PROGRAMプログラム

ミュージアム・コンサート N響メンバーによる室内楽

ミュージアム・コンサートN響メンバーによる室内楽

ベートーヴェン、ブラームスの弦楽四重奏全曲演奏を経て、新たなメンバーで贈るN響の室内楽シリーズ。次世代のN響を率いる精鋭たちでお届けします。

プログラム詳細

2019:04:06:14:00:00

■日時・会場
2019/4/6 [土] 14:00開演(13:30 開場)
国立科学博物館 日本館講堂

■出演
ヴァイオリン:大林修子大宮臨太郎
ヴィオラ:坂口弦太郎
チェロ:山内俊輔
オーボエ:池田昭子

■曲目
モーツァルト:
 オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370
 アダージョ ハ長調 K.580a
ブリテン:幻想曲 op.2
ショスタコーヴィチ:
 弦楽四重奏曲 第1番 ハ長調 op.49
 弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 op.110
nhk.pdf

[アンコール]
ボロディン:スペイン風セレナード

チケットについて チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,600

※コンサート当日、常設展をご覧いただけます。

■発売日

チケット予約・購入 お買い物カゴ トリオ・チケット

一般発売:2019年1月27日 (日) 10:00

■曲目解説 PDFダウンロード

モーツァルト:オーボエ四重奏曲

1777年、モーツァルトはマンハイムを訪れた折りに、名オーボエ奏者フリードリヒ・ラムの知己を得た。そして1780年11月、歌劇《イドメネオ》の上演の際、ミュンヘンでラムと再会し、翌年の初頭、彼のために書かれたのがこのオーボエ四重奏曲である。
 ソナタ形式の第1楽章は、軽快なアレグロのテンポにのって、オーボエが瑞々しく歌い始める。第2主題は、転調された第1主題をヴァイオリンが奏で、それにオーボエがオブリガート的に絡んでいく。アダージョの短い第2楽章は、イタリアのバロック協奏曲を想わせる哀愁を帯びた典雅な世界。カデンツァがあるのも協奏曲のようだ。オーボエのヴィルトゥオーゾぶりが発揮される終楽章アレグロはロンド形式。ここでもモーツァルトは定石を破り、冒頭部分を回帰させることなく静かに曲を閉じている。まさに小さな協奏曲という比喩がぴったりの名曲である。

モーツァルト:アダージョ ハ長調

イングリッシュ・ホルンのために書かれた“不思議な”佳曲。1780年代の作とされるが、自筆譜ではイングリッシュ・ホルンのパート以外は楽器が指定されておらず、しかも28小節以降は主旋律だけが残されている。
 「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を一瞬、想わせるような清楚なメロディで始まり、パストラル風の伸びやかな楽想で満たされる。展開部のないソナタ形式で書かれているので、やはり「断片」と見なされるべき作品だろう。

ブリテン:幻想曲

イギリスの音楽学者ウォルター・ウィルソン・コベットが発足させた「ファンタジー・コンペティション」なるコンクールに応募するために書かれた1932年の作品。「作者がイギリス国籍であること」に加えて、「単一楽章で書かれていること」が条件だった。翌年8月、BBCがラジオ放送し、無名の青年作曲家の名が知られることとなった。
 オーボエと弦楽三重奏のための本曲は、冒頭部、中間部、展開部、終結部の4つの部分からなる。チェロによって行進曲風の伴奏音型が奏でられ、それにヴィオラとヴァイオリンが呼応し、オーボエが民謡風のメロディを歌い始める。音楽は徐々にテンポをあげ、オーボエが技巧的なパッセージを披露する。ヴィオラが静かに素朴な旋律を歌って中間部に入ると、弦楽トリオのみの音楽になる。再びオーボエが加わり幻想的な音楽が展開されたのち、また冒頭部が回帰して、最後は消えるように終わる。

ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第1番

ショスタコーヴィチの代表作として知られる交響曲第5番の初演が1937年。その翌年、満を持して弦楽四重奏曲の筆を執ったのが本作である。
 素朴で安定的とされるハ長調の第1楽章はモデラート。のんびりとしたムードに満たされ、ある意味、ショスタコーヴィチらしくない。続く第2楽章もモデラートで、イ短調による朴訥な民謡風のメロディが変奏される。第3楽章は、弱音器を付けて演奏される嬰ハ短調のスケルツォで、ヴァイオリンが技巧的なフレーズを聴かせたりもする。終楽章は、機知に富んだソナタ形式のアレグロ。複雑な音のやり取りを愉しむかのように、四者が一体となってゴール目指して疾走する。

ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第8番

1960年、連合軍の空爆による傷跡がまだ残るドレスデンを訪れた際、わずか3日間で書き上げた作品。初演はベートーヴェン弦楽四重奏団により1960年10月2日、レニングラードで行なわれた。
 「ファシズムと戦争犠牲者の思い出に」捧げられているが、ショスタコーヴィチの署名である「DSCH」の4音動機が用いられており、本作が自分自身に深く関連していることは明らか。自作からの引用も夥しく、交響曲第1番、第5番、第10番、チェロ協奏曲第1番、ピアノ三重奏曲第2番、《マクベス夫人》と枚挙に暇がない。さらには自作以外にも、ディエス・イレ、ロシアの葬送古謡、ジークフリートの葬送行進曲、チャイコフスキー《悲愴》などからの引用が指摘されている。
 すべて短調からなる全5楽章は、間断なく演奏される。第1、4、5楽章がラルゴ、そのあいだに挟まれた第2、3楽章がアレグロ系という構成。死神の嘲笑的な踊り、突き刺すような苦痛、終わりのない嘆きの歌が、鋭く、そしてシニカルに描かれている。最後は《悲愴》交響曲のように、まさに息絶えるように終わる。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会
共催:国立科学博物館



※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
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(2018/10/29更新)

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