PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2011-

語りと音楽~《大人のための》ガリバー旅行記

J.Swift作(原 民喜訳)より。壮大な空想譚に仕込まれた「時代と社会と人間」への辛辣な風刺、毒ある諧謔。《大人のあなた》だけがガリバーの苦悩を解読できる。朗読と音楽のcollaborationが演出する、空想を超えた不思議な世界。人気シリーズの第4弾。

プログラム詳細

2011:04:02:19:00:00

Photo: Rikimaru Hotta
■日時・会場
2011.
4.2 [土] 14:00開演(13:30開場)
4.2 [土] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
語り:山根基世、松平定知、広瀬修子、宮本隆治、好本 惠
ヴァイオリン:若松夏美、荒木優子
ヴィオラ・ダ・ガンバ:福沢 宏
チェンバロ:鈴木優人

■作品
スウィフト:『ガリバー旅行記』(原 民喜訳)より

■演奏
テレマン:
《忠実な音楽の師》より「ガリバー組曲」
ターフェルムジーク(食卓の音楽)第1集-トリオ変ホ長調TWV 42:Es1より 第1、2、4楽章
/他
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出演者

語り:山根基世 Reading: Motoyo Yamane 1948年、山口県生まれ。1971年、早稲田大学文学部卒。同年、NHK入局。主婦や働く女性を対象とした番組、美術番組、旅番組、ニュース、「ラジオ深夜便」等を幅広く担当。NHKスペシャル等の大型番組でも、原稿を隅々まで耕し、手を入れ尽くした山根流の語りは、見るものに深い感慨を発酵させる。2005年、女性として初のアナウンス室長。2007年、NHK退職。LLP「ことばの杜」代表。2009年、第9回徳川夢声市民賞受賞。現在、東京大学客員准教授も務める。

語り:山根基世 Reading: Motoyo Yamane

語り:松平定知 Reading: Sadatomo Matsudaira 1944年、東京都生まれ。1969年、早稲田大学卒。同年、NHK入局。「連想ゲーム」や「日本語再発見」を経て、ニュース畑を15年。「その時歴史が動いた」を9年。NHKスペシャルは100本以上を務める等、身体頑健・精神柔軟。2007年、NHK退職後も「ラジオ深夜便」での藤沢周平作品の朗読をライフワークとしている。2010年、第36回放送文化基金賞を受賞。現在、京都造形芸術大学教授、早稲田大学大学院客員教授を務める。

語り:松平定知 Reading: Sadatomo Matsudaira

語り:広瀬修子 Reading: Shuko Hirose 1944年、東京都生まれ。1968年、東京大学文学部心理学科卒。同年、NHK入局。教養、報道、ニュースの他、NHKスペシャル、司会、朗読等に幅広く活躍。分かりやすく、聞きやすく、そして穏やかに沁みこむその語りは、番組ナレーションにひとつのスタイルを確立した。2005年、NHK退職。現在、跡見学園女子大学文学部(コミュニケーション文化学)教授として後進を指導している。

語り:広瀬修子 Reading: Shuko Hirose

語り:宮本隆治 Reading: Lyuji Miyamoto 1950年、福岡県生まれ。1973年、應義義塾大学卒。同年、NHK入局。「NHK紅白歌合戦」の総合司会を1995~2000年にかけて担当する等、主に音楽・芸能番組の司会で活躍。その軽妙洒脱な語りが、視聴者と出演者の心を融合させる。2007年、NHK退職。声帯模写を得意とする等、気さくな人柄が朗読に新しい世界を拓く。現在、NHK「昭和の歌びとたち」の司会等、多方面に出演している。

語り:宮本隆治 Reading: Lyuji Miyamoto

語り:好本 惠 Reading: Megumi Yoshimoto 1954年、東京都生まれ。1976年、東京女子大学文理学部日本文学科卒。同年、NHK入局。1981年、フリーアナウンサー。「きょうの料理」「すくすく赤ちゃん」「NHK俳壇」「ペット相談」等で司会者として活躍。現在、医療、健康、暮らし等をテーマにシンポジウムのコーディネーターも務める。十文字学園女子大学客員教授。立正大学、NHK文化センターの講師。2010年9月、「ことばの杜」に7人目のメンバーとして参画。

