PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-

ミュージアム・コンサート東博でバッハ vol.36 村治奏一(ギター)

幼少の頃よりその才能は高く評価され、すでにキャリアを確立しているギタリスト村治奏一。たった1人で奏でる深淵なバッハの世界は、またひとつ彼の可能性を感じさせる聖なる時間です。

プログラム詳細

2017:04:12:19:00:00

■日時・会場
2017.4.12 [水] 19:00開演(18:30開場)
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール

■出演
ギター:村治奏一

■曲目
西村 朗:玉響
J.S.バッハ:前奏曲、フーガとアレグロ ニ長調 BWV998 [試聴]
F.クープラン(D.ラッセル編)
 神秘的なバリケード (《クラヴサン曲集 第2巻》 より) [試聴]
 手品 (《クラヴサン曲集 第4巻》 より) [試聴]
J.S.バッハ:フーガ ト短調 BWV1000 [試聴]
藤倉 大:チャンス・モンスーン
J.S.バッハ:

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004 [試聴]


[アンコール]
タレガ:アルハンブラの思い出

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,600

 ■発売日
  一般発売:2016年12月8日(木)10:00

■曲目解説

西村 朗:玉響

2010年、全音楽譜出版社の委嘱によりギター独奏のために作曲され、初演者でもあるギタリストの鈴木大介に献呈された。「玉響(たまゆら)」とは、玉が触れ合う様子を表す古語で、その硬質の触れ合いによって微かな存在や気配を仄めかせる。ハーモニクスが効果的に用いられ、爪先と弦が触れ合う感触や、音が減衰して虚空に消え行く響きにも、緊張感が漂う作品である。

J.S.バッハ:前奏曲、フーガとアレグロ BWV998

1740~45年頃に書かれたとされ、当代随一のリュート奏者であったシルヴィウス・レオポルト・ヴァイスと親交を結んだことが、作品の成立に寄与していると言われる。前奏曲(プレリュード)、フーガ、アレグロの3楽章からなり、簡素化されたソナタのような楽章構成となっている。リュートまたはチェンバロのための曲で、低弦の動きにも撥弦楽器の妙を生かした響きを聴くことができる。

F.クープラン(D.ラッセル編)の作品

フランソワ・クープランはその後半生に計4巻の《クラヴサン曲集》を出版した。曲集には数十曲の小品が収められ、数曲ごとに組曲(オルドル)としてまとめられている。内容的には古くからの舞曲とともに、ポルトレ(肖像)と呼ばれるバラエティに富んだ標題を持つ小品が多い。ポルトレは作曲家の想像力を刺激した「言葉」であり、その言葉を想像しながら音楽を味わうためのものと言える。《クラヴサン曲集 第2巻》(1717)第6組曲の「神秘的なバリケード」は、もともとリュート曲だったのではと思わせるほど、ギターとの親和性が高い。抽象的なタイトルゆえに、どこか独特の雰囲気を感じさせる。《クラヴサン曲集 第4巻》(1730)第22組曲の最後を飾る「手品」では、最高度に洗練された手の妙技が発揮され、息つく暇もない。

J.S.バッハ:フーガ ト短調 BWV1000

本曲は、バッハのケーテン宮廷楽長時代(1717-1723)前半、1720年頃に作曲されたとされる《無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番》の第2楽章をリュート用に編曲したもの。主題が非常に印象的で、バッハの真骨頂ともいうべき堂々としたフーガは、楽器が替わっても減じることのない音楽性を示してくれる。

藤倉 大:チャンス・モンスーン

2014年、村治奏一の委嘱により書かれたギター独奏のための作品。作曲家自身のプログラムノートによれば、「小さな宝石のようなギターからどうやって大きな世界、宇宙を生み出すか…」という方向性が追求され、村治との綿密なやり取りを経て生み出されたという。トレモロからアルペジオへ、アルペジオからハーモニクスへと移り変わるにつれ次第にエネルギーを増していく、スケールの大きな楽曲である。

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番

「パルティータ第2番」が有名なのは、ひとえに第5楽章に置かれた「シャコンヌ」によるものだろう。第4楽章までは、伝統的舞曲の定型配置で進み、全体のボリュームとしてはこれらが前半に相当する。そして後半を占めるのが、3拍子系の古い舞曲を出自とするシャコンヌである。

シャコンヌの圧倒的な規模、美しさ、崇高さは、本無伴奏曲集を代表するものであり、この楽章のみ単独で演奏されることも多い。シャコンヌ冒頭で呈示される8小節の主題は、4小節ずつ前後半に分かれて同じ和声進行を繰り返し、その8小節の主題がさらに30回にわたって変奏されていく。舞曲という枠組みをはるかに超えた長大な音の建築物とも言える作品である。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館 協力:日本音響エンジニアリング株式会社


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2017/04/13更新)

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