郷古 廉(ヴァイオリン)& 加藤洋之(ピアノ)~ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会 III
郷古 廉(ヴァイオリン)& 加藤洋之(ピアノ)
~ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会 III
遂に完結を迎えるヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会。3年で進化を遂げたデュオが挑む、壮大な「クロイツェル」にご期待ください。
プログラム詳細
2019:04:10:19:00:00
2019/4/10 [水] 19:00開演(18:30 開場)
東京文化会館 小ホール
■出演
ヴァイオリン:郷古 廉
ピアノ:加藤洋之
■曲目
ベートーヴェン:
ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 op.47 《クロイツェル》[試聴]
I. Adagio sostenuto - Presto
II. Andante con variazioni
III. Presto
ヴァイオリン・ソナタ 第10番 ト長調 op.96[試聴]
I. Allegro moderato
II. Adagio espressivo
III. Scherzo. Allegro
IV. Poco allegretto
[アンコール]
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための幻想曲
【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。
Beethoven.pdf
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ
第9番 《クロイツェル》
本作は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタのなかでも最高傑作と言われるだけでなく、古今東西のヴァイオリン・ソナタのなかでも特別の地位を占める作品である。出版されたのは1805年だが、彼はこの頃、交響曲第3番《英雄》、ピアノ・ソナタ第21番《ワルトシュタイン》、同23番《熱情》といった傑作を次々と生み出しており、作曲家として脂の乗り切った時期だった。
作曲者自身、「ほとんど協奏曲のように」と書き記しているだけあって、華麗な演奏効果、ダイナミックな曲想、典雅な美しさと雄大なスケールを備えた作品に仕上がっている。特に第1楽章の冒頭、ヴァイオリンが決然と重音のソロを弾き出す部分からは、この曲に賭けるベートーヴェンの強い思いがひしひしと伝わってくる。当初はイギリスの名ヴァイオリニスト、ジョージ・ブリッジタワーのために作曲され、1803年5月24日ウィーンでベートーヴェン自身がピアノを弾いて初演されたが、なぜか当時盛名のあったヴァイオリニスト、ロドルフ・クロイツェルに献呈された。しかし当のクロイツェルは、この曲をついに一度も演奏しなかったという。
第10番
この最後のヴァイオリン・ソナタを、ベートーヴェンがフランスの名ヴァイオリニスト、ピエール・ロード(1744-1830)のウィーン訪問に合わせて作曲したのは1812年、《クロイツェル》の作曲から9年後のことである。これは《交響曲 第7番》(op.92)と《同 第8番》(op.93)が書かれた年だ。ベートーヴェンの生徒にして友人で、パトロンでもあり、本作の初演時にピアノを受け持ったルドルフ大公に献呈されている。
しばしば「田園的」と形容されるように、穏やかで満ち足りた午後の日差しを思わせる曲だが、第4楽章の変奏曲では主題に捉われない即興の妙が、後期の弦楽四重奏曲群にも通じる幻想的な味わいを生み出している。
もし《交響曲 第10番》が作曲されていたら、この「第10番」のソナタのように形式に捕われない、自由で幻想味豊かな音楽が生まれていたのではないだろうか。演奏される機会は少ないが、ベートーヴェンの音楽を考えるうえで貴重な示唆を与えてくれる曲である。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
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(2018/10/29更新)