PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2018-

ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.38 工藤すみれ(チェロ)

ニューヨーク・フィルのチェロ奏者として活躍する工藤すみれによるオール無伴奏プログラム。サロネンの作曲活動に演奏者としてインスピレーションを与える、工藤すみれの現在(いま)を聴く。

プログラム詳細

2018:03:22:19:00:00

■日時・会場
2018.3.22 [木]19:00開演(18:30開場)
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール

■出演
チェロ:工藤すみれ

■曲目
J.S.バッハ:
 無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007 [試聴]
  I. Prélude
  II. Allemande
  III. Courante
  IV. Sarabande
  V. Menuet I/II
  VI. Gigue
 無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008 [試聴]
  I. Prélude
  II. Allemande
  III. Courante
  IV. Sarabande
  V. Menuet I/II
  VI. Gigue
黛 敏郎:文楽 [試聴]
エサ=ペッカ・サロネン:YTA III(イタ スリー) [試聴]
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011 [試聴]
 I. Prélude
 II. Allemande
 III. Courante
 IV. Sarabande
 V. Gavotte I/II
 VI. Gigue

[アンコール]
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009 より Bourrée I

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,600

 ■発売日
  一般発売:2017年12月7日(木)10:00

チケット予約・購入 お買い物カゴ トリオ・チケット

■曲目解説

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番、第2番

《無伴奏チェロ組曲》(全6曲)が書かれた年代は、ケーテンの宮廷楽長時代(1717~23)の前期と推定されている。組曲の構造は、定型である「アルマンド/クーラント/サラバンド/ジーグ」の4つの舞曲を基本としながら、第1曲にプレリュード(前奏曲)を置き、最終曲ジーグの前の第5曲には「メヌエット/ガヴォット/ブーレ」のなかから、いずれかの流行舞曲を加えた形に統一されている。

「第1番」は、ト長調というチェロの運指に合った調性が伸びやかな響きを生み出す。第1曲プレリュードは本組曲中もっとも有名な楽章で、間断なく続く16分音符の流れがその背後で進む和声を浮き彫りにする。第2曲は安らぎに満ちたアルマンド、第3曲はイタリア型の急速な3拍子によるクーラント、第4曲は優雅なサラバンド、第5曲には2つのメヌエットが用いられている。そして第6曲の軽快な短いジーグで曲を閉じる。

「第2番」のニ短調という調性は、音楽を内省的な方向へと誘う。第1曲プレリュードは、和声よりも旋律そのものに重点が置かれている。第2曲は高度な技巧が要求されるアルマンド、第3曲のシンプルなイタリア型クーラントを経て、第4曲は引き伸ばされた旋律に和音が重なる典雅なサラバンド。第5曲の2つのメヌエットでは、主調の第1メヌエットがニ短調、第2メヌエットがニ長調となり、古風な響きを醸す。終曲のフランス風ジーグは、規則正しい8小節の楽節構成。

黛 敏郎:文楽

戦後日本のクラシック界を牽引した作曲家の一人・黛敏郎が1960年に書いた「文楽」は、邦人作曲家によるチェロ独奏作品として、貴重なレパートリーになっている。文楽(人形浄瑠璃)の太棹三味線のダイナミックさとドラマティックな太い線を、チェロという楽器で表現しようとしたもので、きわめて独創的な作品である。

エサ=ペッカ・サロネン:YTA Ⅲ

1986年、チェロ独奏のために書かれた、非常に高度な技巧を要する作品。サロネンがYTAシリーズに着手したのは1982年で、Ⅰはアルト・フルート独奏、Ⅱはピアノ独奏のための作品である。タイトルの「YTA」とは、スウェーデン語で「表層」を意味し、表層における素早い動きの奥に、非常に緩慢な形式的プロセスが隠れている。サロネンは、スクリャービン最後のピアノ曲「焔に向かって」で、ランプの回りを飛び回り、ついには焰に羽が触れてしまう、あの「蛾」をイメージしているという。作曲者自身、これは「有機体の死に関するひとつの研究だ」とコメントしている。

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番

ハ短調というチェロでは弾きにくい調性のため、最高弦のA線を1音下げる指定のある曲だが、今日では通常の調弦で演奏されることが多い。全曲にわたってフランス風の性格を持つ難曲である。第1曲はフランス序曲形式のプレリュード。荘厳な雰囲気で始まる序奏部に速いテンポの主部が続く。第2曲もフランス風のゆったりとしたアルマンド。第3曲は、軽快に駆け抜けるイタリア型とは異なり、より繊細なリズムを持つフランス型クーラント。第4曲は8分音符の分散和音が深い瞑想へと誘うサラバンド、第5曲は躍動感ある第1ガヴォットに対し、第2ガヴォットの流れるような3連符が印象的。第6曲は強拍部に付点リズムが置かれた特徴的なジーグで締めくくる。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館 協力:日本音響エンジニアリング株式会社


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2018/03/23更新)

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