名手たちによる室内楽の
名手たちによる室内楽の 極
~ベートーヴェン、モーツァルト、R.シュトラウス
名手たちによる真っ向勝負。ピアニスト津田裕也を迎え、R.シュトラウスの若き日の名作をお届けします。
プログラム詳細
2019:03:26:19:00:00
2019/3/26 [火] 19:00開演(18:30 開場)
東京文化会館 小ホール
■出演
ヴァイオリン:長原幸太
ヴィオラ:鈴木康浩
チェロ:上森祥平
ピアノ:津田裕也
■曲目
ベートーヴェン:弦楽三重奏曲 第4番 ハ短調 op.9-3

I. Allegro con spirito
II. Adagio con espressione
III. Scherzo. Allegro molto e vivace
IV. Finale. Presto
モーツァルト:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 K.478

I. Allegro
II. Andante
III. Rondo
R.シュトラウス:ピアノ四重奏曲 ハ短調 op.13
I. Allegro
II. Scherzo. Presto
III. Andante
IV. Finale. Vivace
[アンコール]
R.シュトラウス:≪2つの小品≫ AV182 より 1.アラビア風舞曲
【試聴について】

meishu.pdf
モーツァルト:ピアノ四重奏曲 第1番
1785年、ウィーンの音楽出版社ホフマイスターは、モーツァルトにアマチュア向けのピアノ四重奏曲を3曲、依頼した。この時代のウィーンではピアノ三重奏曲の人気が高まっていたのに、なぜホフマイスターが四重奏曲の出版を目論んだかは謎である。ただ、ヴィオラを愛奏していたモーツァルトが、その申し出を快諾したことは想像に難くない。
1曲目のト短調(本曲)は10月16日に完成。さっそく12月に出版されたが、モーツァルトの意欲が勝ちすぎたのか、ピアノ・パートが難解で、売れ行きは芳しくなかったという。そのため、翌年6月に完成した2曲目の変ホ長調をホフマイスターはライバル出版社のアルタリアに転売してしまう。結局、3曲目が作曲されることはなかった。
第1楽章のアレグロは、交響曲第25番、第40番と同じ「ト短調」作品ならではの、研ぎ澄まされたハーモニーとリズムに貫かれており、冒頭で提示されるモチーフが徹底的に展開される。第2楽章は、深い呼吸とともに進む、変ロ長調のアンダンテ。第3楽章はロンド・ソナタ形式。豊富なニュアンスをちりばめながら、絶妙なアクセントを付けて終曲する。
ベートーヴェン:弦楽三重奏曲 第4番
作品9に含まれる3曲のうち、唯一の短調作品で、ベートーヴェン二十代後半の傑作。1797年の早い時期から着手され、1798年の春には完成していたと見られる。まだ交響曲には着手しておらず、ピアノ・ソナタ《悲愴》などと同時期の作品。「ハ短調」というベートーヴェンにとって特別な調性が用いられている通り、この作品は、作品9の他の2曲を大きく凌駕している。 4つの楽章からなり、第1楽章冒頭の主題動機は半音階的進行により、深遠な装いをまとっている。アダージョの第2楽章は、ため息を想わせるテーマが魅力的で、逡巡しつつ歩を進めるようなテンポに独自なものがある。第3楽章は重厚なスケルツォ。第4楽章は、翌年に完成する弦楽四重奏曲第1番の終楽章のテーマと同じ三連符で始まり、展開部でのフガート処理に未来の巨匠の萌芽が感じられる。
R.シュトラウス:ピアノ四重奏曲
1880年代初頭から1893年にかけて、青年リヒャルト・シュトラウスは、習作ともいうべき室内楽を盛んに書いていた。1884年11月に自作である「13吹奏楽器のための組曲 作品4」を振って指揮者デビューを飾ったシュトラウスが、最初にして最後となったピアノ四重奏曲を書き上げたのは翌1885年1月のこと。初演は同年12月8日。出版は1886年の春で、マイニンゲンの公爵ゲオルク2世に捧げられた。 伝統的な4つの楽章から構成されている。第1楽章はハ短調のソナタ形式。暗い情念を感じさせるテーマはブラームスの影響が濃厚だが、ピアノのアルペジオに弦のトリオが厚いハーモニーを奏でるあたりはシュトラウスの新機軸といえる。第2楽章は《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯》を想わせる諧謔的なスケルツォ。第3楽章のアンダンテはピアノが主役。夢見るようなメランコリックなテーマをピアノが奏で、弦楽器が次々に寄り添っていく。第4楽章のヴィヴァーチェは、逡巡と熱狂というアンビバレンツな情念が交錯するなか、華麗に閉じられる。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
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(2018/10/29更新)