PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2011-

~東北関東大震災 被災者支援チャリティー・コンサート~読売日本交響楽団 特別演奏会

プログラム詳細

2011:04:02:19:00:00

Photo: Rikimaru Hotta, Satoshi Aoyagi
■日時・会場
2011.4.2 [土] 18:00開演(17:00開場)
東京文化会館 大ホール

■出演
指揮:尾高忠明
管弦楽:読売日本交響楽団

■曲目
バーバー:弦楽のためのアダージョ op.11 speaker.gif [試聴]
マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調 speaker.gif [試聴]
曲目解説はこちら

[アンコール]
エルガー:創作主題による変奏曲《エニグマ(謎)》 op. 36 より「ニムロッド」

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


※当コンサートの収益は全額「読売光と愛の事業団」を通じて、被災地への義援金として寄付させていただきます。

出演者

指揮:尾高忠明 Conductor: Tadaaki Otaka NHK交響楽団正指揮者(2010年1月~)
新国立劇場オペラ芸術監督(2010年9月~)
札幌交響楽団音楽監督(2004年5月~)
メルボルン交響楽団首席客演指揮者(2010年1月~)
BBCウェールズ交響楽団(現BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団)桂冠指揮者(1996年1月~)

1947年鎌倉生まれ。桐朋学園大学で齋藤秀雄氏に指揮法を師事したほか、作曲、理論、ホルンを学んだ。1970年桐朋学園大学を卒業、第2回民音指揮者コンクールで第2位に入賞。1971年にNHK交響楽団を指揮してデビュー。1972年オーストリア政府から奨学金を得てウィーン国立アカデミーに留学、ハンス・スワロフスキーに師事、さらにオペラをシュパンナーゲルに学んだ。
1974年~91年東京フィルハーモニー交響楽団常任指揮者(現桂冠指揮者)、1981年~86年札幌交響楽団正指揮者、1992年~98年読売日本交響楽団常任指揮者(現名誉客演指揮者)を務めた。1984、89年東京フィル、1993、97年には読売日響のヨーロッパ公演を成功に導いた。1987年にBBCウェールズ交響楽団首席指揮者に就任、翌年には同団を率いてロンドン・プロムスにデビューした。英国内はもとよりヨーロッパ各地、ロシア、そして2度の日本公演と北米公演を行い好評を博す。ロンドン・サンデー・タイムズ紙は、「オーケストラとの8年間、彼はウェールズで奇跡を行った」と書いている。1996年からは桂冠指揮者となり、引き続き数多くの指揮を行っている。
1995年には紀尾井シンフォニエッタ東京のミュージカル・アドバイザー/首席指揮者に就任(現桂冠名誉指揮者)、2000年には同団初のヨーロッパ・ツアーを敢行、オランダ、オーストリア各地で絶賛された。また1998年には札幌交響楽団ミュージック・アドバイザー/常任指揮者に就任、2001年10月、英国ツアーをロンドン、バーミンガム、エディンバラほかで全7公演、音楽監督就任後の2005年9月には韓国公演を行い絶賛を博した。
その他、国内主要オーケストラへの定期的な客演に加え、ロンドン交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、バーミンガム市交響楽団、ハレ管弦楽団、ボーンマス交響楽団、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団、バンベルク交響楽団、ワルシャワフィル、オスロ交響楽団、ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団、メルボルン交響楽団、シドニー交響楽団、オレゴン交響楽団、香港フィルハーモニー管弦楽団等世界各地のオーケストラへ客演している。
オペラの分野では、1977年の二期会公演「フィデリオ」をはじめ、80年代には同じく二期会による《こうもり》《トスカ》《タンホイザー》、関西二期会《カルメン》《魔弾の射手》、民音オペラ《蝶々夫人》、91年に英国のウェールズ・ナショナル・オペラ《サロメ》、98年には読売日本交響楽団でコンサート形式《ピーターグライムズ》など数多くの公演を指揮している。2008年9月には札幌交響楽団とコンサート形式の《ピーターグライムズ》を指揮、各方面から高い評価を得た。
また武満徹、細川俊夫、松村禎三、三善晃など日本人作曲家の作品の初演も数多く手掛けている。レコーディングにも精力的で、これまでBBCウェールズ響等とNimbus、BIS、CHANDOS、カメラータ・トウキョウなどに数多くの優れた録音を残している。近年ではBBCウェールズ交響楽団と録音した武満作品集、グラズノフの交響曲全集、札幌交響楽団とのドヴォルザーク:交響曲第8番/第9番、エルガー:交響曲第3番/行進曲「威風堂々」第6番(ペイン補完)等のアルバムはいずれも高い評価を得ている。
1991年度第23回サントリー音楽賞受賞。1993年ウェールズ音楽演劇大学より名誉会員の称号を、ウェールズ大学より名誉博士号を、1997年英国エリザベス女王より大英勲章CBEを授与された。さらに1999年には英国エルガー協会より、エルガー音楽の普及に貢献したとして、日本人初のエルガー・メダルを授与されている。  また東京藝術大学指揮科主任教授、相愛大学音楽学部客員教授として後進の指導に当たっている。

