指揮・蜷川幸雄演出で話題を呼んだ《さまよえるオランダ人》の公演に際して「世界的水準のコーラスを」という小澤氏の要望により、東京を中心に活躍する中堅・若手の声楽家によって結成された。そして同公演での合唱が圧倒的な成果を上げ、各方面から絶賛された。これにより同年の第1回サイトウ・キネン・フェスティバル松本《エディプス王》、バイエルン国立歌劇場の日本公演(ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮)《さまよえるオランダ人》に招かれ、再び高い評価を得た。
翌1993年から活動は本格化し、「サイトウ・キネン・フェスティバル松本(2009年まで連続出演)」「東京フィルハーモニー交響楽団主催コンサート」「神奈川県民ホール主催オペラ公演」等を活動の中心に置きながら、ベルリン・コーミッシェ・オーパー、キーロフ歌劇場管弦楽団(ワレリー・ゲルギエフ指揮)、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団(ユーリ・テミルカーノフ指揮)、イタリア国立放送交響楽団等の来日公演に出演、音楽界の活性化に大きく貢献することとなった。
1998年には長野冬季オリンピック開会式における世界6カ国を結ぶ《第九》合唱で、中心となる日本側の演奏を担当した。1999年にはヨーロッパの代表的音楽祭の一つであるエディンバラ音楽祭に出演(東急文化村制作《トゥーランドット》)、最大級の賞賛を得た。2000、01年とウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と共演(小澤征爾、サイモン・ラトル指揮)、同楽団からも高い評価を得た。東京のオペラの森には、東京のオペラの森合唱団として第1回から連続出演。2006、07、10年に共演したリッカルド・ムーティ(ヴェルディ《レクイエム》他)と共演、2010年からスタートした「東京春祭ワーグナー・シリーズ」の第1回《パルジファル》でも好演し注目を集める。
ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」
最終楽章に四人の独唱者と混声合唱団を擁する、前代未聞の交響曲《交響曲第9番「合唱付き」》。その完成までには、長い道のりがあった。
ベートーヴェン(1770-1827)がフリードリヒ・フォン・シラー(1759-1805)の頌歌「歓喜に寄せて」に付曲する着想を得たのは、彼がまだ20代前半の頃であった。その後も長く、ベートーヴェンがこのアイデアを手放さず温め続けていたことは、残されたスケッチ・ブック等からもうかがい知れる。
作曲にかかる直接の契機となったのは、ロンドンのフィルハーモニック協会から届いた交響曲の作曲依頼であった。これを受け(大作《ミサ・ソレムニス》の作曲による中断を挟んで)、1822年の暮れから本格的な作業が始まった。
全曲が完成したのは1824年2月。初演は、同年5月7日にウィーンのケルントナートーア劇場で、作曲者自身の指揮(実質的な指揮はミヒャエル・ウムラウフが務めた)によって行なわれた。曲が終わった直後、耳の聴こえなかったベートーヴェンは、アルト歌手に手を取られて、ようやく聴衆の拍手喝采に気が付いた、というエピソードはつとに知られている。ただ、現代のオーケストラでさえ技術的な難度が高く、また長大な作品である《第九》は、ベートーヴェンの生前には、数えるほどしか再演されなかった。
《第九》が広く知られるきっかけを作ったのは、1831年のフランソワ・アブネックとパリ音楽院管弦楽団による第1~3楽章の再演と、その演奏を聴いたリヒャルト・ワーグナーによる1846年の全曲再演であった。特にワーグナーは再演にあたり、楽譜への加筆・改訂を施したが、現代の楽器を意識したワーグナーの改訂は後世にも大きな影響を与え、《第九》の演奏史に果たした彼の役割は非常に大きいとされる。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会/NHK交響楽団/《東京春祭》震災チャリティー・コンサート実行委員会共催:東京文化会館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
協賛: (株)IIJグローバルソリューションズ / ITホールディングス(株) / 伊藤忠テクノソリューションズ(株) / (株)インターネットイニシアティブ / NECビッグローブ(株) / NTTコミュニケーションズ(株) / (株)NTTデータ / 鹿島建設(株) / カルビー(株) / サイボウズ(株) / シスコシステムズ(同) / 清水建設(株) / 全日本空輸(株) / 第一生命保険(株) / 大成建設(株) / 大和証券キャピタル・マーケッツ(株) / トレンドマイクロ(株) / 日興コーディアル証券(株) / 日商エレクトロニクス(株) / (株)日本レジストリサービス / 野村證券(株) / 東日本電信電話(株) / (株)ベネフィット・ワン / みずほ証券(株) / 三井住友カード(株) / (株)三井住友銀行 / 三井不動産(株) / 三菱地所(株) / 安田不動産(株) / (株)ユニヘアー 他
後援:NHK/東京都/台東区 特別協力:サントリーホール
協力:財団法人日本舞台芸術振興会(NBS)/上野観光連盟/上野の山文化ゾーン連絡協議会