PROGRAMプログラム

東京春祭ディスカヴァリー・シリーズ vol.6 シェーンベルク――20世紀に翻弄された巨人 (日本・オーストリア国交樹立150周年記念)

東京春祭ディスカヴァリー・シリーズ vol.6 シェーンベルク――20世紀に翻弄された巨人 ~偉大な作曲家の軌跡をたどって(日本・オーストリア国交樹立150周年記念)

後期ロマン派を思わせる「感謝」の耽美的な世界から始まり、無調を経て12音技法へと向かったシェーンベルクの歩みを、歌曲とピアノ曲で辿ります。知性派にして技巧派の演奏にも注目。

プログラム詳細

2019:03:21:15:00:00

■日時・会場
2019/3/21 [木・祝] 15:00開演(14:30 開場)
上野学園 石橋メモリアルホール

■出演
メゾ・ソプラノ:池田香織
バリトン:松平 敬
ピアノ:中川俊郎
ピアノ:須藤千晴
ピアノ:矢田信子
お話:白井史人(日本学術振興会 特別研究員)

■曲目
シェーンベルク:
 山鳩の歌(《グレの歌》より)
 感謝 op.1-1
 2つの歌 op.14
  I. 私は感謝するにはおよばない
  II. この冬の日々に
 渚にて
 4つの歌 op.2
《6つの小さなピアノ曲》 op.19
  I. Leicht, zart (軽やかに、柔らかく)
  II. Langsam (遅く)
  III. Sehr langsam (非常に遅く)
  IV. Rasch, aber leicht (速く、しかし軽やかに)
  V. Etwas rasch (いくぶん速く)
  VI. Sehr langsam (非常に遅く)
《架空庭園の書》 より
  第10曲 待ちこがれて私は美しい花壇をみつめる
  第12曲 深い草地の中できよらかに憩うとき
  第14曲 これ以上言わないで
  第15曲 わたしたちは夕闇の中にいた
《5つのピアノ曲》 op.23

チケットについて チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 S席 A席 U-25
料金 ¥3,600 ¥2,100 ¥1,500
■発売日

チケット予約・購入 お買い物カゴ トリオ・チケット 25

一般発売:2019年1月27日 (日) 10:00
※ U-25チケットは、2019年2月8日(金)12:00発売開始
(公式サイトのみでの取扱い)

■上野学園 石橋メモリアルホール

■曲目解説 PDFダウンロード

曲目解説:白井史人

アルノルト・シェーンベルク(1874-1951)にとって、人の声とピアノは生涯にわたり最も身近な「楽器」であった。シェーンベルクが20~40代にかけて残したピアノ曲と歌曲は、後期ロマン派から無調、さらに12音技法などその作風の変化を鮮やかに映し出している。

「山鳩の歌」(《グレの歌》より)

《グレの歌》(1900-1911)は、大規模な管弦楽、合唱、5名の独唱者と語り手による3部構成の長大な作品。詩は、デンマークの詩人ハンス・イエンス・ペーター・ヤコブセンによる。この「山鳩の歌」は第1部の末尾に置かれ、愛するトーヴェの死を嘆くヴァルデマール王の悲嘆を歌う。陰影豊かな調性的響きのなかで動機が複雑に絡み合い、初期作の充実ぶりを示す。

「感謝」《2つの歌》op.1-1(1898)

シェーンベルクが作品番号を付して発表した最初の作品で、詩はカール・フォン・レヴェツォウ。ロ短調/ニ長調の間を揺れて開始する和声と旋律にはブラームス、ワーグナー、ヴォルフらの影響が色濃く、レーガーにも通じる後期ロマン派の響きが艶やかである。

《2つの歌》op.14(1907/1908)

第1曲は、シェーンベルクがシュテファン・ゲオルゲの詩に初めて付曲した作品で、「無調」への傾向を明確に打ち出した時期の佳作。私生活では、妻・マティルデと、シェーンベルク自身とも親交があった若き画家ゲルストルとの三角関係に悩まされていた(画家は最終的に自殺する)。第2曲は、カール・ヘンケルによる詩。ライナー・マリア・リルケの詩による《渚にて》(1909)は、作品番号は付されていないが、作品14と同時期に書かれた。

《4つの歌》op.2(1899/1900)

第1~3曲はリヒャルト・デーメル、第4曲はヨハネス・シュラーフの詩による。各曲が独立して作曲されたが、1903年に出版された際にまとめられた。とりわけ第1曲「期待」など、印象主義的な旋律線や伴奏が絡み合う繊細さが特色。

《6つの小さなピアノ曲》op.19(1911)

無調期の代表作で、1911年2月19日、わずか1日のうちに大部分が作曲された。アフォリズム風の凝縮された小品が並ぶ。反復するリズムに基づく第2曲、ワルツ風の第5曲、静かな和音に旋律の断片が浮かびあがる第6曲など、細部が丹念に作り込まれている。

《架空庭園の書》op.15(1908/1909)より

シュテファン・ゲオルゲの詩による無調期を代表する歌曲集。本日は、全15曲のなかから後半の4曲を抜粋して演奏する。「架空庭園」とは、古代バビロニアの女王セミラミスが築いたとされる階段状の庭園のこと。第10曲では、ピアノ前奏の冒頭で登場する「嬰ト-イ-ニ」の和音が歌い出しの旋律を先取りするなど、和声と旋律が緊密に連携している。

《5つのピアノ曲》op.23(1920/23)

長いブランクののちに発表され、無調的語法を体系化する12音技法の導入を決定づけた記念碑的作品。テンポや性格付けが異なる5曲が多声的に展開する。第5曲「ワルツ」では、「嬰ハ-イ-ロ-ト-変イ-嬰へ-嬰イ-ニ-ホ-変ホ-ハ-ヘ」の12音からなる音列が冒頭の旋律で登場し、全体を構成していく。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会
後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム
特別協力:上野学園 石橋メモリアルホール



※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
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(2018/12/25更新)

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