© Masahide Sato

指揮:尾高忠明 Conductor: Tadaaki Otaka

管弦楽:読売日本交響楽団 Orchestra: Yomiuri Nippon Symphony Orchestra, Tokyo 読売日本交響楽団は1962年、日本のオーケストラ音楽の振興と普及のために読売新聞社、日本テレビ放送網、読売テレビの読売グループ3社を母体に設立された。翌63年にはハチャトゥリアン指揮、コーガンのヴァイオリンで公演を行ない、65年にはブリテン《戦争レクイエム》を日本初演する等、設立当初から話題を呼んだ。歴代常任指揮者を若杉弘(第3代)やレーグナー(第5代)といった世界的指揮者が歴任し、現在の指揮者陣には桂冠名誉指揮者のスクロヴァチェフスキ(第8代常任指揮者)を始め、桂冠指揮者のアルブレヒト(第7代常任指揮者)、名誉指揮者にクルト・ザンデルリンク、クルト・マズア、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(第4代常任指揮者)、名誉客演指揮者に尾高忠明(第6代常任指揮者)等が名を連ねている。2010年4月、第9代常任指揮者に現代フランスを代表する鬼才シルヴァン・カンブルランが就任し、正指揮者の下野竜也(初代、2006年11月就任)と共に、大きな注目を集めている。
創立以来、レオポルド・ストコフスキー、ズービン・メータ、ギュンター・ヴァント、セルジュ・チェリビダッケ、ロリン・マゼール、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、ネルロ・サンティ、ガリー・ベルティーニ、ユーリ・テミルカーノフ、マンフレッド・ホーネック、ワレリー・ゲルギエフといった世界的な巨匠を指揮台に招くと共に、アルトゥール・ルービンシュタイン、スヴャトスラフ・リヒテル、マルタ・アルゲリッチ、内田光子、ヨーヨー・マ、五嶋みどりといった世界の名だたるソリストと共演を重ねている。 現在、サントリーホールでの年間11回の定期演奏会を軸に、名曲シリーズ(サントリーホール)、東京芸術劇場名曲シリーズ、東京芸術劇場マチネーシリーズ、みなとみらいホリデー名曲コンサート・シリーズ(横浜みなとみらいホール)の5シリーズを揃え、最先端のプログラムから聴きやすい名曲プログラムまで、充実した内容で聴衆を魅了している。また2007年度より東京芸術劇場と提携し、同劇場主催のシアターオペラやファミリーコンサート等に度々出演、好評を博している。
新作の委嘱にも積極的に取り組み、三善晃《アン・ソワ・ロワンタン》、武満徹《トゥイル・バイ・トワイライト》等の名曲を生んできた。2001年以降は毎年、新作を委嘱する「読売日響 委嘱シリーズ」を継続しており、細川俊夫の作品を始め多くの作品が作曲賞を受賞する等、作曲界の発展にも寄与している。
海外では1967年の北米公演を始め、1971年から2003年にかけて計6回、欧州各国で公演を行なっている。また、1996年にタイ、1997年に中国(北京)を訪れている。1981年にライプツィヒ第1回国際オーケストラ・フェスティバルに参加。2000年にはアジア代表としてスペイン・カナリア諸島音楽祭に招かれ、さらに日本のオーケストラとして初めてザルツブルク祝祭大劇場のシリーズに出演した。
1968年、若杉弘指揮のペンデレツキ《ルカ受難曲》の日本初演が芸術祭賞に輝いたのを始め、2000年にはグルリット《ヴォツェック》が芸術祭優秀賞を、2004年のヤナーチェク《運命》が佐川吉男賞を受賞する等、受賞歴多数。最近では2008年の第475回定期演奏会《下野竜也プロデュース・ヒンデミット・プログラムⅡ》が芸術祭優秀賞に輝いた。
なお、定期演奏会等の様子は日本テレビ「読響Symphonic Live~深夜の音楽会」で放送されている他、インターネットの「第2日本テレビ」でも動画配信され、好評を博している。