 語り:好本 惠 Reading: Megumi Yoshimoto

ヴァイオリン:若松夏美 Violin: Natsumi Wakamatsu 仙台市に生まれる。3歳の誕生日祝にヴァイオリンを与えられ、現在に至る。桐朋学園大学卒。鷲見三郎、江籐俊哉の各氏に師事。オランダのハーグ王立音楽院にてバロック・ヴァイオリンをS.クイケン氏に師事。1985年演奏家ディプロマを得て卒業。現在バッハ・コレギウム・ジャパン、オーケストラ・リベラ・クラシカのコンサートマスター。18世紀オーケストラ(オランダ)のメンバー。東京藝術大学古楽科非常勤講師。

ヴァイオリン:若松夏美 Violin: Natsumi Wakamatsu

ヴァイオリン:荒木優子 Violin: Yuko Araki 桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部卒業。卒業演奏会に出演。同大学研究科修了。
在学中に桐朋学園オーケストラと共演、1998年には文化庁より派遣され、トルコ・イスラエルでのコンサートに出演。第45回全日本学生音楽コンクール奨励賞受賞。
ヴァイオリンを辰巳明子氏に、バロック・ヴァイオリンを若松夏美氏に師事。
バッハ・コレギウム・ジャパン、オーケストラ・リベラ・クラシカなど、日本の代表的な古楽オーケストラの主要なメンバーとして活躍し、数多くのコンサート及びCD録音に参加している。
桐朋学園附属「子供のための音楽教室」仙台教室講師。

© K.Miura

ヴァイオリン:荒木優子 Violin: Yuko Araki

ヴィオラ・ダ・ガンバ:福沢 宏 Viola da gamba: Hiroshi Fukuzawa オランダのデン・ハーグ王立音楽院をソリスト・ディプロマを得て卒業。ヴィオラ・ダ・ガンバをヴィーラント・クイケン、室内楽をシギスヴァルト・クイケン、バルトルド・クイケン、ルーシー・ファン・ダールの各師に師事。在学中より数々のアンサンブルのメンバーとしてヨーロッパ各地で活動。現在、バッハ・コレギウム・ジャパン、ザ・ロイヤル・コンソート、アンサンブル・エクレジアのメンバー。演奏家、講師として全国各地で多彩な活動を行なっている。東京藝術大学古楽科、東海大学教養学部芸術学科非常勤講師。

ヴィオラ・ダ・ガンバ:福沢 宏 Viola da gamba: Hiroshi Fukuzawa

チェンバロ:鈴木優人 Cembalo: Masato Suzuki 1981年オランダ生の指揮者、作曲家、ピアニスト、チェンバリスト、オルガニスト、演出家。東京藝術大学及び同大学院、ハーグ王立音楽院修了。アムステルダム音楽院にてチェンバロをボブ・ファン・アスペレンに師事。アンサンブル・ジェネシス音楽監督。日独リートフォーラム音楽監督。2010/6デビューCD『Rencontre』リリース。2011春『美しきマゲローネの物語』CDリリース予定。東京・春・音楽祭《ローエングリン》公演では空間演出を手がける。

チェンバロ:鈴木優人 Cembalo: Masato Suzuki

■演奏曲目の解説

 ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)は、後期バロックを代表するドイツの作曲家。生前はJ.S.バッハやヘンデルより高い人気を誇っていたという。ちなみに1722年、ライプツィヒで聖トーマス教会の楽長であったヨハン・クーナウが亡くなった際、後任候補として真っ先に名前が挙がったのはテレマンだったという(テレマンはこれを辞退し、結果的にバッハが同職に就いた)。
 「ガリバー組曲」は、ジョナサン・スウィフトの『ガリバー旅行記』の物語に沿って展開される作品で、1728年から翌年にかけて出版された《忠実な音楽の師》(多様な楽器編成による全68作の楽曲集)に収録されている。構成は「序曲(イントラーダ)」「リリパット人(小人国)のシャコンヌ」「ブロブディンナグの巨人のジーグ」「ラピュータ島の住民たちの空想と目を覚まさせる下僕たち」「礼儀正しいフウイヌム人のルールと野人ヤフーの野蛮な踊り」という五つの楽章から成る。
 1733年に出版された《ターフェルムジーク》(食卓の音楽)は、テレマンの代表作の一つ。全3集が《忠実な音楽の師》と同様に、さまざまな楽器編成のために書かれている点と、宮廷での食事の際に演奏される音楽として構想されている点が主な特徴。「トリオ 変ホ長調」は第1集に収められた作品で、全4楽章のテンポがそれぞれ「緩・急・緩・急」に振り分けられた、いわゆる「教会ソナタ」の形式を採用している。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会/有限責任事業組合「ことばの杜」

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