読売日本交響楽団公式サイト  http://yomikyo.or.jp/

■曲目解説

バーバー:弦楽のためのアダージョ op.11
 サミュエル・バーバー(1910-81)は、コープランドとともにアメリカ近現代音楽を代表する作曲家。1935年、彼はピューリッツァー奨励金とアメリカ・ローマ大賞を得てイタリアに留学、翌年《弦楽四重奏曲 第1番》を書き上げた。そして1937年、同曲の第2楽章を弦楽オーケストラのために編曲したのが、この《弦楽のためのアダージョ》である。
 1938年、トスカニーニ指揮NBC交響楽団により初演されたのち、今日に至るまでバーバーの代表作として世界中で演奏され続けている。憂いをともなった旋律が対位法的な処理で進められ、クライマックスを向かえたのち、静かに消えていく。

マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調
 グスタフ・マーラー(1860-1911)にとって、新たな境地を拓く作品となった《交響曲 第5番》。これ以降、彼の音楽からは「人生への諦観」が強く感じられるようになる。
 作曲を始めたのは1901年で、当時、マーラーはウィーンを中心に多忙な音楽活動を展開していたが、持病の悪化やウィーン・フィルの指揮者辞任など、精神的には疲弊の極致にあった。
 全曲は1902年の夏(同年アルマ・シントラーと結婚)に完成。初演は1904年、ケルンにて自らの指揮で行なわれた。しかし、作品の出来、特にオーケストレーションに対する不満から、マーラーは以後も何度か改訂を試みている(その作業は最晩年にまで及んだことが、死の約3ヶ月前に彼がニューヨークで書いた手紙からうかがえる)。
 トランペットのファンファーレで始まる葬送行進曲の第1楽章、「嵐のように激しく、いっそう大きな激しさで」と記された第2楽章、のどかな旋律が特徴的なスケルツォの第3楽章、ルキノ・ヴィスコンティの映画『ベニスに死す』で使用されたことでも知られる耽美的なアダージェットの第4楽章、そして、マーラーの高度な対位法技術を堪能できるロンド・フィナーレの第5楽章により力強く、半ば狂乱的に全曲は閉じられる。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会/《東京春祭》震災チャリティー・コンサート実行委員会
共催:東京文化会館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
協賛: (株)IIJグローバルソリューションズ / ITホールディングス(株) / 伊藤忠テクノソリューションズ(株) / (株)インターネットイニシアティブ / NECビッグローブ(株) / NTTコミュニケーションズ(株) / (株)NTTデータ / 鹿島建設(株) / カルビー(株) / サイボウズ(株) / シスコシステムズ(同) / 清水建設(株) / 全日本空輸(株) / 第一生命保険(株) / 大成建設(株) / 大和証券キャピタル・マーケッツ(株) / トレンドマイクロ(株) / 日興コーディアル証券(株) / 日商エレクトロニクス(株) / (株)日本レジストリサービス / 野村證券(株) / 東日本電信電話(株) / (株)ベネフィット・ワン / みずほ証券(株) / 三井住友カード(株) / (株)三井住友銀行 / 三井不動産(株) / 三菱地所(株) / 安田不動産(株) / (株)ユニヘアー 他
後援:東京都/台東区  協力:読売日本交響楽団/上野観光連盟/上野の山文化ゾーン連絡協議会

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